映画「寄生獣」 感想と採点 ※ネタバレなし

映画「寄生獣」
映画 『寄生獣』 公式)を先日、試写会にて鑑賞。なお、原作も関連書籍は未読、テレビアニメも未見。採点は ★★★ ☆☆ (5点満点で3点)。100点満点なら50点にします。


ざっくりストーリー

ある晩、海辺に“パラサイト”と言う小さな寄生生物が漂着する。彼らは人間の脳を乗っ取り肉体を操り、他の人間を捕食して生きている。

母親と二人暮らしの普通の高校生・泉新一(染谷将太)にも1匹が寄生するが、脳を乗っ取ることが出来ずに右手に宿ることになる。最初はパラサイトに寄生され驚く新一だが、彼を「ミギー(声:阿部サダヲ)」と呼んで共生しながら、不思議な絆を育むようになる。

しかし、新一とミギーの前に、高校教師・田宮良子(深津絵里)に寄生したパラサイトを発端に次々と仲間が出現し、中途半端な共存関係にある新一とミギーに襲い掛かる。そして、危機は新一の同級生・里見(橋本愛)や母・信子(余貴美子)にも迫ってくる…

良くも悪くも山崎貴監督作品らしさが満載!

予告編レベルの事前知識のみで試写会にて鑑賞。原作は未読、アニメも未見のため、今回も原作等との比較せず、劇場用映画としての感想を書いてみる。ただ、原作漫画ありきなのは知っていたため、中途半端な感想になっているのはご勘弁を。

ひと言で述べるなら、良くも悪くも山崎貴監督作品らしさ満載だと言うこと。基本的に山崎貴監督作品は苦手だが、最近作の『STAND BY ME ドラえもん(2014)』(感想記事はこちら)が予想外に良かったため期待したのだが…

結局、いつものSFX見本市と中途半端なグロ映像を繋げただけで、ヒット狙いの普通の娯楽映画に仕上がった。せめて脚本が、古沢良太氏だけだったら、また別の監督なら、もう少し見世物的な部分を削ぎ落として深くテーマに切り込めたかもしれない…

タイトル、設定、テーマは素晴らしい!

ただ、1本の映画として捉えると、まず、『寄生獣』と言うタイトルが素晴らしい。本作のベースに流れる地球環境を破壊する人間と言う醜い生き物としての意味がひしひしと伝わってくる。

また、脳を完全に乗っ取り完全に肉体をコントロールする正統派?パラサイトと、脳を支配しきれず右手に宿り人間と共生する異種パラサイトのミギーの対峙構造や、ミギーと奇妙なヤドカリ状態にある主人公と言う設定も斬新で面白い。

更に、全体に流れる、地球、生命、環境、暴力、破壊、捕食、親子、友情、学校、家庭と言った多岐に亘るテーマを同時に描きつつ、日常的で平和な描写と非日常的な暴力的で破壊的で残酷な描写のメリハリ、そして何より「人間とは?」「生命とは?」「食べるとは?」と言った哲学的なテーマも素晴らしい。

原作未読の私に原作の魅力を伝えてくれた!

これらはあくまで私が映画から想像した原作に込められているであろうメッセージであり、本作ですべて描かれている訳で無いことを改めて断っておかないといけない。

と言うことで、本作の良い所は、原作未読の私が原作モノとして知りながら見た上でも原作の魅力を伝えたことだ。特に「生命と捕食」「母性の神秘」と言った部分は、この映画によって何とか描かれている。これほど原作に興味を持ったのは久し振り。その点についてはきちんと評価したい。

もっと主人公の微妙な心の変化が見えれば…

本作で最も残念なのは、主人公・新一の感情の変化の描写が雑なこと。本作の面白さは、パラサイトと共生しつつも奇妙な絆さえ育んでしまう新一と言う異色なヤドカリ状態の高校生の微妙な心の変化と、心と肉体と壊れたバランスから生まれる主人公の魅力を表現しきることだと思うのだが…

山崎監督お得意の卓越したSFXやCGのお蔭で、新一の超人的な身体的変化は描かれるが、心の変化は段階的にしか描かれない。だから、「次第に」「徐々に」と言うスリルやワクワク感に乏しい。これでは、壮大な原作からのいいとこ取りした感じが否めない…

ミギーと世界観がもっと馴染んでいたら良かったのに…

また、相棒であるミギーだが、残念ながらミギーの意匠や動きや声が“キモかわキャラ”を狙ったようで、ついそちらに目が行ってしまい、結果的にミギーが映像的に全体の世界観から浮いてしまうから、新一のヤドカリ状態が妙にコミカルに見えてしまう…

また、感情豊かで論理的と言う相反する個性の同居が成功だったかどうかはわからない。個人的には、ミギーは感情を押し殺した弁護士的に指示する設定の方が、ミギーと新一の対比が解り易くなったと思う…

あとがき

寄生獣と言う設定の斬新さや哲学的なテーマの面白さが、本作の最大の魅力だと思います。しかし今作では残念ながら『完結編』が用意されているため殆ど消化不良で終わります。ですから、いつものSFX見本市と中途半端なグロ映像を繋げただけと言う評価になってしまいました。

映像はP12指定です。SFXの白組とROBOT制作ですが、全体的に雑です。でも、「生命と捕食」「母性の神秘」と言うことを考えさせられる作品のイントロには仕上がっています。原作未読か原作に拘らず、グロいのが大丈夫なら、そこそこ楽しめる娯楽作品だ思います。

なお、映画のエンディング終了後、続けて2015年4月25日公開予定『寄生獣 完結編』の予告編(映画館のみ観られるそうです)が上映されますので、お見逃し無いように。結局、“オチ”である『完結編』を見ないと本作の本当の評価は難しいかもしれません。

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