星桃次郎、本当の星になる!菅原文太さん死去
菅原文太さん死去 81歳。11月28日転移性肝癌による肝不全で
俳優の菅原文太さんが、先月28日、転移性肝がんによる肝不全のため、東京都内の病院で亡くなりました。81歳でした。私は「映画の日」である昨日、映画館を出た所で携帯電話で訃報を知りました。先日の高倉健さんの死に続いて、文太さんまで。本当に昭和の火がまた一つ消えた寂しさでいっぱいです。
亡父と観た「トラック野郎」が私の映画好きの原点!
私が映画好きになり今の仕事に就くきっかけになった大きな理由の一つに菅原文太さん主演の映画『トラック野郎シリーズ』があります。当時、小学校高学年だった私は、映画好きだった今は亡き父に、週末の夜になると劇場に連れて行ってもらい『トラック野郎シリーズ』を観ました。
父にはいろいろな映画に連れて行ってもらいましたが、『トラック野郎』だけは夜なんです。そして、当時は都内の映画館でも客席にラーメンの出前が来た時代で、夜食のラーメンを食べながらスクリーンに見入る、そんな下町の庶民の娯楽が映画でした。それが私が映画好きになった原点とも言えるのです。
刃金の声の健さんと華のある声の文太さんの任侠映画!
高倉健さんと菅原文太さんを比べる意味なんて無いことは解るのですが、ファンとしては“違い”があるからこそ、どちらも応援するわけでして、任侠映画が大好きな私としては言っておきたいことがあります。それは二人の声質の違い。
健さんがドスのきいた低くて鋭い刃金のような声なのに対して、文太さんは少し高音で華のある甘い声で、決め台詞や啖呵を切ります。健さんの任侠映画は義理と人情の世界、文太さんの任侠映画はリアルを追求した本物志向。義理人情の主役は鋼の声で現実味を加え、本物志向の主役は華のある声で娯楽要素を加えてたのです。
「星桃次郎」が本当の「一番星」になった…
菅原文太さんと言えば、私にとっては映画『トラック野郎シリーズ』の主人公・星桃次郎(一番星)です。それまでリアル任侠映画の主人公を演じていた文太さんが、ふんどし姿や白塗りでコミカルな芝居を魅せたり、毎回マドンナに一目惚れしては失恋すると言う三枚目の役を見事に演じたと思います。
短気で喧嘩っ早く、真っ直ぐで情に厚く、卑怯な真似は大嫌いで純情で、身に付ける物にはすべて「★」マークが入っていると言う凝り性な男、それが「一番星」その人です。
晩年の文太さんは俳優を引退され、東日本大震災の被災者への思いや、今の日本の政治への発言など積極的に活動されていました。菅原文太さんは、いつ見ても「星桃次郎(一番星)」でした。曲がったことが大嫌いで情に厚い男。そんな「星桃次郎」が本当の「一番星」になってしまいました。一番星を見る度に文太さんを思い出すと思います…
あとがき
小学生の頃、妹が下に寝る二段ベッドの上段に寝ていた私は、目の前に迫る天井に『トラック野郎』のポスターを貼っていました。自転車もあれこれ電飾を自作してデコチャリにしてました。あれから40年近く経ち、ついに文太さんが亡くなる日がくるとは。
私は、映画スターが社会に影響を与えた時代が終わったような気がしてなりません。「年寄りが計画して若者が死んでいくのが戦争だ」とストレートに言った文太さん、素晴らしい。
記事の最後に、私が大好きな『トラック野郎』の名作をご紹介します。特に『サーキットの狼』が同時上映された『トラック野郎 度胸一番星(1977年夏)』はお薦めです。合掌…
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