マッサン (第76回・12/25) 感想
NHK総合・連続テレビ小説『マッサン』(公式)
第13週『急いては事をし損じる』【第76回】の感想。
【注】本作をを楽しくご覧になった方は、読まない方が良いです。今回は好意的に解釈してますが…
あらためてブレンド作業に取り組み始めたマッサン(玉山鉄二)。一方、早苗(泉ピン子)は、エリー(シャーロット)にエマ(住田萌乃)のためにも三人で広島に帰って来いと言って広島へと帰っていく。そんな中、ブレンド完成まであと一歩まで近づいたマッサンは、最初に仕込んだピートが効きすぎた原酒を少量加えることを思いつき、ついに納得できるブレンドが完成、鴨居(堤真一)に試飲してもらうのだが…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
第3者の台詞で、夫婦の存在感を強調するのは正解
早苗「おなごが、冒頭、いつもの早苗(泉ピン子)とエリー(シャーロット)の嫁姑問題の台詞の一部だ。「またか?」とお思いの方も多いだろうが、今日の私の感想は違う。このような第3者(ナレーションを含む)で“夫婦の存在感を強調して示す”台詞は、今の本作には極めて重要だと思うからだ。
男の仕事にいちいち口出しするもんじゃなあで。
(中略)
おなごが何を言うても、2人で話し合うても、
仕事の問題は仕事場で解決する」
表面上は、養子と言えどもエマ(住田萌乃)を心配した祖母として早苗からの、嫁とは認めたくない外国人嫁・エリーへのあてつけであり嫌味の類で、普通ならわざわざ挿入する必要など無い台詞だ。
しかし、これまでの約3か月間、「夫婦の物語」とは名ばかりの「エリー劇場」「マッサンの女房」状態で進んできた本作を、本来進むべき「夫唱婦随の物語」に軌道修正するためには、このような第3者の台詞による補完で、夫婦と言う共同体を他の登場人物たちから浮かび上がらせるべき。そして、エリーが政春の仕事に影響を与えていることを見せるべき。
このシークエンスを「あんた、母親になって強うなったの」で締め括ったが、このような台詞や表現が増えるのは正しいテコ入れ(だと、好意的に解釈しておく)。これれはきっと今後の北海道の余市での夫婦生活を描く時に、必ずじわりじわりと効果を出すと思う…
政春の夢をエリーが支えているのを描くのも正解だ
後半のウイスキーづくりのくだりは、これまでを考えると何ともトントン拍子に且つあっと言う間に出荷までこぎ着けてしまったと思わざるを得ないが、仕込みから出荷までの約5年間は利益を生まず税金は払い続ける“企業のお荷物”状態のウイスキー事業を守るには、政春の早急な決断も納得できる…
のだが、本作ではここの説明が若干不足気味。今回は父との相撲や田中社長の涙、スチルポット製造の職人さんの回想を挟んで、政春の情熱と初出荷を喜ぶほうへ、完全に話を振ってしまったのは少々残念。
でも、本当のこの「夫婦の物語」は(史実では)余市へ移ってからの、鴨居との紆余曲折であり、政春の独立だから、とにかく年内の放送中にそのためのしっかりと夫婦と情熱の下地は作っておくべき。その意味でなら(あくまで想像だが)昨日と今日は悪くないと思う。
あとがき
今日の早苗の台詞も少し聞き取り難かったですが、それより増して相変わらずエリーの台詞の聞き難さが気になります。日本にはかなり住んでる設定ですし、史実はかなり大阪弁を巧みに操ったとあります。でも、史実はどうでも良いのです。ドラマとして台詞が聞き取り難いのは、内容よりもイラッとします。
演者のシャーロットさんがこれ以上急速な日本語の上達が望めないなら、思い切って年明けから全部に字幕と付けても良いのでは思います。きっと余市編に進めば、北海道弁の中で話すわけですし、出番も更に多くなるはず。ならば、国民的ドラマとして観易さ第一主義を発揮して欲しいものです。
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【これまでの感想】
第1週『鬼の目にも涙』
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第2週『災い転じて福となす』
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第3週『住めば都』
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第4週『破れ鍋に綴じ蓋』
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第5週『内助の功』
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第6週『情けは人のためならず』
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第7週『触らぬ神に祟りなし』
37 38 39 40 41 42
第8週『絵に描いた餅』
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第9週『虎穴に入らずんば虎子を得ず』
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第10週『灯台下暗し』
55 56 57 58 59 60
第11週『子に過ぎたる宝なし』
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第12週『冬来たりなば春遠からじ』
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第13週『急いては事をし損じる』
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