[読書]「読ませる」ための文章センスが身につく本 (奥野宣之/著・実業之日本社) 感想

詐欺師の騙しのテクニックで読ませる文章を書く
50万人が支持した「ノート1冊術」シリーズの著者・奥野宣之氏の最新刊。
本書がユニークなのは、普通なら文章術を「文法的に…」とか「文章力を…」とか「てにをはを…」となるところを、「つかむ」「のせる」「転がす」「落とす」と、まるで詐欺師の騙しのテクニックで、面白おかしく解説してくれるところ。
目指すは、疲れた人のための「小学生でもわかる文章」
第1章「つかむ」と第2章「のせる」は、何かを伝える文章を書く上で大事なことが詰まってる。中でも第1章第5講「読み手は疲れている」は目からウロコ。
中高年は老眼、若者は国語力不足、年齢に限らず花粉症やドライアイなど、みんな読み手は読むことに障害がある。だから「小学生でもわかる文章」を目指すのは理にかなっている。
そして、感動のための「簡素でドライな文章」
一方、第3章「転がす」と第4章「落とす」は、プロのテクニックが詰まってる。第20講「大事なことは書かない」には、“現代人は「深み中毒」”とある。
確かに最近は感動秘話や深イイ話に感動しにくい自分がいる。その理由が「みなまで言うな」だと。「簡素でドライな文章」が想像力を掻き立て感動しやすいのは頷ける。
「モヤモヤ文章」でモヤモヤを共感しよう
本書には「イキイキ文章」と「プロの技」と言う成功例と術が書かれているが、秀逸なのは失敗例である「モヤモヤ文章」の完成度?だ。イラッとする文例が実に生々しくて、ためになる。
「モヤモヤ文章」を頭に叩き込むだけでも実用性抜群。必ず知らない内に読み手をモヤモヤさせていたことに気付くと思う。
あとがき
文字も大きく、レイアウトもリズムがあり、文章も全体的にメリハリがあってユニークで、読み物としても十分楽しめます。また、多くの有名作家の文章が載っていて、それを読むと“物書き”の世界の奥深さに驚かされます。「読んでもらいたい」と思っているすべての「書く人」にお薦めです。
|
★ケータイの方は下記リンクからご購入できます。
「そのひと言」の見つけ方 ?言葉を磨く50のコツ?
売れる文章術
買わせる文章が「誰でも」「思い通り」に書ける101の法則 (アスカビジネス)
企画は、ひと言。
★本家の記事のURL → http://director.blog.shinobi.jp/Entry/6514/
★FC2ブログへトラックバックが送信できない方へ → コメント欄に、ブログ名、記事のタイトル、URLをご記入下れば、確認次第公開させて頂きます。お手数をお掛けします。
- 関連記事
-
- [読書]企画は、ひと言。 (石田章洋/著・日本能率協会マネジメントセンター) 感想 (2015/01/25)
- [読書]ブッダ 真理のことば / NHK「100分de名著」ブックス (佐々木閑/著・NHK出版) 感想 (2015/01/19)
- [読書]「読ませる」ための文章センスが身につく本 (奥野宣之/著・実業之日本社) 感想 (2015/01/10)
- [読書]NHK「100分de名著」ブックス アインシュタイン 相対性理論 (佐藤勝彦/著・NHK出版) 感想 (2015/01/07)
- [読書]デジカメ写真のレタッチ・加工が上手くなる本[Photoshop] (高橋としゆき、田中クミコ、薮田織也、吉田浩章/著・翔泳社) 感想 (2015/01/03)