花子とアン (第144回・9/13) 感想
NHK総合・連続テレビ小説『花子とアン』(公式)
第24週『生きている証(あかし)』【第144回】の感想。
なお、本作は8/26にクランクアップしたため、当記事は、ほんの僅かな編集への期待と愚痴と重箱の隅突きなっております。楽しくご覧になっている方や重隅突きはウザいと思う方は読まない方が良いです。
陸軍に入って訓練を受けていた純平(大和田健介)が、特別休暇をもらって1年ぶりに宮本家へ帰って来た。息子の帰宅を手放しで喜ぶ蓮子(仲間由紀恵)だが、出征の日が近いことを察し、純平のために夕食の材料を調達しに出かける。一方純平は、村岡家へ向かう。突然訪ねて来た純平に、花子(吉高由里子)は驚き、再会を喜ぶ。話すうちに、花子は純平に、蓮子とはずっと会っていないことを打ち明ける。それを聞いた純平は…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
朝ドラだし、戦中の話だし、って大人の事情も解るが…
私の“想像の翼”によると、もうこの段階で中園ミホ先生の蓮子(仲間由紀恵)への興味関心はだいぶ薄れていると思う。ただ、朝ドラだし、戦中の話だし、蓮子も出しておきゃなきゃいけないし、じゃあ戦地へ送り出す母の辛い気持でも書こうか、そんな感じにか受け取れなかった。
食料不足は何処も同じはずなのに、こんな時だけ調子良く、かよ(黒木華)のカフェーに蓮子がのこのこと食料調達に行くのも不自然だし、そんな母の留守中に母に内緒で花子(吉高由里子)を訪れる純平(大和田健介)は更に不自然。
純平「母が心配です。花子おばさま、何かあった時は母を助けてやって下さい」
日本中の本作の素直な視聴者は、ここからハンカチが手放せなかっただろう。
今日も、トントン拍子にあらすじの箇条書きは進む!
確かに純平の気持ちは解るのだが、どうやら花子の関心事は違うらしい。なぜか突然に味がどうとか言いながら葡萄酒を渡して、唐突に歩のことを立ち話で、「もしも自分が蓮子だったら?」と“想像の翼”を広げちゃう。
花子「あなたを送り出す蓮子さんの気持ちを思うとたまらないの」
この後も、涙涙の常套句の連続で、気が付いたら宮本家。そして、家族水入らず(おっと母子、龍一入らずか?)で夕食のシーンでもあるのかと思いきや、鍋の中身を見せただけ。花子と葡萄酒の話も中途半端なまま、いきなり翌朝。ここまで何と12分。今日の、いや、まだ蓮子(仲間由紀恵)のくだりって必要なの?と中園先生に伺いたい。
村岡花子さんの名訳登場!でも残念ながら語りで…
そして、お待ちかねのヒロインパートも、土曜だから正味残り3分間も無い。さて、何を描くのかと思いきや、突然に花子の語りが始まった。今日は唐突に展開するのが多いことったらありゃしない。
花子「(Na)曲がり角を曲がったさきに何があるのかは、分からないの。
でも、きっと一番良いものにちがいないと思うの」
これは(実在した)村岡花子さんの『赤毛のアン』の最終章でアンが決意を述べるくだりの、“名訳”とされる文章の引用。人々、特に女性には激動の時代を生きた抜いた花子さんだからこそ、明日と言う普通の日常の中に素晴らしいものがあると言う意味の良い言葉だと思う。ここで引用する必要があるかどうかは別だが…
今日も、花子の翻訳シーンを描くチャンスを逃した!
今夜の命の安全すら保障の無い戦火の中で必死に翻訳しているのだろうから、どうして、原書を前に原稿に執筆しているカットで見せなかったのだろう。激しさを増す東京大空襲の中で花子がどうやって翻訳作業をしているのかを見せる絶好のチャンスだったのに。ナレーションで処理するなんてもったいない。
昨日の『あさイチ』で吉高さんが、別作品で「眩しい時に小さい瞳孔をCGで大きく書いてもらった」と言っていたのだから、吉高さんの左利きの不自然さなんて映像的にどうにでも処理できるだろうに…
ナレーション、原稿、原書がおかしくない?
そしていよいよ村岡家にも戦火が。花子と美里(三木理紗子)が逃げるシーンくらい、ツッコミ無しでサラリと見せてくれよと思うのだが、そう言う時にトラップを仕掛けるのが今作のスタッフ。
上で取り上げた花子のナレーションは最終章、机の上に広げたままの原書は開いて置きやすい真ん中辺り、そして火が点いた原稿用紙は表紙と、肝心の翻訳アイテムがバラバラ状態。
そして相変わらず原書と英英辞典は裸のまま持ち歩く。こんなご時世なんだし大事なモノのだから、いつでも風呂敷に入れる位の準備はして良いと思うのだが、本作のどの登場人物も本を裸で持ち歩くのが好きだからしょうがないか。私のエコバッグをテレビの中に投げてやりたくなる…
結局、なぜアンの翻訳が生きた証なのかは描かれず…
語り「生きた証(あかし)としてこの本だけは訳したい」
そして残り1分を切った頃、これまた突然に美輪さんがサブタイトル『生きている証(あかし)』の説明をしちゃった。こっちは「なぜ花子は生きた証して、“赤毛のアン”を翻訳したいのか?」を観たくて今週楽しみにしていたのに、たった数秒の台詞だけで描かれずに終了ってどういうこと?
それに空襲の中を逃げ惑うヒロインのアップに、「ごきげんよう、さようなら」ってどう言うセンスで書けるのだろう。まあいっか…
あとがき
昨日の記事『残り14回しかないのに、未だぐだぐだな「花子とアン」ですが、今週のWeb拍手の数と皆さんのコメントで、最終回まで見届けようと決めました。』を含めて、今週の記事へのたくさんのWeb拍手をありがとうございました。この場をお借りして御礼申し上げます。
さて、先週花子と原書が出会い、今週は翻訳開始って感じなのですが、今日放送分の後半が、1945年(昭和20年)4月15日と言うことは、4か月後の8月15日が終戦で、その頃には訳了するのが史実なので、約2年掛かったとされる翻訳作業としては、今週は既に中盤を過ぎたってことになります。おいおい!
ってことは、来週の予告編も加味すると、私やここを訪れて下さる読者さまたちが観たいと思っている、花子が英語の原文をどう日本語に翻訳し、“アンの世界観”を子どもたちに伝えようとするのかは本当に描かれず仕舞いで終わってしまうかも知れません。
今日も長文を最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
★ケータイの方は下記リンクからご購入できます。
連続テレビ小説「花子とアン」完全版 Blu-ray-BOX -1
連続テレビ小説 花子とアン オリジナル・サウンドトラック
連続テレビ小説 花子とアン オリジナル・サウンドトラック2
花子とアン メモリアルブック (NHKウイークリーステラ臨時増刊 10月31日号)
★本家の記事のURL → http://director.blog.shinobi.jp/Entry/6048/
★FC2ブログへトラックバックが送信できない方へ → コメント欄に、ブログ名、記事のタイトル、URLをご記入下れば、確認次第公開させて頂きます。お手数をお掛けします。
なお、【Seesaaブログ】http://dmesen.seesaa.net/article/405340151.html でも、TB受付けております。
【これまでの感想】
第1週「花子と呼んでくりょう!」
1 2 3 4 5 6
第2週「エーゴってなんずら?」
7 8 9 10 11 12
第3週「初恋パルピテーション!」
13 14 15 16 17 18
第4週「嵐を呼ぶ編入生」
19 20 21 22 23 24
第5週「波乱の大文学会」
25 26 27 28 29 30
第6週「腹心の友」
31 32 33 34 35 36
第7週「さらば修和女学校」
37 38 39 40 41 42
第8週「想像のツバサ?」
43 44 45 46 中間総括 47 48
第9週「はな、お見合いする」
49 50 51 52 53 54
第10週「乙女よ、大志を抱け!」
55 56 57 58 59 60
第11週「グッバイ!はな先生」
61 62 63 64 65 66
第12週「銀座のカフェーで会いましょう」
67 68 69 70 71 72
第13週「その恋、忘れられますか?」
73 74 75 76 77 78
第14週「ゆれる思い」
79 80 81 82 83 84
第15週「最高のクリスマス」
85 86 87 88 89 90
第16週「あなたがいる限り」
91 92 93 94 95 96
第17週「腹心の友ふたたび」
97 98 99 100 101 102
第18週「涙はいつか笑顔になる」
103 104 105 106 107 108
第19週「春の贈りもの」
109 110 111 112 113 114
第20週「海にかかる虹」
115 116 117 118 119 120
第21週「ラジオのおばさん誕生」
121 122 123 124 125 126
第22週「新しい家族」
127 128 129 130 今後の展開と最終回予想 131 132
第23週「アンとの出会い」
133 134 135 136 137 138
第24週「生きている証(あかし)」
139 140 141 142 143
花子とアン ロケ地情報 [オープニングの農村風景/勝沼ぶどうの丘編] ※検証動画あります
勝沼の資料館にある蝋人形が「花子とアン」のヒロイン親子に似てる!?
残り14回しかないのに、未だぐだぐだな「花子とアン」ですが、(本家blogへの)今週のWeb拍手の数と皆さんのコメントで、最終回まで見届けようと決めました。
- 関連記事