銭の戦争 (第5話・2/3) 感想
関西テレビ系『銭の戦争』(公式)
第5話『父の死と赤松金融に因縁…奴に復讐だ!』の感想。
なお、原作漫画:パク・イングォン『銭の戦争』も関連ドラマも未見。
赤松(渡部篤郎)は富生(草なぎ剛)の素性を知り警戒する。そんな中、未央(大島優子)が借金を一括返済しに来た。赤松は、富生の情報を随時教えるよう頼む。未央は赤松が捨てたはずのUSBメモリーを持っていると聞き、断ることができない。富生らは、高級住宅街の中の一軒家に取り立てに行く。一方の梢(木村文乃)は、赤松の話から富生の父親の会社が早和子(ジュディ・オング)の会社の傘下に入っていたことを知り、疑問を抱く。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
前回の記事では、「いい人」なのか「悪い人」なのか、その境目の曖昧さが富生(草なぎ剛)の“魅力”と書いた。しかし、実はその“富生の魅力”こそ主人公のキャラやドラマ全体の印象を曖昧にしていた。だが、今回は違った。富生に纏わる5つの事柄を、下記のように丁寧に整理して魅せてきた。
[1] 富生の今の仕事が金貸しであること。
[2] 富生が務める赤松金融が悪徳業者なこと。
[3] 赤松(渡部篤郎)が富生を調べていること。
[4] 富生と未央(大島優子)の今の状況や関係性。
[5] 梢(木村文乃)が未央に敵対する以外に富生への復讐心が見えたこと。
富生がどんな男なのか、次々と明らかになるのも楽しい
上記の5つだけでも、かなり主人公が立ってきたのだが、更に富生の父・孝夫(志賀廣太郎)の死直後と一歩前進できそうにまで回復したホワイト化学と富生の関係までしっかり挿入したことで、富生と従業員たちとの関係もスッキリし、ほぼすべての登場人物たちの関係性が明瞭になったのは見事だ。
また、元カリスマ美容師の妻の自殺を止めたり、ホワイト化学での乾杯のシーンなど、富生と言う男がどんな人間なのか、次々と明なかになっていく様も、なかなか楽しい。
荒々しい展開だからこそ、俳優の落ち着いた演技が輝く
もちろん、ドラマの展開としては、かなりトントン拍子的な部分は否めない。更に、韓国ドラマ風の奇抜で強烈で違和感を覚える展開を組み込むから、長編ドラマの縮小版的な少々残念なテンポ感になっているのも事実。
ただ、この日本のドラマらしからぬ激動の荒々しい脚本を、見事に日本の連ドラに仕上げているのが俳優陣の存在感と演技力だ。演技については基本的に言及しない当blogだが、こと本作に限っては俳優さんたちの演技なくしては、この完成度は成立しないと思う。
特に、草なぎさん、渡部さん、木村さんら俳優自身の存在感や演技から滲み出てくるようなリアルな恐ろしさや、人間性の弱さ、情け、怒りが、やは荒々し過ぎる脚本を人間ドラマに仕上げつつあると思う。特に静止状態の表情のアップだけで魅せる演技に何度もドキッとさせられた。
あとがき
全体的にだいぶスッキリしたとは書きましたが、予告編を見ても、まだ韓国ドラマ的なエッセンスは登場するわけですよね。韓国ドラマを否定しませんが、本作の俳優さんたちの演技などからすると、折角わかり始めた富生のキャラがまた見えにくくなりやしないかが心配なのです。さて、どうなるでしょうか。
それと、第5話にして、草なぎさんに“白石富生”が完全に憑依したような気がします。今回は、草なぎさんでなく、富生が怒り、富生が苦しみ、富生が笑ってました。こうなれば、あとは脚本の展開で多重人格者みたいに描かないようにして頂ければ、富生を演じきるでしょうね。
それと、これを書くとまた問題になりそうですが、前回に比べて、“女優・大島優子”が着実にステップアップしてました。特に富生と未央のキッチンでの料理から食事のシーンのやり取りを、撮影編集も単純なカットの切り替えのみなのに、真正面の相手と食事しながら上半身だけで、今の富生と未央の関係を目の演技でしっかり見せてくれました。良かった。
★ケータイの方は下記リンクからご購入できます。
ドラマ「銭の戦争」 オリジナルサウンドトラック 菅野祐悟
華麗なる逆襲/ユーモアしちゃうよ(初回限定盤A)
華麗なる逆襲/ユーモアしちゃうよ(初回限定盤B)
銭の戦争 第一巻 魔王誕生
★本家の記事のURL → http://director.blog.shinobi.jp/Entry/6624/
★FC2ブログへトラックバックが送信できない方へ → コメント欄に、ブログ名、記事のタイトル、URLをご記入下れば、確認次第公開させて頂きます。お手数をお掛けします。
なお、【Seesaaブログ】http://dmesen.seesaa.net/article/413485391.html でも、TB受付けております。 【これまでの感想】
第1話 第2話 第3話 第4話
- 関連記事
-
- 相棒Season13 (第14話・2/4) 感想 (2015/02/05)
- マッサン (第105回・2/4) 感想 (2015/02/04)
- 銭の戦争 (第5話・2/3) 感想 (2015/02/04)
- まっしろ (第4話・2/3) 感想 (2015/02/04)
- ゴーストライター (第4話・2/3) 感想 (2015/02/04)