[読書]NHK「100分de名著」ブックス アインシュタイン 相対性理論 (佐藤勝彦/著・NHK出版) 感想
映画「インターステラー」を観たのが、興味の発端
先日、21世紀らしいの宇宙旅行を描いた映画『インターステラー』を観た。その劇中に何度も登場するのが、アインシュタインの「相対性理論」の時空やブラックホールや重力の話。劇中では何となく解っていれば、映画は楽しめように作られているSF映画の秀作だ。
映画「インターステラー(字幕版)」 感想と採点 ※ネタバレなし
そこで、もっと「相対性理論」を知りたくなった。特に重力と時間の関係について、映画を観る前にもっと知っていたら、より深く作品の世界を体験できたと思ったのだ。そこで、「相対性理論」の入門書として書店で見つけたのが本書。
高校数学と物理の知識があれば、本書は理解できる
アインシュタインの『相対性理論』の理解は、私のような高卒程度では理解不可能に決まっているが、その解説書である本書を理解するには、高校の数学と物理の知識があれば十分だ。もしかすると、この分野に興味があれば、数学や物理の知識は無くても大丈夫かもしれない。その理由は3つある。
1.著者が超初心者を相手に文章を書いてくれている点。
2.解らなくて良い部分は、その旨が書いてあるから不安なく読み進める点。
3.図説が丁寧且つ具体的で、脳内実験がやりやすい点。
なお、脳内実験とは、アインシュタイン本人も自身の論理展開を裏付けるために、実際には不可能な実験を脳内に想定し行ったことから、私たち読者も脳内実験によって、理解を深めようと言うこと。これが実に理にかなっている。
光の速度や宇宙的規模の話を、頭の中で小さな(現実的な)レベルにまで引き下げて考えることで、高卒程度の知識でも理解できると言う本書の仕掛けだ。あとは、自分で宇宙レベルまで脳内補完すれば良いってことだ。
世界中のロマンを抱いた科学者たちの歴史本でもある
本書は、アインシュタイン個人の歴史や人柄にも触れられている。そして、『相対性理論』が出来上がるまでに、世界中のロマンを抱いた科学者が次々と、『相対性理論』を補強する実験や論文を発表し、次第に完成度が高まっていくことが読み取れる。
ノーベル賞受賞者の話を聞いても、「決して一人では完成しなかった」と言う発言をよく耳にするが、正にそのことが時系列で書かれており、『相対性理論』が完成するまでのストーリー本としても楽しめる。
あとがき
読み進めて行くうちに、どんどん『相対性理論』が解った気がする本です。どこに疑問を持ち、どう解決し、どう論理を展開すべきかが、とても解り易く書いてあります。そして、ちょっとした冒険モノを読んだ気分にもなれます。
まずは、気負わずに読んでみるのをお薦めします。教科書を必死に読んだ学生気分をちょっぴり味わえますよ。
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「相対性理論」を楽しむ本―よくわかるアインシュタインの不思議な世界 (PHP文庫)
マンガでわかる相対性理論 (サイエンス・アイ新書)
図解 相対性理論と量子論―物理の2大理論が1冊でわかる本
高校数学でわかる相対性理論 (ブルーバックス)
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