Nのために (第10話 最終回・12/19) 感想
TBS系『Nのために』(公式)
第10話/最終回『明かされる事件の真実…N達の未来』の感想。
なお、原作:湊かなえ『Nのために』は未読。
2004年、事件当日。西崎(小出恵介)は生花店の配達人を装い、野口夫婦のマンションへと向かう。西崎の到着を待つ希美(榮倉奈々)は、計画どおり野口(徳井義実)と将棋盤を挟んでいた。一方、早めに着いた安藤(賀来賢人)は、1階で西崎と遭遇。そして、西崎と希美、成瀬(窪田正孝)が何かたくらんでいると察する。その5分後、成瀬が到着するが、野口家からの応答はない。2014年、島に戻ることにした成瀬は、希美を訪ねる。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
何とか成瀬と希美の青春グラフィティーに決着がついた
まあ、言いたいことはいろいろあるが、最終回の最後の部分だけを切り取って、第4話までとくっつければ、私が本作に求めていた成瀬(窪田正孝)と希美(榮倉奈々)の胸キュン青春グラフィティ―に一応の決着がついた訳で、その点だけは良かったと言える。
小説には小説、テレビドラマにはテレビドラマに最適な表現方法がある
ただ、問題は第5話から今日の大半を占める例の事件が起こるまでの経緯とその後の様子の描き方は本当にこれで良かったのかは、正直疑問が残るし、個人的には納得がいかない。
結局、15年前、10年前、現在と激しく時間軸を行き来して描いた第5話以降は、決して映像的解釈とは言い難い。確かに脳内補完すれば、前後関係は納得できるが、テレビドラマとしては脳内補完に頼るのはそもそもおかしいこと。すべてを映像で魅せるべき。
そう、これまで私が幾度も書いてきた「小説には小説、テレビドラマにはテレビドラマに最適な表現方法がある」ってことだ。
例えば今回なら、あの殺りくの直後に誰が何のためにテレビの音を消したのかや、救急車が来るのが異常に遅いとか。ページをめくる小説なら自分で時間を詰めたりや状況を補強できるが、テレビドラマでは映っているものが全てだから、小さなことだが違和感になってしまう。そして、それが積もり積もれば…
きちんと連ドラとしての独自の解釈で「せつない純愛ミステリー」に仕上げたら良かった
結果的に、最終回の結末の落としどころがこのカタチだと、希美の病気や余命のことは本当に必要だったのかとも思うし、2つの事件が「希美と成瀬の罪の共有」に繋がって行くのであれば、もっとシンプルな構成の群像劇として、せつない純愛ミステリーとして描けば、すべての登場人物たちがもっとイキイキと輝いて映ったのではないだろうか。
やはり「売れっ子ミステリー小説家の原作」の部分に、ドラマのスタッフが引っ張られ過ぎたように思う。原作との契約や大人の事情があるにせよ、もっとテレビドラマ、いや10話の連続ドラマとしての独自の解釈で「せつない純愛ミステリー」に仕上げたら良かったと思う。残念…
あとがき
中年男としても、成瀬くんに胸キュンでしたよ。その意味では、もっとしっかりと「せつない純愛ミステリー」に仕上げたら、最後の希美と母親のくだりも、高野(三浦友和)夫婦のくだりもそれなりに納得できたと思います。やはり、全10話のシリーズ全体も各話も構成が大事ってことですね。
最後に。これまで苦手な女優の1人だった榮倉奈々さんですが、本作、特に最終回の最後のほうの安藤(賀来賢人)との電話の会話辺りから最後までを観て、榮倉さんはなかなか良い女優さんだなと再認識しました。これだけでも、本作を観た価値は私にはあったことだけは、書いておこうと思います。
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