マッサン (第67回・12/15) 感想
NHK総合・連続テレビ小説『マッサン』(公式)
第12週『冬来たりなば春遠からじ』【第67回】の感想。
【注】本作をを楽しくご覧になった方は、読まない方が良いです。
エリー(シャーロット)が出産の難しい身体であることを宣告されぼう然とするマッサン(玉山鉄二)。眠りながらもうわ言でマッサンに謝るエリーを見た英一郎(浅香航大)もやり切れない思いで一杯。そんな中、キャサリン(濱田マリ)が弁当を持って見舞いに現れ場を和ませようとするも、子どもの話に敏感に反応するマッサンと英一郎。そんな二人の様子に気付いたキャサリンは、エリーが退院できない理由を英一郎に問いただす。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
エリーの流産の話、週跨ぎの必要性はあるか?
史実との比較をすると面倒なので今日は止めて、純粋に連ドラの週に始まり月曜日として考えてみる。すると、まず感じるのは、エリー(シャーロット)の流産と今後の出産の難しい身体であることのくだりを、週跨ぎで描く必要があるかだ。確かにエリーにとっても女性全般にとっても、重要な事柄であることはわかるが。
しかし、本作が中心に描くべき「ウイスキーづくり」とは正直無関係なこと。ここは、先週末でに夫婦が大きな壁を乗り越えるまでは終わらせ、月曜からは心機一転、政春を中心に山崎工場での作業や工場お披露目までを明るく描いた方が、清々しくて良かったと思う。それに、月曜が夜の病室で始まるのも辛気臭いし…
なぜ、主人公にやるべきことをさせないのか?
そして、肝心の「ウイスキーづくり」だが、今日の描き方(描いていると言えるかどうか微妙だが)は酷過ぎる。マッサン(玉山鉄二)が明日の仕事の件を英一郎(浅香航大)に伝えるくだりで、こう言った。
政春「明日は麦芽の粉砕試験じゃったのう。この台詞で、マッサン(玉山鉄二)がするべき仕事も英一郎の面倒を見ることも、画面にいない俊夫(八嶋智人)にオール丸投げしてしまったからだ。ただ、政春が俊夫に丸投げしたのが悪いのでない。
俊兄に要件は伝えてあるけん、
しっかり手伝うてやってくれ」
キャサリン「たまには、夫婦水入らずも大事やで」と物語の流れそのものが、主人公にするべきことをさせない構成になっていることが、視聴者の期待を裏切るふざけた行為だし、私自身は馬鹿にされたような気さえしてしまう。これまでこの夫婦が別居状態で話もしない時期があったろうか。夫婦喧嘩さえもいつの間にか終わってたくらいなのに…
夫婦が流産を乗り越えることが「夫婦の物語」か?
そして、本日最大の疑問は、そもそもエリーの流産を夫婦が乗り越えることが、本当に描くべき夫婦の物語であるかどうかだ。
確かに夫婦に起きた大きな試練だとは思う。でも、本作で描くべき(描いて欲しい)夫婦の物語は、スコットランドで愛を育み同じ夢を抱いて国際結婚した夫婦が、妻は日本の文化に触れ日本人になろうと努力しながら夫の仕事を支え、夫婦で一緒に夢を叶える明るく元気の出る人情喜劇ではないか。
でも、この15分はただの「大阪のある夫婦とご近所さんたちの人情喜劇」って感じで終わってしまった。もちろん「朝ドラらしい」とは思う。しかし、所々に英語の台詞を散りばめて字幕を読ませたり、画面にいない人物に仕事の話を丸投げすることに時間を割くなら、一気に時間経過して進めた方がスッキリする。
どうせ、今週もエリーに事件が起こって、ご近所さんが絡んで、マッサンは後手で参加して、エリーが手柄を持って行くと言うこのパターンで終わるのは、視聴者は知っている。ならば月曜は「スーパー時間経過」で工場のお披露目会からスタートするべきだったと思う。
あとがき
爽快で明るい朝ドラを観たいです。外的要因だろうと流産の話を朝から2週も続ける、つくり手たちの神経が良く解りません。だって、本作はフィクションですよ。如何様にも創れるのです。
その上、個人的なこじつけで申し訳ありませんが、戦後最低と言われる投票率の総選挙で、最悪な朝を迎えた私には、朝ドラくらいはお伽話でも構いませんから、夢が実現する明るい日本を観たかったです。
また、『マッサン (第66回・12/13) 感想(本家の忍者ブログです)』の記事に、Web拍手を40個も頂戴し、本当にありがとうございます。今後も本作の感想を書く励みになります。(2014/12/15 09:50時点)
――というわけで、『マッサン』を毎朝「なんだかなあ」と思いつつ観ているあなた、いっそ史実をきちんと知ってしまうのもアリです。史実なら、ニッカウヰスキー80周年サイト「竹鶴政孝物語」がお薦め。やはりご本家が一番です。
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【これまでの感想】
第1週『鬼の目にも涙』
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第2週『災い転じて福となす』
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第3週『住めば都』
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第4週『破れ鍋に綴じ蓋』
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第5週『内助の功』
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第6週『情けは人のためならず』
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第7週『触らぬ神に祟りなし』
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第8週『絵に描いた餅』
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第9週『虎穴に入らずんば虎子を得ず』
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第10週『灯台下暗し』
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第11週『子に過ぎたる宝なし』
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第12週『冬来たりなば春遠からじ』