[読書]ぐっとくる!仏像 (みうらじゅん/著・エイ出版社) 感想

仏像に詳しくなくても、ぐっとくる!写真集だ。
夏のお盆が近づくと自然と仏教系の本が読みたくなる私。これと言って仏教に詳しいとか、仏像鑑賞が趣味ではない。しかし、基本的にお寺が好きだ。仏像をただぼーっと見ているのも好きだ。
そんな私が出会った本書は、写真家・帆足てるたか氏の個性的な仏像への視点とほとばしる愛情に満ちた、袋とじ級の仏像のグラビア写真集だ。被写体も国宝や重文に関わらないのも良いし、本のサイズも大きくて細部が楽しめるのも素晴らしい。
3メートル超の仏像の顔のどアップ!
『Chapter 1 如来と菩薩 その弟子たち』でぐっときた写真が、薬師寺(奈良県)の日光菩薩像と月光菩薩像の見開きページ(P.34&35)。3メートル超の仏像の顔のアップ。下から煽ったようなアングルで無く、同じような目線で見えるのがぐっとくる。
・「奈良薬師寺」公式サイト http://www.nara-yakushiji.com/
おだやかなお顔で踏みつける邪気の恐ろしいアップ!
『Chapter 2 天の仏像たち』でぐっときた写真が、海龍王寺(奈良県)の毘沙門天像(P.92)。毘沙門天は、仏教では四天王の最強の神なのに、この毘沙門天は武具を身に付けずおだやかな表情。しかし、その足で力強く踏む邪気の顔のアップ(P.93)がぐっとくる。
・「海龍王寺」公式サイト http://www.kairyuouji.jp/index.html
水洗トイレに祀られた仏像!
『Chapter 3 明王の仏像たち』でぐっときた写真が、可睡斎(静岡県)大東司(水洗トイレ)にある烏枢沙摩明王(お寺では烏蒭沙摩明像と表記)(P.120)。男性用小便器が並ぶトイレの真ん中に堂々と祀られたお姿を俯瞰で写したカットは何とも言えずぐっとくる。
・「可睡齋」公式サイト http://www.kasuisai.or.jp/
あとがき
ふと訪れたお寺や美術館などで、なぜか足を止めて見入ってしまうと言う仏像に出会うことはありませんか。そんな経験のある方に本書をお薦めします。仏像の素性も名前も知らなくても、なぜか惹きつけられてしまう仏像の魅力。そんなぐっとくる写真満載の一冊です。
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美仏巡礼 完全保存版 (日経ホームマガジン OFFムック)
感じる・調べる・もっと近づく「仏像の本」
見仏記 (角川文庫)
仏像の基本 撮影:帆足てるたか
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