スクール!! (第3話 1/30) 感想
1/16からフジテレビで始まった『スクール!! (公式)』の第3話『本気で子供のために泣け!!』の感想。
なぜ、“引き算”が出来ないのか?
まず、物語については、相変わらずあれこれやりすぎ。折角、面白いエピソードなのに、数を集めれば良いと言うものではない。当blogで言う“引き算”をし、絞り込むことでキラリと光るのは、プロならわかるはずなのに…<
“括弧で括る”と言う映像の因数分解…
以前、ある番組で北野武監督が、「映像は因数分解のようなものだ」と言った。私なりに解説すると、例えば、狙撃犯Aが、対象B,C,Dを次々と撃ち殺すシーンを撮影しようとすると、普通は、
「引き金を引く狙撃犯A」+「撃たれるB」+「引き金を引く狙撃犯A」+「撃たれるC」+「引き金を引く狙撃犯A」+「撃たれるD」
と、6つのカットが必要になる。ところが、次のように編集しても、観客には同じことが伝わる。
「引き金を引く狙撃犯A」→「撃たれるB」→「撃たれるC」→「撃たれるD」
これは、
「引き金を引く狙撃犯A」×(「撃たれるB」+「撃たれるC」+「撃たれるD」)
と言う映像の因数分解が成り立つからだ。この利点は、撮影するカット数が減るのは当然だが、括弧で括った「引き金を引く狙撃犯A」=テーマが強調される。注意点は、括弧で括られた方(例では3つ)が弱くなる。これを頭に入れて第3話を見てみると…
「給食」で括れば良い、と言うものなのか?
今回の話を因数分解してみると、こんな感じ。
「給食」×(「貧乏」+「格差社会」+「友情」+「同じ釜の飯」+「命の大切さ」+「大橋先生」)
と少なくとも6つエピソードが、「給食」で括られているのがわかる。そのため、「給食の話」と言うのは強く印象に残るが、その他はどうだろう?
どうしても“給食=同じ釜の飯=友情”で、成瀬校長(江口洋介)を活躍させたいなら、命の大切さまで描くのは足し算しすぎだと思う。
“足し算のしすぎ”で、何が描きたいのか見えにくい…
本作は、学校と言うフィールドで何を描きたいのか?学校には、教師、生徒、保護者、法律、教育委員会など様々な描きたくなるアイテムが多い。しかし、たった1時間に全てを盛り込むと、結果として何が描きたいのか見えにくくなる。もっと、引き算をして、テーマを絞り込んで欲しい…
食育まで発展しなくて良かったが(苦笑)
流石に、第3話は手を広げすぎって感じでした。“格差社会の中でもたくましく生きようとする子供の友情”で良かったと思います。
無理に、成瀬校長の“元土木作業”を活かそうと、「同じ釜の飯」を持ち出さなくても、十分に成立するお話だったと思います。さて、来週に期待してみます。
今回はちょっと理屈っぽい記事になりまた。と言うか、毎回理屈っぽいですが(笑)。でも、映像づくりって、こう言う理系的な考え方が重要なんですね。昔から映像作家を“インテリや○ざ”なんて言う人がいます。理屈っぽくて態度が大きいからでしょうね(汗)
















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