マッサン (第77回・12/26) 感想
NHK総合・連続テレビ小説『マッサン』(公式)
第13週『急いては事をし損じる』【第77回】の感想。
【注】本作をを楽しくご覧になった方は、読まない方が良いです。
日本初の国産ウイスキーを完成させたお祝いをするマッサン(玉山鉄二)とエリー(シャーロット)。これまでの苦難の日々を思い出し、やっとマッサンのウイスキーづくりの夢が実現したと喜びで涙するエリー。そんな姿を見てマッサンはより一層充実感がこみ上げてくるのだった。しかし、発売から半年がたってもウイスキーは全く売れず、鴨居(堤真一)はより日本人に合った飲みやすいウイスキーをつくろうと提案するのだが…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
前々回から、ドラマ全体がグッと締まってきた
第75話からエリー(シャーロット)の出番が減っただけで、ドラマ全体がグッと締まってきた、そんな印象だ。もちろん今回も。ウイスキーの出荷も始まり、物語は進んでいるが、さて、これを面白いかどうかは別の話…
全150話の構成の不出来さが悔やまれてしょうがない
「どがあなウイスキーを作りゃあええんか」
売れないウイスキーに鴨居(堤真一)からダメ出しを食らったマッサン(玉山鉄二)が吐く台詞だ。マッサンは大いに悩んで答えを出せば良い。しかし、問題はいくら悩んでも考えても答えの見つかるはずの無い視聴者置いてけぼり状態だ。
本来なら、スコットランド留学中にマッサンがどんなウイスキーを目指し、日本の環境で作ろうと悩んだのかが描かれるべきだが、残念ながら留学時代のマッサンのウイスキーの勉強の状況については、本作内でほぼ触れられていない。ただ「日本で初めての本格的ウイスキーをつくりたい」と言ってるだけ。
そこが描かれていれば、今日のエリーが鴨居の気持ちを察しつつマッサンを励ます言葉も生きてくる訳だが、現状では、何も知らないエリーが何を言ってるの状態になってしまった。ホント、全150話の構成の不出来さが悔やまれる。
難題だが、ダメ構成を補完する工夫をするしかない
だから、結果として前作のように、現状は主人公夫婦の年表の箇条書きになってしまっている。今日の15分もほぼ史実を列記しているだけ。ウイスキー完成、喜び、販売不振、人気商標売却、ウイスキーとビールの改良と…
「もうちょっと工夫できへんかったんですか?」
これは、広報担当の紺野(成河)の台詞だが、私は本作に対して、この台詞をそのまま返したい。
もちろん、政孝とリタの生い立ちから、留学、結婚して帰国までをほぼバッサリカットしてスタートしたことがすべての災いのもと。だから、出来る工夫も限られているのは解る。でも、最近の3話に限って言えば、かなり工夫してきていると思う。
でも、過去を描かなかった分を取り返すにはまだまだ工夫が必要。語りや回想を上手に活用して、マッサンが信念が強く行動力があって何よりブレイクスルー(問題解決)能力にたけた人であったこと、エリーが病弱ながら必死に「日本人の女房」になろうと努力し、夢に向かって突き進む夫を最後まで励まし応援し続けたことを描いて欲しい。
あとがき
もっとマッサンを描き、その上でエリーを描けば良いと思います。そうすれば、本作が『マッサンの女房』から『マッサン』になると思います。ここ数回の良い感じを突き進めて欲しいです。
――というわけで、『マッサン』を毎朝「なんだかなあ」と思いつつ観ているあなた、いっそ史実をきちんと知ってしまうのもアリです。史実なら、ニッカウヰスキー80周年サイト「竹鶴政孝物語」がお薦め。やはりご本家が一番です。
また、『[読書]竹鶴とリタの夢 余市とニッカウヰスキー創業物語 (千石涼太郎/著・双葉社) 感想』の記事もご参照下さい。史実と本作のズレについて少し触れています。
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連続テレビ小説 マッサン Part1 (NHKドラマ・ガイド)
NHK連続テレビ小説 マッサン 上 単行本
竹鶴とリタの夢 余市とニッカウヰスキー創業物語
NHK連続テレビ小説「マッサン」主題歌“麦の唄" 中島みゆき
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【これまでの感想】
第1週『鬼の目にも涙』
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第2週『災い転じて福となす』
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第3週『住めば都』
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第4週『破れ鍋に綴じ蓋』
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第5週『内助の功』
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第6週『情けは人のためならず』
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第7週『触らぬ神に祟りなし』
37 38 39 40 41 42
第8週『絵に描いた餅』
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第9週『虎穴に入らずんば虎子を得ず』
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第10週『灯台下暗し』
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第11週『子に過ぎたる宝なし』
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第12週『冬来たりなば春遠からじ』
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第13週『急いては事をし損じる』
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