花子とアン (第137回・9/5) 感想
NHK総合・連続テレビ小説『花子とアン』(公式)
第23週『アンとの出会い』【第137回】の感想。
なお、本作は8/26にクランクアップしたため、当記事は、ほんの僅かな編集への期待と愚痴と重箱の隅突きなっております。楽しくご覧になっている方や重隅突きはウザいと思う方は読まない方が良いです。
スコット(ハンナ・グレース)から、『アン・オブ・グリン・ゲイブルズ』の原書を手渡された花子(吉高由里子)。スコットは友情の記念として持っていて欲しい、と花子に語る。傍らで本に興味しんしんの美里(岩崎未来)を見たスコットは、花子の小さい頃みたいだと言い、花子は、子どもの頃スコットの歌を聞いて初めて英語が心に響いてきた、と思い出を語るのだった。やがてスコットが去ったあと、その本を読み始めた花子は…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
今日の15分間だけ観れば、過去最高の仕上りか!?
まず、かわいいチビはなちゃんの登場に妙に感動した、「あの頃は良かった」と。あれから五か月間、ダラダラと且つブツ切れに歩んできた本作。だから、今日の15分間だけを観れば、幼少期以来の過去最高の仕上りと位置付けても良いと思う。それ位に“マシ”だったと言うだけだが…
褒める理由は5つ!
一つ目は、修和女学校入学当時、本は大好きだが英語は苦手だった幼少期のはな(山田望叶)が、英語に興味関心を持つきっかけが、美里(岩崎未来)に伝承する形できちんと描かれたこと。これで一応「村岡花子一代記」として繋がった?
二つ目は、スコット(ハンナ・グレース)が慕っていた「彼が戦死した」と言う台詞で、時間経過と歴史的経過をきちんと処理したこと。三つ目は、スコットが本を花子に託した理由を「私たちの友情の記念に」と明確にしたこと。これらにより、花子が日本とカナダの橋渡しになりそうな“先”を予感させた?
四つ目は、花子が原書名を「緑の切妻屋根のアン」と直訳したり、翻訳家らしい部分を描いたこと。そして五つ目は、歌唱指導まで付けて、『The Water Is Wide / 悲しみの水辺』を二人に歌わせ、演出にメリハリをつけたこと。この二つが過去の本作で最も欠落していた部分。それがやっと描かれただけだが…
戦争激化の中で、村岡家だけのんびりなのも悪くない!
戦争の激化でスコットまでも帰国すると言う情勢なのに、村岡家だけはどこ吹く風なのに多少の違和感を覚えなくもないが、こう言う表現も映像的表現として悪いとは思わない。むしろ、この10分程度のくだりに、戦争を感じさせるカットや効果音を挿入する方が無理矢理感が増し、不自然になると思う。
その面では、“友情”繋がりで挿入した蓮子とのエピソードこそ違和感の塊だが、今回は目をつぶることにする。と思った矢先に、いつもの“スーパー事件経過”で2年も過ぎてしまった。どうやら、本作のスタッフの緊張感の持続は、放送尺10分がタイムリミットのようだ…
結局、また語りで無理矢理に前進させるのか!?
さて、褒め殺しもこの位にして、当記事でなぜ「15分間“だけ”」としたのか書いてみる。例えば、スタッフの緊張の糸が切れた11分頃に、こんな美輪さんの語りが入る。
語り「スコット先生から託されたこの本を、
日本の少女たちに送り出すことができる日を、心から願う花子でした…」
私の好意的な“想像の翼”だから、「そりゃあ、そうでしょうよ」と頷くが、私の記憶では、なぜ花子がこのように願うのかが描かれた憶えはない。本来なら、この「日本の少女たちに」と言う部分を、これまでしっかり描いてこそ、花子の翻訳家であり児童文学への想いが描かれるのに、全く描いてこなかった。
なぜ、ドラマの骨子である「花子の人生」を描かないのか!?
結局、本作は今回のような良い描写も悪い表現も、すべて唐突に思え繋がりの無いブツ切れストーリーになっている原因は何か?答えは簡単。ヒロインの花子を描いていないからだ。花子の人生をきちんと描くと言う、ドラマに最も大切な一本の太い大黒柱が通っていないから、家が傾くのだ。
だから、家全体の被害状況を見るよりも、瓦が落ちたとか、窓ガラスが割れたとか、ドアが開かないとか、そう言う目先の小さな変化に目が行ってしまう。恋バナの大量投入も蓮子物語も全部、主人公から目を逸らす結果にしか結びつかないのに、きっと明日からまた続くであろう…
なお、全国で様々な災害で被災している方々には、配慮の欠けた比喩になったことはお詫びします。
あとがき
昨日の予想よりは下回りましたが、蓮子の回想シーンの直前までの9分間は良く出来ていたと思います。こんな感じで、花子の人生の変化を描いてさえくれれば良かっただけなんですけどね。
冒頭のスタッフクレジットに「歌唱指導 Noriko K」とあり「何すんの?」と思ったのですが、ああ言う演出だったのですね。そこで“Noriko K”さんを調べてみました。ANRIさんのツアーサポートのコーラス担当の齋藤典子さんが改名されたようです。参考リンクを貼っておきますね。
Noriko Love (Noriko K Official Website)
※齋藤典子公認のファンサイト
花子とアン|Noriko K Official Blog
※Noriko Kさんのブログに本作の件が書かれています。
現在、脚本担当の中園ミホさんが、あさイチの『プレミアムトーク』にゲスト出演中です。撮影終了後に何を語るのか興味ありますね。記事にするような爆弾発言があれば記事にします。因みに、朝市の名は「あさイチ」狙いだそうです。ふーっ
今回も長文を最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
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村岡花子童話集 たんぽぽの目
村岡花子エッセイ集 想像の翼にのって
花子とアンへの道: 本が好き、仕事が好き、ひとが好き
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【これまでの感想】
第1週「花子と呼んでくりょう!」
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第2週「エーゴってなんずら?」
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第3週「初恋パルピテーション!」
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第4週「嵐を呼ぶ編入生」
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第5週「波乱の大文学会」
25 26 27 28 29 30
第6週「腹心の友」
31 32 33 34 35 36
第7週「さらば修和女学校」
37 38 39 40 41 42
第8週「想像のツバサ?」
43 44 45 46 中間総括 47 48
第9週「はな、お見合いする」
49 50 51 52 53 54
第10週「乙女よ、大志を抱け!」
55 56 57 58 59 60
第11週「グッバイ!はな先生」
61 62 63 64 65 66
第12週「銀座のカフェーで会いましょう」
67 68 69 70 71 72
第13週「その恋、忘れられますか?」
73 74 75 76 77 78
第14週「ゆれる思い」
79 80 81 82 83 84
第15週「最高のクリスマス」
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第16週「あなたがいる限り」
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第17週「腹心の友ふたたび」
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第18週「涙はいつか笑顔になる」
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第19週「春の贈りもの」
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第20週「海にかかる虹」
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第21週「ラジオのおばさん誕生」
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第22週「新しい家族」
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第23週「アンとの出会い」
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