オリエント急行殺人事件 (第一夜・2015/1/11) 感想

フジテレビ系フジテレビ開局55周年特別企画『オリエント急行殺人事件』公式
第一夜の感想。
なお、アガサ・クリスティによる原作の長編推理小説(1934)は既読。また、シドニー・ルメット監督映画(1974)も鑑賞済み。


第一夜は可能な限り原作を忠実に映像化する。民放ドラマ初主演の野村萬斎が、日本版名探偵ポアロ・勝呂武尊(すぐろたける)を演じる。
昭和8年、最新鋭の技術と贅の限りを尽くした超豪華列車・特急東洋。夜が明けた頃、成金実業家が無残な他殺体となって発見される。雪に閉ざされた列車の中、勝呂は真犯人を暴き出すべく動き出す。階級も職業もまるで異なる容疑者12人。日本映画・ドラマ史上かつてない豪華な容疑者12人と勝呂の対峙(たいじ)が始まる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

1974年の名作を忠実に再現した………?

第一夜の“前編”は、正に「和製ポアロ」「和製オリエンタル急行殺人事件」と言った感じ。想像以上に1974年のシドニー・ルメット監督&アルバート・フィニー主演の名作映画『オリエント急行殺人事件(以下、「劇場版」と略)』を、昭和モダンが華やかな昭和初期の超豪華寝台列車を舞台に忠実に再現した…

主人公の存在そのものが違和感ありまくりで…

と、言いたいところだが、最後まで違和感を覚えて仕方無かったのが、野村萬斎さん演じる主人公・和製名探偵ポアロ・勝呂武尊だ。

しなやかな身のこなしやキザな部分は良いとして、大平透さんの喪黒福造か小池朝雄さんの刑事コロンボか田中明夫さんのエルキュール・ポワロの二番三番煎じのような喋り方や、劇場版の俳優アルバート・フィニーを模した髭や行動も心に引っ掛かり続けた。

確かに、劇場版の吹替えの印象を完全に拭ってのキャラづくりは難しいと思うし、中盤では吹替え版のシュールなコメディに見えなくも無かった。しかし、3時間もあの勝呂武尊が容疑者を取り調べるだけで進むこのストーリーを魅せるのにはくど過ぎたし、正直聞き取り難かった。

豪華キャストは、ギリギリ活かきったかな?

本作の最大の面白さは、豪華キャストを揃えて誰が犯人でもおかしくない舞台設定と、探偵の推理だけで事件を解決していく密室殺人の話。その意味では、この類の作品にありがちな、各自の出番に配慮したら中身が空っぽな作品で無く、それなりに最後の謎解きまで引っ張ったと思う。

三谷さんは萬斎さんの和製ポアロで良かったのか?

とにかく、言うなれば“前編”は劇場版の焼き直しだ。脚本の三谷幸喜氏の劇場版へのオマージュも解るし、演出の河野圭太氏も結構忠実に劇場版のカット割りなど真似ているのも認める。

が、いくら表面的な部分を似せても、物語のけん引役である勝呂武尊が終始気になって物語が頭に入ってこなかったのは、如何なものかと言わざるを得ない。

そして、あて書きで有名な三谷氏が萬斎さんの和製ポアロが無ければ書けないとしたら、やはり三谷作品も焼きが回ってきたのかもしれない…

「6時間を返せ」とだけは言わせないで欲しい

第二夜の予告編を観る限り、“犯人からの視点”で事件全体を改めて描くようだ。だとすれば、それが劇場版では描かれなかった部分。“前編”の劇場版の亡霊に悩まされガチガチ仕立ての作品を、どの程度着崩して、『古畑任三郎』級のコミカルで真面目で楽しい作品に仕上げてくるか。観終わって、「6時間を返せ」と言わせない作品を期待したい。

あとがき

原作や過去の映像化作品と原則は比較しない立場ですが、まだ小中学生の頃に出会ったこの『オリエンタル急行殺人事件』の印象は、私にとって強烈な印象を残している作品です。正月休みにDVDも観直しましたし…

特に、社会派映画を得意としリアリズムを追求した図太い演出技法の名匠シドニー・ルメットが生み出した上質ミステリー映画と本作を冷静に切り離して判断するのは難しかったです。第二夜の三谷さんのオリジナル解釈による事件の再構築で、既視感ゼロの新たな作品を期待します。

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オリエント急行殺人事件 (第二夜・/2015/1/12) 感想
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