花子とアン (第117回・8/13) 感想
NHK総合・連続テレビ小説『花子とアン』(公式)
第20週『海にかかる虹』【第117回】の感想。
「熱があるかも」と言い出した歩(横山歩)が、ほんとうに高い熱を出していることに驚く花子(吉高由里子)と英治(鈴木亮平)。花子は急いで歩を布団に寝かせ、つきっきりで看病を始める。歩はぐったりしながらも花子に「痛いお注射する?」などと問いかけ、花子は元気になったら今度こそ海に行こうね、と言葉をかける。やがて英治に呼ばれた医師と看護師が到着。歩を診察した医師は、花子と英治に所見を伝える…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
昨夜の日航機墜落のスペシャルドラマのあとだから…
昨夜、フジテレビ系で放送された『8.12日航機墜落30回目の夏生存者が今明かす“32分間の闘い”~ボイスレコーダーの“新たな声”』(公式)を3度も観て、人の命の尊さと儚さを再確認した私。本当に事故で亡くなった方のご冥福をお祈り申し上げます。
と、そんな気持ちを引きずった私だから、今朝はいつもとは違った目線で歩(横山歩)の運命を見届けるはずだった…
医師のお言葉が速っ!医師もスタッフもやっつけか?
しかし、流石、史実を改悪してつまらない物語を見せる本作。歩が目を閉じたただけでいきなり医師が「もうお時間が無いので、抱いてあげて下さい」と。まあ、当時の医療技術では疫痢が不治の病で、医師なら患者を診れば一目瞭然かもしれないが、いくらなんでも展開が速過ぎる。
ここはドラマとして聴診器の一つも当てるとか、せめて医者のアップをワンカット入れてことの重大さに客観性を入れて欲しかった。だって吉高さんと鈴木さんの寝起きみたいな顔じゃ緊張感も悲壮感も表現できないのだから。こんな重要なシーンだからこそ俳優の演技をフォローしなくちゃダメなのに…
と言うか。スタッフの本音は、一応史実だから入れるけど、“歩くん”を演じるのが横山歩くんって韻を踏んだし、視聴者も急に登場して面を食らってるだろうから、歩のくだりはささっと片付けようって思ってるに違いない。いや、そうでないかもしれないが、私にはそう見える時点で終わってる…
角替和枝さんの名演技に、一瞬だけ救われた!
宮本家に届いた訃報の電報。仲間さんの演技よりも「アユムケサエキリデシス」の文面の1カットの方が視聴者への訴求力があるのは、このスタッフにしては良くやったと言いたい。これが映像で魅せるってことだ。龍一(中島歩)のアップも無いのも良かったし。
そして何より良かったのが、龍一の母・浪子の台詞と角替和枝さんの演技力。わずかな尺だったが、ぼやーっとしている登場人物が並ぶ本作で唯一の良心かもしれない。それに抜群の存在感も見事。こう言うのが見たかった。
と思ったら、もう蓮子(仲間由紀恵)が安東家へ上がってる。電報を打つほど遠いのでは?なぜ浪子のアップの後に、歩の死に顔を直結するかなあ。水道からポタッと落ちる水滴の1カットくらいインサートすれば良いのに。折角褒めても直後に手抜きか…。
電報に隠された5つの疑問!
それ以前に、この度の訃報の電報のくだりには根本的な疑問が5つある。
●我が子が急死した状況で、蓮子に電報を送ると誰が思いつき行動したのか?
●電報のシーンを入れるなら身内である甲府の安東家が先ではないのか?
●身近に住む身内のかよ(黒木華)には一報を入れなかったのか?
●なぜ、かよ(吉太郎もだが)が真っ先に駆けつけると言う構成を選ばなかったのか?
●そもそも電報を打てるなら、村岡家には電話があるはず。ならば宮本家とかよも昨日のくだりで醍醐(高梨臨)に連絡してるから電話で、甲府だけ電報で良かったのでは?
スタッフの腹心の友&仲間さん推しなのは承知だが、最後の薄暗がりの中で斜に構えて座る蓮子の上手(右側)に句を重ね、美輪さんの語り処理だけ抽出したら、『演歌の花道』のイントロにしか見えないのだが。なんか、全然悲しくない…
あとがき
全くテレビの中の悲しさが伝わってこなかったのは私が捻くれ者ってのもありますが、それだけですか?冒頭から妻を「さん付け」、我が子を「ちゃん付け」で呼ぶ夫婦が気になったし、朝から子どもが亡くなるシーンで始まるのもどうかと思うし、「元気になったら遊ぼうね」と言われても花子が歩と遊んでたシーンも少ないし…
死因が疫痢なのは史実通りですが、疫痢は、発症するのは2~5歳の子どもで、夏に発症例が多く、経口感染がメインで潜伏期間は1~5日。原因の詳細は不明ですが、食べ過ぎ、寝冷え、精神的興奮で症状が誘引されると言われています。
そうなると、誘引したのは(何日前かわかりませんが)醍醐さんが大量の弁当を持ってきたあの家庭内パーティーが引き金だった?って考えられちゃいます。そうなると醍醐も吉太郎もかよも夜になっても来ないのも頷けますって、脳内解釈するのは、私の“想像のツバサ”が大き過ぎますかね。後味良くないです。
で、結局は、他人(今回は我が子ですが)の不幸を創作意欲の原動力にしてたくましく生きると言う“本作の花子”の定番で、今後も話が進むのでしょうか。流石に、この性質の連続は良い感じはしませんけど。皆さんはいかがですか?
あー、記事を書く方が放送時間の何倍もかかるドラマってなんの?
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【これまでの感想】
第1週「花子と呼んでくりょう!」
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第2週「エーゴってなんずら?」
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第3週「初恋パルピテーション!」
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第4週「嵐を呼ぶ編入生」
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第5週「波乱の大文学会」
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第6週「腹心の友」
31 32 33 34 35 36
第7週「さらば修和女学校」
37 38 39 40 41 42
第8週「想像のツバサ?」
43 44 45 46 中間総括 47 48
第9週「はな、お見合いする」
49 50 51 52 53 54
第10週「乙女よ、大志を抱け!」
55 56 57 58 59 60
第11週「グッバイ!はな先生」
61 62 63 64 65 66
第12週「銀座のカフェーで会いましょう」
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第13週「その恋、忘れられますか?」
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第14週「ゆれる思い」
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第15週「最高のクリスマス」
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第16週「あなたがいる限り」
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第17週「腹心の友ふたたび」
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第18週「涙はいつか笑顔になる」
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第19週「春の贈りもの」
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第20週「海にかかる虹」
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