Nのために (第1話・10/17) 感想
TBS系『Nのために』(公式)
第1話/初回15分拡大『セレブ夫婦殺人事件…15年前に隠された秘密』の感想。
なお、原作:湊かなえ『Nのために』は未読。
2004年、高層マンションで住人の野口(徳井義実)と妻の奈央子(小西真奈美)が殺された。居合わせたのは大学生の希美(榮倉奈々)、その高校時代の同級生・成瀬(窪田正孝)、希美と同じアパートに住む安藤(賀来賢人)と西崎(小出恵介)。そして「不倫関係にあった奈央子を野口が刺したためカッとなって野口を殴り殺した」と自供した西崎に懲役10年が言い渡される。2014年。元警察官・高野(三浦友和)はこの事件に疑問を抱き…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
意外に悪くないかも!?
『2014年10月期 / 秋ドラマの期待度』で、“『夜行観覧車』と『アリスの棘』に似たようなものを感じますね。主演俳優さんが苦手ですし、湊かなえさん原作モノも食傷気味なので初回様子見”と★2つにしていた本作。全く期待せず、いやむしろ「どうせ…」と言う気持ちで観たのだが、観終えた感想は、意外に悪くないかも!?と言う感じだった。
原作もスタッフも『夜行観覧車(2013年1~3月放送)』と同じだから、また時間軸を小説のように自由に行き来させて、後出しと引き伸ばしで話を複雑にするだけさせて、呆気ない最終回ってパターンかと思いきや、今回は脚本化の際に、だいぶ映像を意識して、構成し直したうな印象を受けた。テレビドラマだから当然だが…
時間軸の行き来が少ないのが良い!
具体的には、だいぶ「現在」「10年前」「15年前」を大きく括って見せてきたことによって、単純に話が解り易くなった。これだけ多くの登場人物がいて、それぞれの人間関係を映像だけで理解させるには、あまり時間軸の行き来を少なくした方が解り易いに決まっている。まず、本作はそこが上手く行ったと思う。
美しいロケ地と高校生を演じた二人の好演も良い!
また、映像的な部分で言うと、「青景島」の屋外ロケ地の選択の勝利がある。特に、1999年と言う時代を描くのに、丁度良い古さが残っているし、もちろん見た目の美しさもプラスに働いている。『切なさに満ちた純愛ミステリー』と言う冠に不釣り合いのような自然の美しさと、物語の対比が面白さを引き出しているように思う。
また、希美と成瀬と言う二人の高校生を演じた榮倉奈々さんと窪田正孝さんの、意外と言うのは失礼な程の違和感の無さは、本作のリアリティーの表現に大きく貢献していた。どうやら私にとっては、食わず嫌いをせずにしたお蔭で、意外とアタリを引いたかもしれない…
あとがき
『切なさに満ちた純愛ミステリー』と言われても、実際には第1話を観た限りでは「何が言いたいの?」「何を描きたいの?」と言う疑問符は、最後まで拭えませんでした。しかし、不思議とイライラすることはありませんでした。むしろ、物語の先に興味を持ったくらいです。
原作は未読ですが、おおかた湊かなえ作品は時間軸の行き来が多い。これまでは、それをそのまま映像に置き換えたような印象のドラマや映画が多く、目まぐるしさと散漫さが際立っていたように思います。でも、本作はだいぶ交通整理して観易くなっているのが良いと思います。
と言う訳で、今後はあまり時間軸を動かさず、過去から現在へ自然に流して、登場人物たちも出来るだけ群像劇のように並行並列に描かず、一人一人をじっくり描けば、化ける可能性は大いにあると思いました。次回も観てみます。
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