マッサン (第128回・3/3) 感想
NHK総合・連続テレビ小説『マッサン』(公式)
第22週『親思う心にまさる親心』【第128回】の感想。
【注】なお、本作は2/23に全撮影がクランクアップしたため、当記事は、ほんの僅かな編集への期待と愚痴と重箱の隅突きなっております。楽しくご覧になっている方や重隅突きはウザいと思う方は読まない方が良いです。
出征まで一馬(堀井新太)にブレンド作業を教え始めたマッサン(玉山鉄二)は、その奥深さとおもしろさを語る。しかし、女性工員のもとに夫の死亡通知が届き、泣き崩れる姿を目の当たりにして、戦争はやはり死と隣り合わせであるとマッサンたちはあらためて実感するのだった。出征を祝う宴会が開かれ一同が大いに盛り上がるも、エマ(優希美青)だけは気が乗らない。そんななか、熊虎が映写機を準備し、投影を始めて…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
「終わるなよ。終わるなよ」との願いは届かず…
なぜマッサン(玉山鉄二)が、出征間もない一馬(堀井新太)にブレンド作業を教え始めたのは良く解からないが、とにかく理由はどうであれ、このままマッサンのウイスキーへの情熱やブレンド技術への拘りの話がきちんと描かれれば良しとしようと、冒頭のこのシーン「終わるなよ。終わるなよ」と願ったのだが…
やはり、私の願いは届かなかった。住吉酒造時代も留学から帰国したマッサンがウイスキーの話をすると田中社長(西川きよし)が茶々を入れて中断ばかりしていたのを思い出す。
確かに、国産ウイスキーの歴史やウイスキーの製造工程に興味を持つ視聴者は少ないと思う。しかし、今度の朝ドラの主人公は国産初の本格ウイスキーを世に出した夫婦だと聞いて興味を持った人もいたはず。その人たちもモデルになった人物も無視して、勝手にフィクションと名乗る絵空事を見せる作り手たちに腹が立つ。
「届くなよ。届くなよ」との願いも届かず…
女子工員が一馬にお守りを持ってきた。数日中で一番心温まるシーンに、正直少し期待した。笑顔の一馬、複雑な心境の熊虎(風間杜夫)のカットに続いて、エリー(シャーロット)の妙な笑顔のカットで嫌な予感が。如何にも軍人らしき男が登場。「届くなよ。届くなよ」と願ったのだが…
なんと、この直後に間髪入れずに戦死通知が届くくだりを挿入するとは思わなかった。折角の戦地へ赴く青年と送り出す父親の気持ちを描くチャンスだったのに最悪の展開。残り1か月を切った今、5週間目に突入してまで戦争を描く必然性が全く理解できないが…
百歩譲って戦時中を描くなら、一馬と一馬を送り出す家族たちを描かけば良いのに、なぜ赤の他人であるマッサン一家の一馬への気持ちを描くのか。主人公家族だからなんて理由はとっくに破たんしているのに。今日のエマを描くなら、先週の初恋もカットして、兄のように慕っている一馬の赤紙に気が動転するエマで良かっただけではないだろうか。
「わめくなよ。わめくなよ」との願いすら届かず…
今日は珍しくおとなしくしているエマ(優希美青)が放送残り2分まで静かにしていたから、今日はもうこれ以上おかしな話にこじらしてくれるなとの思いを込めて、「エマ、ここでわめくなよ。わめくなよ」と願ったのだが…
案の定スクッと立ち上がって大演説会が始まっちゃった。本心を心の奥底に鎮めて、最愛の息子や弟を明るく送り出してやろうとする人たちの気持ちを考えずに、いつものようにただ自己満足のためだけにわめくエマ。
「みんな、一馬さんのことが心配じゃないの?」と偉そうに演説するエマだったが、いくら若くて思慮が浅い設定なのか、血の繋がりのない母親譲りの自己チュー設定なのか知らないが、ここまでくるとフィクションと言えども腹が立つ。
あとがき
今日はイラッとしっぱなしの15分間でした。みなさん思い出してみて下さい。第1話の冒頭は、年老いたマッサンが亡き妻エリーの名を冠したウイスキーの「スーパーエリー特別賞受賞祝賀記念式典」で始まり、こうナレーションが続きました。
「ウイスキーづくりに情熱を傾けた日本人男性と愛する人の夢を叶えるために見知らぬ国日本でその生涯を過ごしたスコットランド人女性。このドラマは、まだ国際結婚が珍しかった時代に夫婦となった二人の、笑いと涙そして愛がいっぱい詰まった冒険物語です」と。
この僅か3分にも満たないシーンさえなければ、戦争をダラダラ描いてもそれなりの意味も価値もあると思います。しかし、本作が上の語りのようなドラマであるなら、1か月以上もウイスキーを排除してまで戦争を描く意味が全く解かりません。いや、騙されたも同然で腹が立ちます。もう、どうにもなりませんが…
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【これまでの感想】
第1週『鬼の目にも涙』
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第2週『災い転じて福となす』
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第3週『住めば都』
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第4週『破れ鍋に綴じ蓋』
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第5週『内助の功』
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第6週『情けは人のためならず』
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第7週『触らぬ神に祟りなし』
37 38 39 40 41 42
第8週『絵に描いた餅』
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第9週『虎穴に入らずんば虎子を得ず』
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第10週『灯台下暗し』
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第11週『子に過ぎたる宝なし』
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第12週『冬来たりなば春遠からじ』
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第13週『急いては事をし損じる』
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第14週『渡る世間に鬼はない』
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第15週『会うは別れの始め』
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第16週『人間到る処青山有り』
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第17週『負うた子に教えられる』
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第18週『遠くて近きは男女の仲』
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第19週『万事休す』
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第20週『夏は日向を行け 冬は日陰を行け』
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第21週『物言えば唇寒し秋の風』
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第22週『親思う心にまさる親心』
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