おやじの背中 (第10話 最終回・9/14) 感想

TBSテレビ系『おやじの背中』公式
第10話/最終回『北別府さん、どうぞ』(脚本:三谷幸喜氏/ 演出:土井裕泰氏)の感想。


売れない役者の北別府(小林隆)は前立腺がんの治療中。8歳の息子・寅雄(須田琉雅)と2人暮らしをする北別府は、病気に負けるわけにはいかないが、病状は芳しくない。ある日、病院でドラマのロケ隊と遭遇し、衣装の白衣を落としたスタッフを追い掛けた北別府は、ロビーで寅雄とばったり。体育の授業中にけがをしたらしい。北別府は、父親が役者だと知らない寅雄に、自分はここで働く医師だとうそをついてしまう。持っていた白衣を着た北別府は、医師に成り済まし寅雄を院内へ案内する。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

脚本で説明しないのが良い!

冒頭から主人公・北別府(小林隆)の職業を見せたり説明せずに、医師や看護師の台詞から視聴者に感じ取らせる。こう言うのが普通なのだが、最近のドラマの脚本は、この類のことを手抜きするのが多いが、そこをきっちり時間をかけて描写する脚本と演出に好感が持てる。

最初のCMまでの魅せ方も悪くない!

北別府が白衣を着るところから音楽が挿入されて、“父と息子”のドラマが始まると言う、期待感の出し方も上手い。14分の最初のCMのタイミングも良いし、元妻(吉田羊)ををチラ見させてCMってのも、引き伸ばしに感じないさりげなさも悪くない。

視聴者も“大芝居”に付き合う羽目になるのも楽しい!

元妻がCM明けにすぐ登場するかと思いきや、その後の視聴者はグイグイと主人公の“一世一代の大芝居”に付き合う羽目になるってのもニクイ。いつ息子にバレるのか、誰が息子にバラのか、ハラハラドキドキしながら、全く着地点の見えない大芝居は続く。だって30分になっても元妻と出会わないのだから…

“一世一代の大芝居”が患者と医師の逆転劇になるとは!

元妻が登場したと思ったら、今度は元妻も“一世一代の大芝居”に付き合うと言うか参加して、どんどん話が大きく転がっていくのも楽しい。自分がふとついた嘘が医師や看護師まで巻き込んでいく過程と、いよいよボロが出そうな綱渡りの大芝居が、ついに患者と医師の逆転劇へと変化するとは、なんと面白いアイデアなんだ。

スカッと短いオチも悪くなかった。

そして、CM明けに突然のエンディングと言うかオチがくるとは思わなかった。売れないおやじの背中を見て、息子・寅雄(須田琉雅→小栗旬)が売れっ子俳優になったってことか。ごちゃごちゃ説明しないスカッと短いオチも悪くなかった。

三谷さんが演出も手掛けた方が良かったかも?

展開や現実味と言う点では少々疑問は残るものの、見栄っ張りのおやじの“一世一代の大芝居”とこのオチは、きちんと『おやじの背中』になっていたと思う。ただ、演出のコメディとシリアスの切り替えがちょっと雑だったのが残念。いっそ三谷幸喜さんが演出も手掛けた方が良かったかも?

「おやじの背中」と言う共通テーマの選択ミスか?

さて、全10話1話完結で毎回脚本家と演出家と俳優が違うと言うこの企画。正直『おやじの背中』と言う共通テーマの選択ミスだったような気がする。なぜなら、結局は「子供が父親の生き様を見る話」と言う点で似た作品になったから。1時間と言う制限があるのだから、もう少し解釈の幅が持てるテーマの方が有効だったと思う。

あとがき

もしかしたら第1話『圭さんと瞳子さん』の不思議な親子の話より、テーマにストレートな今回が第1話だったら、全10話を気負うことなく楽しめたかもしれません。でも、こう言う特に最近の『日曜劇場』らしくない試みに挑戦した企画自体は良かったと思います。


     

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【これまでの感想】
第1話「圭さんと瞳子さん」
第2話「ウエディング・マッチ」
第3話「なごり雪」
第4話「母の秘密」
第5話「ドブコ」
第6話「父の再婚、娘の離婚」
第7話「よろしくな。息子」
第8話「駄菓子」
第9話「父さん、母になる!?」
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