花子とアン (第135回・9/3) 感想
NHK総合・連続テレビ小説『花子とアン』(公式)
第23週『アンとの出会い』【第135回】の感想。
なお、本作は8/26にクランクアップしたため、当記事は、ほんの僅かな編集への期待と愚痴と重箱の隅突きなっております。楽しくご覧になっている方や重隅突きはウザいと思う方は読まない方が良いです。
取り乱した蓮子(仲間由紀恵)から、龍一(中島歩)の事を密告したのではと一方的に責められ、締め出されてしまった花子(吉高由里子)と英治(鈴木亮平)。その後、蓮子は差し入れを持って龍一に面会に行くが会わせてもらえず、浪子(角替和枝)も不安を募らせる。だが軍国少年の純平(大和田健介)は、父への反発を強めてゆくのだった。一方花子は、ラジオで連日戦争や軍隊のニュースばかり読むことに葛藤を強めていた…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
脇役とその旦那の話なんてどうでもいい!
今日の脇役の旦那が捕まったことに端を発したこのくだり。昨日怒った蓮子(仲間由紀恵)が一度誤ったかと思いきや、今度はすねて最後は絶交宣言しただけの話が必要なのかどうかと言えば、ハッキリ言えば完全に不要。それよりも、さっさと『赤毛のアン』の原書を出せと言いたいところだが…
花子の言葉が、全く心に迫って来ない!
気になったのが、今日の花子(吉高由里子)の言葉が、全く私の心に迫って来ないのは何故か?ってこと。例えば「ラジオのおばさん」の件。一度断って…はいつもの花子のパターンだが、引き受けた理由を根拠に辞退すると言い出すのだが、そもそもその理由が明確に描かれていないし、吉高さんも肝心な台詞で咬むし…
カフェで、彼女なりに論拠を立てた反戦論と偽りない生き様を話す蓮子に対して、花子は半分口を開けて聞いていたり、戦争については日和見的意見で、尚且つここでも肝心な台詞で幾度も咬む始末。
戦争が凄く恐ろしいもので、まずは家族を守りたいと言う気持ちも解るし、「世の中の流れ何て私一人の力では止める事なんて出来ないわ」と言うのも理解できる。しかし、こんな当時の誰もが思うようなことを言う(言わされている)だけのヒロインに魅力があるだろうか。そう魅力が無いから心に迫って来ないのだ。
「子どもたちを守るには、国家を守らねば」と考えたのか?
ドラマとは関係ありませんが、史実での村岡花子さんは、今で言う“バリバリの”愛国主義者で、「“戦争は国家の意思”であり、“個人的心理的な観方”を滅却せよ」と訴えた女性。その点で当時のナチスに対しても好意的な見方をしていたし、戦争遂行に協力的な人だったそうだ。
しかし、そんな花子さんも戦中の激しい空襲の中で、3年もの歳月をかけてカナダ人L・M・モンゴメリが書いた『Anne Of Green Gables』の原書を翻訳するのだから、矛盾すると言えばそうなのだ。でも、もし花子さんが、「子どもたちを守るには、国家を守らねば」と考えていたとしたら、意外に納得できなくもない。
花子の“教育、宗教観、社会的思想、国家観”を描かぬまま、物語が戦争に突入した違和感と謎…
これまでも何度も書いてきたが、このドラマで劇中の花子が『赤毛のアン』の原書をどのように翻訳するかを描くには、花子の“教育、宗教観、社会的思想、国家観”をきちんと描かずしては無理なのだ。だが、残念ながら本作はこれまでも今日も肝心な所を時に無視し誤魔化してきた。
更に言えば、史実と創作部分が中途半端に切り貼りされてきたから、このままでは“真実の村岡花子の生き様”はもちろんのこと、“劇中の村岡花子の生き様”も“劇中の“宮本蓮子の生き様”に隠れてしまう。一体、作者は何を描きたくて本作に取り組んだのか?最終回に答えはある、と思いたい…
あとがき
蓮子が、「あなたのように卑怯な生き方はしたくないの」と言いました。確かに花子は他力本願でタナボタで、一度断って懇願されないと動きやしないし、離婚しないでと言っておいてさっさと結婚したり、ラジオを私物化…とまあ卑怯と言うか自己チューです。しかし、蓮子も十分自己チューですよ。
二人の違いは、蓮子は周囲の目を意識して行動するが、花子はそんなのお構いなしってことくらい。だから“腹心の友”になれたのかもしれません。そして、こうして書きながら思うのが、脚本の中園ミホ先生自身が、時に視聴者を意識し過ぎて史実を改変したり、ヒロインや物語をお構いなしに脇役を目立たせたり。もしかして一番卑怯者は…
長文を最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
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村岡花子エッセイ集 想像の翼にのって
花子とアンへの道: 本が好き、仕事が好き、ひとが好き
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【これまでの感想】
第1週「花子と呼んでくりょう!」
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第2週「エーゴってなんずら?」
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第3週「初恋パルピテーション!」
13 14 15 16 17 18
第4週「嵐を呼ぶ編入生」
19 20 21 22 23 24
第5週「波乱の大文学会」
25 26 27 28 29 30
第6週「腹心の友」
31 32 33 34 35 36
第7週「さらば修和女学校」
37 38 39 40 41 42
第8週「想像のツバサ?」
43 44 45 46 中間総括 47 48
第9週「はな、お見合いする」
49 50 51 52 53 54
第10週「乙女よ、大志を抱け!」
55 56 57 58 59 60
第11週「グッバイ!はな先生」
61 62 63 64 65 66
第12週「銀座のカフェーで会いましょう」
67 68 69 70 71 72
第13週「その恋、忘れられますか?」
73 74 75 76 77 78
第14週「ゆれる思い」
79 80 81 82 83 84
第15週「最高のクリスマス」
85 86 87 88 89 90
第16週「あなたがいる限り」
91 92 93 94 95 96
第17週「腹心の友ふたたび」
97 98 99 100 101 102
第18週「涙はいつか笑顔になる」
103 104 105 106 107 108
第19週「春の贈りもの」
109 110 111 112 113 114
第20週「海にかかる虹」
115 116 117 118 119 120
第21週「ラジオのおばさん誕生」
121 122 123 124 125 126
第22週「新しい家族」
127 128 129 130 今後の展開と最終回予想 131 132
第23週「アンとの出会い」
133 134
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