マッサン (第78回・12/27) 感想
NHK総合・連続テレビ小説『マッサン』(公式)
第13週『急いては事をし損じる』【第78回】の感想。
ピート臭を抑えたウイスキーづくりに思い悩むマッサン(玉山鉄二)に、俊夫(八嶋智人)は政志(前田吟)がそうであったように、何があっても自分の信念を貫き通すべきだとマッサンを励ます。ピート臭が販売不振の原因だと主張する鴨居(堤真一)に対し、客にこびてまで味を変えたくないとマッサンは主張し、二人の間に亀裂が生じる。そんな中、鴨居は京都帝大の教授を招き、ブレンド作業を手伝ってもらうと告げるのだが…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
政春の信念、ブレンドの重要性、エリーを絡めなかったこと。この3つは好感が持てる
俊夫「信念曲げたら、男は仕舞いじゃ!これ、工場での騒動の責任を1人で背負って退職の決意をした俊夫(八嶋智人)が、揺らぐマッサン(玉山鉄二)を励ますシーンでの台詞。
それが、旦那さまの教えだす」
今日の冒頭から急に俊夫が15分仕切ったことへの驚きはあるが、本作はウイスキーづくりの話であること、原酒のブレンド技術で味が左右されることを描いたこと、そして、エリー(シャーロット)の出番を極力減らし、ウイスキーづくりへ介入させない脚本には好感が持てる。
やはり「一代記」は生まれから順に描くべきだった?
ただ、この台詞を活かすなら、もっと政春の幼少期で、広島の亀山家がどれだけの富豪で政春が大お坊ちゃま育ちだったか描いて下地を作るべきだった。(何せ、史実では、川の対岸の小学校に通うために、家から橋までが遠いと言う理由で、竹鶴兄弟のために自費で船を出したくらいの富豪なのだ)
そして、政春が小さい頃から父親の日本酒造りを見て感じて育ってきたことを描いておくべきだった。結局、「一代記」を描くなら、生まれから順に描くのが最善ってことだ。
視聴者に「只今、軌道修正中」を示したのは評価できる
今週の物語は、かなり史実寄りに修正されたと思う。ただ、政春と鴨居(堤真一)が対峙することや、久我山教授(金替康博)の登場などは、だいぶ史実とは家庭や順序は端折られているが…
しかし、年明けの第14週からいよいよ政春一家が余市を訪れるとなると、物語はかなりの男と男の信念の戦いになるから、視聴者に対して「只今、軌道修正中」の意味で、年内にここまで描いたのは評価したいと思う。
史実に近づけるのは悪くないが、一番大事なのは政春が信念の男であることを一刻も早く視聴者に植え付けることだ
さて、予告編を観る限りでは、次週はエリーよりも早苗(泉ピン子)がメインになりそうだ。劇中ではエリーよりも更に遠くから陰で政春を支えている印象(脳内補完してだが)しかないから、ここへきて一気に前面に出てくるとどうなるのだろう。
とにかく、まずは語りや回想を上手に活用して、マッサンが信念が強く行動力があり、ブレイクスルー(問題解決)能力にたけた人であったことを描かないと始まらない。一刻も早く、辛気臭くて決断力に乏しく身勝手な政春のイメージ払拭作戦で、後半の3か月を乗り切って欲しい。
あとがき
今回から冒頭に書いていた、“【注】本作をを楽しくご覧になった方は、読まない方が良いです。”を外しました。理由は、作者が物語を焼き直し復旧させようとしていると判断したからです。このまま、あの11月の低迷期を吹っ飛ばすような後半戦に期待を込めて…
そして、酒好きの私としては、度々登場する「スモーキーフレーバー」を映像で表現し視聴者に理解させるのは難しいだろうなと思います。モルトウイスキーの製造過程で、大麦麦芽を発芽させ成長を途中で止めるために、室内をビート(泥炭)で高温にする際、麦芽にその燻香が付いて独特のモルト香になるわけです。
もし「スモーキーフレーバー」とは何ぞや?とお思いの方は、年末年始のおやすみを利用して最強のスモーキーさをサントリーの『ラフロイグ クオーターカスク(3千円程度)』(サントリーの公式商品ページ)で体験してはいかがですか?今、どこでも手軽に買えるのは『ラフロイグ」あたりが無難な商品だと思います。
![]() ラフロイグ |
――というわけで、『マッサン』を毎朝「なんだかなあ」と思いつつ観ているあなた、いっそ史実をきちんと知ってしまうのもアリです。史実なら、ニッカウヰスキー80周年サイト「竹鶴政孝物語」がお薦め。やはりご本家が一番です。
また、『[読書]竹鶴とリタの夢 余市とニッカウヰスキー創業物語 (千石涼太郎/著・双葉社) 感想』の記事もご参照下さい。史実と本作のズレについて少し触れています。
★ケータイの方は下記リンクからご購入できます。
連続テレビ小説 マッサン Part1 (NHKドラマ・ガイド)
NHK連続テレビ小説 マッサン 上 単行本
竹鶴とリタの夢 余市とニッカウヰスキー創業物語
NHK連続テレビ小説「マッサン」主題歌“麦の唄" 中島みゆき
★本家の記事のURL → http://director.blog.shinobi.jp/Entry/6478/
★FC2ブログへトラックバックが送信できない方へ → コメント欄に、ブログ名、記事のタイトル、URLをご記入下れば、確認次第公開させて頂きます。お手数をお掛けします。
なお、【Seesaaブログ】http://dmesen.seesaa.net/article/411344955.html でも、TB受付けております。
【これまでの感想】
第1週『鬼の目にも涙』
1 2 3 4 5 6
第2週『災い転じて福となす』
7 8 9 10 11 12
第3週『住めば都』
13 14 15 16 17 18
第4週『破れ鍋に綴じ蓋』
19 20 21 22 23 24
第5週『内助の功』
25 26 27 28 29 30
第6週『情けは人のためならず』
31 32 33 34 35 36
第7週『触らぬ神に祟りなし』
37 38 39 40 41 42
第8週『絵に描いた餅』
43 44 45 46 47 48
第9週『虎穴に入らずんば虎子を得ず』
49 50 51 52 53 54
第10週『灯台下暗し』
55 56 57 58 59 60
第11週『子に過ぎたる宝なし』
61 62 63 64 65 66
第12週『冬来たりなば春遠からじ』
67 68 69 70 71 72
第13週『急いては事をし損じる』
73 74 75 76 77