マッサン (第109回・2/9) 感想
NHK総合・連続テレビ小説『マッサン』(公式)
第19週『万事休す』【第109回】の感想。
【注】本作をを楽しくご覧になった方は、読まない方が良いです。
1940年(昭和15年)、マッサン(玉山鉄二)とエリー(シャーロット)が余市へ来て8年がたち、エマ(優希美青)も思っていることをハッキリ言う活発な少女に成長していた。6年前から仕込んできた原酒は着実に熟成を重ね、ついにマッサンはブレンド作業を始めるのだった。俊夫(八嶋智人)らが見守るなか、スコットランドから帰国して20年にして、マッサンが目指し理想としてきたウイスキーがようやく完成する。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
残念。結局、端折る方を選んだか…
余市でのウイスキー完成までのくだりを、本作の脚本家と演出家がどう表現してくるか?それが楽しみでもあり、期待もしていた訳だが、結局、6年間を端折ると言う表現方法を選択してきた。予想していたことではあるが、実際に目の当たりにするとかなりショックだ。
第1号が完成するまで、逃げずに描いて欲しかった
出資者を欺いてまで推し進めたウイスキー事業が、様々な研究や仕込み段階を経て、マッサン(玉山鉄二)とエリー(シャーロット)の夫婦愛やエマとの家族愛、そして余市の人たちとの関わりもあって、紆余曲折して完成するくだり。正に「マッサンとエリーの愛と冒険の物語」。
それをきちんと描こうとすれば、その6年の歳月はかなり難しいはず。特に匂いや香りや味はテレビの中から伝わらない。台詞やナレーションで補強しても限界もある。マンネリ化も懸念される。また、他社製品と比較する方法もあるが、これは酒業界的に厳しそう。
でも、表現して欲しかった。描いて欲しかった。作り手として逃げずにやって欲しかった。今日はその気持ちしか残らない…
肝心なところは誤魔化し、描いたのはエリーばかり
結局、本作はこの約4か月余り、ずっと肝心なところは省略、端折り、時間経過、ナレーション処理で過ごしてきた。いや、誤魔化してきた。マッサンとエリーの出会いも、スコットランドの留学時代のことも、主人公2人とウイスキーにまつわる重要だと思われるエピソードはすべて(と言って良い程)この手で処理してきた。
そして、描写に力を入れたのは、エリーのその時々の近所の人たちとの関わりや、ご近所さんたちそのもの、そして、マッサンの職場の人たちや家族とのやり取りばかり。描くなとは思わない。夫婦の物語だから描くべきだ。しかし、マッサン不在で描くばかりで、夫婦のエピソードと言えるのだろうか。
こんな"夫婦の愛と冒険の物語"を見たかったので無い
現場スタッフが、限られた予算やスケジュールの中で小器用に撮影・編集するのもどうかと思うが、脚本段階で史実を小器用にいじって、いつもの朝ドラ風に仕立てたとしたら、残念としか言いようがない。
まあ、劇中のエリーも歳をとり今までのようにお節介キャラで行くのも無理があるだろうから、今後の物語の中心はエマ(優希美青)にシフトして、盛り上げていくのだろう。そのためのエマ役の成長(交代)であり、6年間の省略だと思うし。
これから親子3人のストーリーとして何となく盛り上げていくのだろうが、こう言うのを見たかったのではないことだけは明らかだ。
あとがき
エリーが日本に馴染めば馴染むほどに日本語は聞き取りにくくなり、スコットランド人の母譲りの英語なのにエマの英語もパッとしない。マッサンの髭も何だかなあって感じ。幼少期(4~10歳)エマは成長が止まっていたのに、15歳で一気に…。もう少し毎朝観ている視聴者にやさしい放送をお願いしたいです。
まさかこれって公共放送によるいじめじゃないですよね。そう、思いたくなる15分間でした。
★ケータイの方は下記リンクからご購入できます。
連続テレビ小説「マッサン」オリジナル・サウンドトラック
ウイスキー一筋に生きてきた男、竹鶴政孝。 (マガジンハウスムック)
竹鶴とリタの夢 余市とニッカウヰスキー創業物語
大好き「マッサン」ファンブック
★本家の記事のURL → http://director.blog.shinobi.jp/Entry/6648/
★FC2ブログへトラックバックが送信できない方へ → コメント欄に、ブログ名、記事のタイトル、URLをご記入下れば、確認次第公開させて頂きます。お手数をお掛けします。
なお、【Seesaaブログ】http://dmesen.seesaa.net/article/413757738.html でも、TB受付けております。
【これまでの感想】
第1週『鬼の目にも涙』
1 2 3 4 5 6
第2週『災い転じて福となす』
7 8 9 10 11 12
第3週『住めば都』
13 14 15 16 17 18
第4週『破れ鍋に綴じ蓋』
19 20 21 22 23 24
第5週『内助の功』
25 26 27 28 29 30
第6週『情けは人のためならず』
31 32 33 34 35 36
第7週『触らぬ神に祟りなし』
37 38 39 40 41 42
第8週『絵に描いた餅』
43 44 45 46 47 48
第9週『虎穴に入らずんば虎子を得ず』
49 50 51 52 53 54
第10週『灯台下暗し』
55 56 57 58 59 60
第11週『子に過ぎたる宝なし』
61 62 63 64 65 66
第12週『冬来たりなば春遠からじ』
67 68 69 70 71 72
第13週『急いては事をし損じる』
73 74 75 76 77 78
第14週『渡る世間に鬼はない』
79 80 81 82 83 84
第15週『会うは別れの始め』
85 86 87 88 89 90
第16週『人間到る処青山有り』
91 92 93 94 95 96
第17週『負うた子に教えられる』
97 98 99 100 101 102
第18週『遠くて近きは男女の仲』
103 104 105 106 107 108
第19週『万事休す』