マッサン (第69回・12/17) 感想
NHK総合・連続テレビ小説『マッサン』(公式)
第12週『冬来たりなば春遠からじ』【第69回】の感想。
【注】本作をを楽しくご覧になった方は、読まない方が良いです。
マッサン(玉山鉄二)不在で試験がうまくいかず、山崎工場の俊夫(八嶋智人)らは焦るばかり。そんな中、エリー(シャーロット)の病状について話すマッサンとキャサリン(濱田マリ)。子供を望むエリーにはいつかわかることだと早く告白するよう勧めるキャサリンに、自分には何もできないとマッサンは苦悩を吐露するのだった。そんなマッサンに「ラブ」があれば必ず乗り越えられるとキャサリンは励ますのだが…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
これ、本当に国産初ウイスキー製造の話だよね?
誤解を恐れずに書けば、本作の主人公が自身の辛い経験をもとに世界初の不妊治療の名医になるとか、世界中の恵まれない子供たちに愛を施す有名な支援者の話なら、この2週に亘る主人公の妻の流産とそこからの立ち上がりの話を描く意味はあると思う。
しかし、私の認識が正しければ、本作は日本初の国産ウイスキーを作った国際結婚した夫婦の話だ。スーパーマーケットのお酒売り場にズラッと並ぶ「竹鶴ハイボール・リタハイボール」のその人の話のはず。なのに、なんで朝からドヨーンと暗い話を毎日見せるのか、意味が解らない。
今度は夫が妻を支える話で、物語に深みを出すつもりか?
解らないはずだ。きっと脚本家は、これが夫婦にとって重要なエピソードであり、夫婦関係を逆転させて更に物語に面白さを加えていると信じているのだろうから。これまでは、慣れない日本の生活をしながら陰で夫を支えた妻を描き、今度は人生で一番辛い状況の妻を支える夫を描くことで、夫婦が活躍するドラマに深みが出るとでも思っているのだろう。
しかし、これは勘違いだ。これも誤解を恐れずに書けば、妻が不妊になるなんて話はドラマではよくあるネタだ。ただ、本作の問題は、この夫婦の最大の危機を乗り越えるくだりを描くのに十分な、助走距離が全く無いことだ。まるで“エリー編”と“マッサン編”のように夫婦を別々に描き、忘れた頃にチラッと2人一緒を描くだけ。
これでは、普通なら簡単に感動の涙々になる話も、感情移入は出来ないし、朝から観たくない暗い夫婦の話にしかならないのは当然。エリーのボケーっとしたアップでお茶を濁せるレベルで無い。もっと積極的に語りで補完するなり、時間経過を有効活用して、一刻も早く苦境を乗り越えた夫婦を見せるべき。
あとがき
今日やっとマッサンは真実の告白と言う大仕事をしたのですから、木曜日は仕事に行くんでしょうね。金曜日は今日休んだ英一郎がまた一騒動かな。で、土曜日は工場のお披露目会。
サブタイトル『冬来たりなば春遠からじ』の意味も良く解りませんが、脚本家の先生は本当に全150回分の構成を考えておられるのでしょうか。各回はそれなりに仕上がっていますが、連ドラとしての面白さが皆無に近いです。こうなったら、ウイスキーづくりは無事に陰で暗躍し進行しているくらい、ナレーションで説明した方が良いと思います。
――というわけで、『マッサン』を毎朝「なんだかなあ」と思いつつ観ているあなた、いっそ史実をきちんと知ってしまうのもアリです。史実なら、ニッカウヰスキー80周年サイト「竹鶴政孝物語」がお薦め。やはりご本家が一番です。
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NHK連続テレビ小説「マッサン」主題歌“麦の唄" 中島みゆき
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【これまでの感想】
第1週『鬼の目にも涙』
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第2週『災い転じて福となす』
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第3週『住めば都』
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第4週『破れ鍋に綴じ蓋』
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第5週『内助の功』
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第6週『情けは人のためならず』
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第7週『触らぬ神に祟りなし』
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第8週『絵に描いた餅』
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第9週『虎穴に入らずんば虎子を得ず』
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第10週『灯台下暗し』
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第11週『子に過ぎたる宝なし』
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第12週『冬来たりなば春遠からじ』
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