映画「きっと、星のせいじゃない。」 感想と採点 ※ネタバレなし


ざっくりストーリー
17歳のヘイゼル・グレース(シャイリーン・ウッドリー)は末期のガン患者。今は奇跡的に薬が効きいているが、学校にも行けず友だちもおらず酸素ボンベが手放せない生活だ。ヘイゼルは親の勧めで嫌々参加したガン患者で、片脚を切断して骨肉腫を克服した18歳のガス(アンセル・エルゴート)と出会う。
ヘイゼルに惹かれたガスだが、ヘイゼルは彼を傷つけまいと距離を置く。ガスは彼女に振り向いて貰おうと、彼女が大好きな小説の作家にメールを送り返事を貰うことに成功する。それがきっかけとなり、ヘイゼルが知りたいと切望する小説の“書かれていない結末”を作家に教えて貰うためにオランダへ行くことに。
お互いに誰よりも好きなのに、2人は“友だち”として旅に出る…
よくある不治の病の男女の悲恋ドラマとは一味違う
予告編や前評判では「また、よくある不治の病を負った若い男女のラブストーリーかな?」とさほど興味は無かったが、何度も予告編で見た主演のシャイリーン・ウッドリーの眼差しの魅力に惹かれて公開初日に劇場へ。
観終えた感想は、予想以上に真面目に「生と死」を捉え、少々哲学的なテイストを挟みながら、ウィットに飛んだエッセンスが散りばめられた気軽に楽しめる、愛と命の物語。「人生を生きるとはどういうことか」を考えさせられた映画だ。
また、中盤に登場する『アンネの日記』とヘイゼルが大好きな小説『大いなる痛み』の両作品に対する結末の解釈も興味深い。
限りある時間の中にも無限がある
所々に気が利いた洒落た台詞が忍ばせてあるのも楽しい。「0と1の間には無限の数字がある。0.1、0.12、0.112…。0と2の間にはもっと大きな無限がある。与えられた以上の数を私は手に入れたい。」とか、「この世は夢工場じゃない」とか。
不治の病を抱え余命幾ばくも無い若い男女の、眩しく輝きエネルギッシュな言葉に、観ているこちらが元気を貰える。限りある時間の中にも無限がある。それが例え小さな無限でも、その瞬間瞬間を精一杯生きる。愛するたった1人に忘れられなければ良いと必死に等身大の自分を相手に見せて。
たかがラブストーリー、されどラブストーリー
全体的に良く出来た脚本だし、演出も悪くない。演技も配役も見事と言って良い。ただ、哲学的な部分が少々雑な感じで尻切れ気味なのと、意外性のあるストーリーではあるが、見方によっては単調だし、泣けるほど強力なインパクトは無い。
ただ、泣ける映画が良いかと言えば、私はそうは思わない。むしろ、若い人たちに本作を通して「人を愛すること」「人生を生きること」を考えるきっかけになれば素晴らしいと思うし、中年世代には若かりし頃の純愛な気持ちを思い出し、パートナーを改めて愛おしく思うのも良いと思う。
あとがき
よくある不治の病の主人公の悲恋物語とは一味違う、ちょっと哲学テイストでポップな愛と命のラブストーリー。登場人物たちがみんな前向きでエネルギッシュに輝きつつも、人生の不条理に悩み苦しみ、今その瞬間を精一杯生きているのが素敵でした。
難病と悲恋を扱った作品ですが、デートムービーでも良いと思います。また、若者向けに見られがちですが大人世代にもお勧めです。
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