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花子とアン (第156回 最終回・9/27) 感想

NHK総合・連続テレビ小説『花子とアン』公式
第26週『曲がり角の先に』【第156回/最終回】の感想。

なお、本作は8/26にクランクアップしたため、当記事は、ほんの僅かな編集への期待と愚痴と重箱の隅突きなっております。楽しくご覧になっている方や重隅突きはウザいと思う方は読まない方が良いです。


終戦後、筆を折ったままだった宇田川(山田真歩)から『赤毛のアン』を読んで、また書けそうな気がすると、初めてお礼を言われた花子(吉高由里子)は、宇田川が立ち直ってくれたことを心から喜ぶ。英治(鈴木亮平)、かよ(黒木華)、醍醐(高梨臨)、蓮子(仲間由紀恵)ら花子の家族や友人たちは、めいめいの場所で大切な人と『赤毛のアン』を読み、自分と重なる部分に共感していた。やがて、出版を祝う会が催されることになり…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

最終回も重箱の隅を突きます!

最終回で重隅突きもどうかと思ったが、これも当blogの名物?かと思い、少しだけ書いてみる。と言う訳で、まずは、冒頭の宇田川(山田真歩)のくだりだ。いきなり「敗戦後、私が筆を折っていたの、ご存知?」と言われても、花子(吉高由里子)はおろか視聴者も知る由もないし、正直興味関心も無い。

私が観たいのは、花子の執筆作業、それも『赤毛のアン』の翻訳であり、どのような推敲や校正によって、あの素晴らしい本が世に出て来たのかの誕生物語(だった)。だから、主人公の観たい部分が描かれなかった今作で、今さら脇役の執筆活動なんてどうでもいいのに、約2分も割くとは?

それと、最終回くらい花子に客人に茶くらい入れながら会話させられなかったのか?宇田川が溢れ出る言葉で急いでいるのは解るが、それなら醍醐(高梨臨)の時のように玄関先でのやり取りで良かった。その方が宇田川の切羽詰った緊迫感は表現できたと思うが…

何かと話題の“老けメイク”の総決算!

宇田川のくだりが終わったら、今度はNHKの美術メイクの総力を結集した“出演者総出演による『赤毛のアン』の朗読会と老けメイクの展示会”だ。どうやらNHKの老けメイクとは、「カツラ、メガネ、ヒゲ」を取り付けるだけで4,50歳は余裕で表現できていると言う基準らしい。

個人的には、老けメイクの手抜きっぷりに怒りを通り超えて、苦笑しかでなかった。特に縁側で向き合う宮本夫妻には、更に笑いを通り越して、お気の毒さまと声をかけたくなるほどだ。結局、第1話冒頭の花子の書斎での老けメイクが今作最高水準ってことで良かろうか。

花子の晩年はカット。社長は3日連続。本はむき出し。

そして、いよいよ出版記念パーティー。と言うか、「花子の人生って出版記念パーティーで終わっちゃうんだ」と言う残念な気持ちの方が強い。

なぜなら、この後『フランダースの犬』『ストウ夫人』『クリスマス・カロル』等のヒット作を生み、ヘレン・ケラー来日時に通訳(1955)、75歳で亡くなる歳に『ブレーメンのおんがくたい』も出版されている。そこも全部カットだから。

さて、気を取り直してと思ったら、また社長。まさか半年間毎朝観てきた視聴者へ、3日連続であの演技を見せられるとは、NHKも洒落がきつすぎる。もはや常連さんへの拷問だ。そして更にイラッとするシーンが続く。それが、登場人物が大切な本を裸のまま持ち歩くこと。英治(鈴木亮平)よ、印刷屋なら誰よりも本を大事に扱えって。

花子のスピーチは、脚本家の言い訳と弁解だった!

ここまで6分。いよいよ残りの約9分で何を魅せてくれるのかと期待したが、何のことは無い、制作発表で脚本家が言いそうな「今作の見所」や「今作で書きたいこと」を、壇上で花子が言い直しただけ。完全に脚本家の言い訳、弁解だ。

「人生には辛いこともあるけど、その先にはしあわせがあるから諦めないで。親友も大切」なんてことはどうでも良い。そして今作最大に気になったのは、花子のスピーチの中で、完全に“アンの世界観”と“花子の人生”を重ねてきたことだ。

いくら『赤毛のアン』が名作で知る人ぞ知る作品でも、今作中では、“アンの世界観”は殆ど描かれていない。数回、翻訳文を引用した程度。それなのに、“マリラ”や“ダイアナ”の名を持ち出すのは、流石に無理過ぎる。こう言う台詞を当初から“ち密な構成”で考えていたのなら、絶対に過去の155話は違ったものになったはずだ。

柳川氏のメルヘン調演出も冴えないまま終了…

花子のスピーチのカットを、収録の直前で原稿を読まない設定に変えた今作のチーフ演出でもある柳川強氏の判断は正しい。お蔭で余裕が無くなった(はずの)吉高さんは、目をキョロキョロさせることなく怪我の功名で緊張感すら演じたように見えたからだ。ここは終わり良ければと言っていいと思う。

そして、最終回の最後の2分。『ANNE OF AVONLEA』の翻訳のシーンだ。ここぞとばかりに演出の柳川氏お得意の“メルヘンチック”な演出。やりたくなると無用な時でもやってしまうのが欠点。因みに、蓮子の駆け落ちシーンで、美輪さんの「愛の讃歌」と白い羽根をやったのが柳川氏。

今回の麦わら帽子と(また登場の)白い羽根と現代と昭和を行き交うイメージ映像風エンディングはどう捉えるべきなのか悩んでしまった。私には最後の最後も中途半端なメッセージを提示し、解釈を押し付けて終わってしまったような。まあ、156話のすべてがそうだったわけだが…

2つの私にとって大きな期待外れで終わった原因!

最後に総括気味に書いてみる。今作が私にとって大きな期待外れで終わった原因は2つあると思っている。

1つ目は、脚本家・中園ミホ氏の手抜き。中園氏の過去の作品には素晴らしい作品がある。特に女性が生き生きと活躍するドラマは、中園氏の得意な作風だと思っている。しかし、今回はその良さが全く出なかった。ヒロインは埋没し、脇役ばかり引き立たせ、最後に主人公に自己弁解の台詞を言わせるなんて、明らかに手抜きだと思う。

2つ目は、NHKの視聴率第一主義。内容の面白さや話題性よりも、とにかく視聴率と言う数字だけを見据えた、史実を完全無視した内容。毎週「週間平均視聴率が番組最高を更新!」の見出しがネットを騒がせ世間を煽った。NHKが視聴率を無視できない時代なのは解る。しかし、NHK、とくに『朝ドラ』は民放に与える影響は大きいのだ。

演技力の無い元ヒロインが次のシーズンには連ドラの主役や映画のヒロインに抜擢されたり、「この程度であの数字が取れるなら」と企画も低迷するのだ。受信料を払っている立場としては、数字じゃなくて契約者のほうを向いて番組制作に臨んで欲しいと思った。

あとがき

やっと終わりました。今は、なぜか肩の荷が下りたような安堵感と、心に何も残っていない空虚感だけです。NHKには大いに内部で反省と責任追及をして欲しいですが、問題は今作の中園さんの手抜き脚本です。できるのにやらない。史実の参考資料は山ほどあろうに、史実を捻じ曲げ人格を変え、その上つまらない。

余韻の感動もない最終回。あれだけ持ち上げて描いた脇役たちも、ただの思い出アルバム程度の扱い。そして何より『花子とアン』と言うタイトル詐欺。これは罪が重いと思います。がっかりです…

【読者の皆さまへ】
半年間、愚痴ばかりの記事にお付き合い下さり、ありがとうございました。また、たくさんのWeb拍手やコメントを頂戴し、途中で挫折しそうになりましたが、心強い励みになり、何とか最終回まで見届けることが出来ました。本当にありがとうございました。

来期の視聴予定などは、『2014年10月期 / 秋ドラマの期待度』に書きました。よろしかったら、また来期も当blogをよろしくお願いします。それと、秋ドラマがスタートするまではドラマ以外の記事も書きますので、そちらも良かったらお読み下さい。

最後の最後になりますが、半年間ありがとうございました。そして今日も長文を最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

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【これまでの感想】
第1週「花子と呼んでくりょう!」
1 2 3 4 5 6
第2週「エーゴってなんずら?」
7 8 9 10 11 12
第3週「初恋パルピテーション!」
13 14 15 16 17 18
第4週「嵐を呼ぶ編入生」
19 20 21 22 23 24
第5週「波乱の大文学会」
25 26 27 28 29 30
第6週「腹心の友」
31 32 33 34 35 36
第7週「さらば修和女学校」
37 38 39 40 41 42
第8週「想像のツバサ?」
43 44 45 46 中間総括 47 48
第9週「はな、お見合いする」
49 50 51 52 53 54
第10週「乙女よ、大志を抱け!」
55 56 57 58 59 60
第11週「グッバイ!はな先生」
61 62 63 64 65 66
第12週「銀座のカフェーで会いましょう」
67 68 69 70 71 72
第13週「その恋、忘れられますか?」
73 74 75 76 77 78
第14週「ゆれる思い」
79 80 81 82 83 84
第15週「最高のクリスマス」
85 86 87 88 89 90
第16週「あなたがいる限り」
91 92 93 94 95 96
第17週「腹心の友ふたたび」
97 98 99 100 101 102
第18週「涙はいつか笑顔になる」
103 104 105 106 107 108
第19週「春の贈りもの」
109 110 111 112 113 114
第20週「海にかかる虹」
115 116 117 118 119 120
第21週「ラジオのおばさん誕生」
121 122 123 124 125 126
第22週「新しい家族」
127 128 129 130 今後の展開と最終回予想 131 132
第23週「アンとの出会い」
133 134 135 136 137 138
第24週「生きている証(あかし)」
139 140 141 142 143 144
第25週「どんな朝でも美しい」
145 146 147 148 149 150
第26週「曲がり角の先に」
151 152 153 154 155

花子とアン ロケ地情報 [オープニングの農村風景/勝沼ぶどうの丘編] ※検証動画あります
勝沼の資料館にある蝋人形が「花子とアン」のヒロイン親子に似てる!?

残り14回しかないのに、未だぐだぐだな「花子とアン」ですが、(本家blogへの)今週のWeb拍手の数と皆さんのコメントで、最終回まで見届けようと決めました。
SWITCHインタビュー 達人達(たち)「美輪明宏×中園ミホ」(2014/9/15) 感想
残り7回しかないのに、未だ主人公が翻訳家らしさを殆ど魅せない「花子とアン」ですが、宣言通りに最終回まで見届けます。
スタジオパークからこんにちは [ゲスト:吉高由里子] (2014/9/26) 感想

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コメント

No title

毎度トラバありがとうございました^^
コメントもありがとうございました。
半年間、お疲れ様でした。

ほんと、原作にも赤毛のアンにも本にも文学にも仕事にも何の尊敬も感じられないドラマでした。

主人公よりも白蓮物語や兄妹物語の方が面白いドラマでした^^;

次期は恋愛だけではなくお仕事ドラマとして楽しめるものを期待したいですね~。

Re: No title

☆くうさん
コメントとTBありがとうございます。

ホント、今作は何だったんだ?と言う思いです。

次回作に期待します。
また、よろしくお願いします。
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【花子とアン】最終回(第156回)感想と総評

以前、お伝えした通り、朝ドラ『花子とアン』のスピンオフドラマ『朝市の嫁さん』を1

花子とアン 第156回(最終回)

内容 ついに、タイトルも“赤毛のアン”に決定し、 花子(吉高由里子)の翻訳した本は、世に出ることに。 瞬く間にベストセラーとなり。。。。 敬称略 やっと、終わった 以上である。

NHK朝ドラ【 花子とアン 】 第156回(最終話) 感想

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Author : みっきー

★管理人:みっきー

★職業:宴会/映像ディレクター(フリーランス)

★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

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