土曜ワイド劇場特別企画「スペシャリスト3」 （2014/2/28） 感想

テレビ朝日系土曜ワイド劇場特別企画『スペシャリスト3』（公式）
『主演・草ナギ剛…無実の罪で10年間刑務所に入っていた異色の刑事を演じる!“犯罪のスペシャリスト"が今回挑むのは、自身の冤罪事件が絡む驚愕の連続殺人事件!』の感想。
なお、過去の『スペシャリスト1&2』は鑑賞済み。

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撲殺体が発見され、傍らには古いオモチャが落ちていた。そのオモチャは、宅間が10数年前に作った『キョートマン7』というフィギュアで、それぞれ違った職業のキャラクター7人で構成されていた。今回現場に置かれていたのは“検事"を表すもので、奇しくも被害者は元京都地検の部長検事だった!やがて事件は、15年前から続く連続殺人へと発展し、宅間の冤罪事件にも繋がっていく!最後に明かされる衝撃の真相とは!?
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

3分間の主人公の自己紹介型導入部で惹き付ける

まず、冒頭3分半で刑事・宅間善人（草なぎ剛）自身が視聴者に語り掛けるように自己紹介して、視聴者を劇中に一気に引き込むスタイルが印象的なプロローグでスタート。その後、宅間が所属する特別捜査係の県警でのポジションの説明も、事件現場への特別捜査係の関わり方（邪見に交通整理係をさせられる）でサクッと表現。

主人公は事件現場に行かずに解決しちゃう面白さ

そして、敢えて主人公の宅間は事件現場に出向かずに、事件のテレビの生中継映像と自身の刑務所時代の記憶だけで、視聴者に宅間の卓越した推理力を理解させつつ、そのままスピーディーに事件解決。その上、宅間はタブレット端末の中で事件現場に登場すると言う面白さ。

物語の設定を、冒頭の僅か10分間で魅せる

ともかく、宅間の人並み外れた記憶力と卓越した推理力と頭の回転の速さを、冒頭の僅か10分間で魅せたのはお見事。過去2作も秀逸な“つかみ”だったが、『3』は更に短時間で、“犯罪者の心理を知りつくした”スペシャリストっぷりを映像化。

宅間を演じる草なぎさんのひょうひょうとした演技も相まって、ただならぬ刑事ドラマの始まりを上手く飾ったと思う。

『1』からの謎解きを『3』で解決する壮大な企画

肝心の本編も捻りに捻って、凝りに凝ったつくり込み。特に、シリーズ『1』からの謎を今回の『3』で取り敢えず解決させて一段落つけると言うこの構成が、『1』から計画されていたなら、かなり壮大な企画ってことになるし、そうでなかったのなら、次への伏線も少し残したエンディングはつくり手たちの自信の表れだと思う。

とにかく、このドキドキワクワク感が堪らない

何れにせよ、細かな突っ込み所はあるにせよ、テンポよく謎が解けては次の展開に繋がっていく緊張感と期待感の創出は見事だし、スペシャリスト宅間と被害者に寄り添い犯罪を憎むおばさん刑事・姉小路千波（南果歩）の対比が、回を増す毎に楽しくなってる。とにかく、このドキドキワクワク感が堪らない。

あとがき

今回は『1』から観ている視聴者はとても楽しめたと思います。でも、何となくモヤモヤしたものも残る。これが年1回放送のスペシャルドラマらしい本作の“焦らし”のテクニックですね。天晴れです。

それに、宅間善人を演じた草なぎさんの演技も存在感も本作にピッタリです。ちょっと生意気なのに妙に丁寧なところもあり、自信家なのにシャイな一面もある。冷静沈着なのにひょうひょうとした部分もある。そんな複雑な主人公をバッチリと魅せてくれました。

そして、『2』と『3』のダブルパックでBlu-ray & DVDが発売されますね。これで3作揃う訳です。良かった良かった。

     

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【これまでの感想】
土曜ワイド劇場特別企画「スペシャリスト2」 （2014/3/8） 感想
土曜ワイド劇場特別企画「スペシャリスト」 （2013/5/18） 感想