おやじの背中 (第6話・8/17) 感想

TBSテレビ系『おやじの背中』公式
第6話『父の再婚、娘の離婚』(脚本:橋部敦子氏 / 演出:竹園元氏)の感想。


4年前に妻を亡くした典久(國村隼)は定年退職後、再就職した。しかし、今の仕事に不満はたまるばかり。娘の七海(尾野真千子)は売れない役者の大悟(桐谷健太)と結婚生活を送っているが、信用金庫で働く七海が家計を支えていた。亡妻の法事で久しぶりに七海と再会した典久は、「婚活する」と宣言。数日後、婚活パーティーに参加し、その帰り道に七海のアパートに立ち寄る。しかし、大悟から七海が家を出たことを知らされ…。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

“おやじの背中”で父と娘の心のしこりが解けていく…

幼い頃からすべてを父親に決められ、社会人になりやっと自分の選択で結婚した相手と上手く行かない娘。娘のためと思ってレールを敷いてきた父親は4年前に妻に先立たれ再婚活中。そんな父と娘が亡き母が父と行きたかった高級温泉旅館に泊まる。その夜、父は布団の中で足を吊ってしまい…

娘の七海(尾野真千子)は、うつ伏せの父・典久(國村隼)の足をさすりながら“おやじの背中”に向かって、小さい頃からの父へ思いを話し出す。そして、父も“おやじの背中”を通して娘への思いを話す。この“おやじの背中”でこれまでの父と娘のわだかまりと言うか心の中のしこりがゆっくりと解けていく…

気丈な娘は父に涙を見せず“むすめの背中”で泣く…

そしてCM明けのシーンでは父と娘は川の字で天井を見ている構図。七海はちらちらと典久のほうを見ながら、「孫の顔を見せられなくてごめん」「いつでも行ける距離なのにお正月と命日以外全然行かなかったし」と今のストレートな気持ちを話すが、典久は天井を向いたまま。

「おやすみ」と七海が典久に“むすめの背中”を見せる構図になり、父は妻がいないと言う今の本当の寂しさを語り出す。娘は更に父に“背中”を向け顔が見えないように頬を枕に付けて、自分の結婚が上手く行っておらず親に安心させられないと言う今の本当の寂しさを語り出す。今度は父がちらっと娘を見るが、“むすめの背中”は泣いている…

「足が吊った」とは、何とも見事な「転」だろう!

ソファーで転寝をする父にさり気なく袢天を掛ける娘のくだりまでの約35分は、これと言った事件も起こらず、淡々と意思疎通がうまく行かない父と娘を描き、そのまま終わるのかと思いきや、緊張でか中々寝付けない父がうめき声を発する。いよいよ何か発作でも起こったかと思ったら、「足が吊った」と。

この1時間で最大の事件が、「父の足が吊った」と言うのが絶妙な事件のサイズ(大きさ)だ。ドキッとした直後にクスッと笑わせて、そのままシリアスな会話へ大きく展開する訳だが、全体の静かなトーンを壊さず、親子の微笑ましさもあり、何とも見事な「起承転結」の「転」だろうか。

顔が見えないほうが本音を言い合えると言うこと…

顔を見ないほうが本音を言えると言うこと、特に親子の関係ではそう言うことが多いと思う。そんな誰でも体験していることを、今回は旅館での一泊と言うシチュエーションを秀逸に活かしたドラマだったと思う。

ただ、七海の夫・大悟(桐谷健太)のくだりは無くても成立したかもしれない。しかし、婚活パーティーで知り合った芳子 (中田喜子)と同様に、出番を最小限に抑えた構成には好感が持てる。なぜなら、後半はきちんと父と娘と亡き母の物語になっていたからだ。

あとがき

もしかすると、今回が日曜劇場の『おやじの背中』らしい作品だったかもしれません。どこにでもあるような頑固な父親とそれに妙に意固地になっている娘の話。いい感じでまとまっていたと思います。脚本と演出と俳優がしっくりきていた、そんな一本でした。

そして、エンディング曲の『Unforgettable(1991年)』も洒落てました。ナタリー・コールが亡き父のナット・キング・コールの歌声とオーバーダブ(合成)して生まれた夢の共演。最後の二人が明るく歩くシーンに、大人のセクシーで妖艶なジャズの名曲。選曲、抜群だと思います。

また、今回の旅館のロケ地は、中伊豆にある『天城湯ヶ島温泉旅館 落合楼村上』公式サイトのリリース情報)です。因みにこの旅館は、観月ありささん主演ドラマ『私を旅館に連れてって(2001年4月)』のロケ地にもなりました。
そう言えば、『私を旅館に…』のサントラは『古畑任三郎』のサントラで有名な本間勇輔さんの作品で、しっとりした名曲が多い隠れた名作ですよ。Amazonで試聴してみて下さい。

今回は書きたいことがたくさんあって、ついつい長文になってしまいました。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

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【これまでの感想】
第1話「圭さんと瞳子さん」
第2話「ウエディング・マッチ」
第3話「なごり雪」
第4話「母の秘密」
第5話「ドブコ」
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