花子とアン (第116回・8/12) 感想
NHK総合・連続テレビ小説『花子とアン』(公式)
第20週『海にかかる虹』【第116回】の感想。
歩(横山歩)と海水浴に行く約束を果たすため、花子(吉高由里子)は寝る間も惜しんで翻訳の仕事を進める。約束の日曜日の朝、目が覚めた歩は、天気が晴れたことに大喜び。だが英治(鈴木亮平)は花子が寝床にいないことに気づく。花子は書斎の机で寝込んでしまったのだ。翻訳は終わっておらず、花子は歩に謝りながら、海は英治や平佑(中原丈雄)と行ってくれと頼む。ところが歩は花子が行かないなら行かないと言い張り…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
期待の花子の躾けのシーンも切り貼りで台無し!
本作には珍しく、花子の“大事な時は居眠りをする”と言う癖が震災後に初めて描かれたような。まあ、“想像のツバサ”のように都合良く登場する癖もどうかと思うが、やらないよりマシ。そう思ったら…
今度はいつも“ちゃん付け”で溺愛している花子(吉高由里子)が辞書に落書きをした歩(横山歩)を、「これはお父ちゃまから貰った大切なご本なのよ!」と叱った。
こう言う躾けのシーンが欲しいんだよと褒めたいところだが、そんなにも大切な本を漬物石代わりにしてたのは誰だっけ?たしか、大雨の中に2階から投げ捨てたこともあったような?結局、こうして都合良くエピソードの切り貼りで連続性が無い。歩が吉太郎(賀来賢人)を呼び捨てにするのも、唐突すぎないか?
いつも人間関係の深さや人の居場所を描かないから…
そして今日も大正時代の設定なのに、現代風アレンジか?と思わず思ってしまうくだりがあった。それが何とも都合良く登場した吉太郎の鉱石ラジオと醍醐(高梨臨)の大量の手作り弁当だ。村岡家とその仲間たちはSNSで繋がっているのかと思うくらいに、いつでもどこでもグッドタイミング。まあドラマだから多少のご都合主義は目をつぶるつもりだが…
確かに醍醐の台詞によれば、「かよさんから、はなさんがすごく忙しいって聞いたから」と言っていたから、吉太郎もかよの粋な計らいなのだろう。そして、かよは夏休みで自分の店が忙しくて行けないから、暇そうな人間に声をかけたと。
ついでに吉太郎と歩は妙に馬が合うと言うのも、私の“想像のツバサ”で脳内補完しておこう。とは言え、人間関係の深さや具体的な居場所を描かない本作では、普通のドラマなら全く気にならない偶然も、違和感にしか映らない。
違和感は続くよ何処までも…
しかし、実はこの15分間で最大の違和感は冒頭1分頃の
語り「次なる仕事が舞い込んでしまいました」と言う語りだ。これを聞けば普通は「前の仕事が終わったばかり」か「今も進行中の仕事がある」と捉えると思う。しかし、そんな映像見たことない。昨日も家族みんなでエア海水浴で遊んでたし…
違和感は続く。先日雨が降ったから次の日曜日は海水浴に行くと言う話になったのは“次なる仕事”が舞い込む前(時間差はわからないが)だ。だとすれば、花子は海水浴の準備を始めていないとおかしなことになる。しかし、結局日曜の朝は前述の通りに作者は花子の得意技“居眠り”を描いてしまう。
仕事が中途半端なのはお約束だからよしとして、問題は花子が海水浴の支度を全くした形跡がないこと。これまた前述の醍醐の弁当の大量持ち込みからしても、花子が家族のために弁当をこしらえたとは思えないし、準備すらしていないはずだ。
となると、前述のかよの連絡の内容がおなしかことに。花子は居眠りする前に、要は前日の夜より前に海水浴行きを既に断念し、その穴埋めをかよに依頼したことになる。花子が吉太郎と醍醐の訪問に驚いていたことから、二人の人選と持ち込み品の選定はかよの独断で行われたと言うことになる。
今日の15分で、残念ながら花子の子育てへの情熱の無さが描かれてしまったと思う。なぜこんな支離滅裂な話を組み立てるのか、理解できない。だって、多分明日は歩にとって最大の運命の日なのだから…
あとがき
昨日の第115回で、梶原が花子に託した本『VOICES OF THE BIRDS』の翻訳の仕事と、息子・歩との海水浴の約束のお話が、史実上とても感動的で花子の人生でもたいせつな事柄なのは、下のリンクで読んで頂ければと思います。
拍手コメントへ返信 (2014/8/11の分) 第115回で梶原が花子に託した本『VOICES OF THE BIRDS』について(本家blogにて)
http://director.blog.shinobi.jp/Entry/5912/
だからこそ、今日の15分間は子育ても大事だが翻訳と言う仕事も大事な母とそれを何となく見て感じる息子で、花子の歩への深い愛情を描くのに絶好のチャンスだし、そう思って中園ミホ先生もペンを執っていたはずと信じたい。しかし、残念ながら、語りのたった一言で“約束”を連呼したエピソードも無残に茶番劇に終わってしまいました。
梶原が安東家を訪問して“次なる仕事”を依頼する直前に、花子が「例の翻訳終わりました」と“前の仕事”の原稿を渡し、梶原が「ありがとう。いつも仕事が速くて助かるよ」のたった二つの台詞の入った僅か5、6秒の1カットさえ入っていれば、醍醐も吉太郎のくだりも水に流せたのに悔やまれます…
15分間の朝ドラの感想文に1時間もかかりました。一言「面白かった」とだけの回って無いんですかね?
いや、それ以前に、この度の長文で駄文を最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
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【これまでの感想】
第1週「花子と呼んでくりょう!」
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第2週「エーゴってなんずら?」
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第3週「初恋パルピテーション!」
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第4週「嵐を呼ぶ編入生」
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第5週「波乱の大文学会」
25 26 27 28 29 30
第6週「腹心の友」
31 32 33 34 35 36
第7週「さらば修和女学校」
37 38 39 40 41 42
第8週「想像のツバサ?」
43 44 45 46 中間総括 47 48
第9週「はな、お見合いする」
49 50 51 52 53 54
第10週「乙女よ、大志を抱け!」
55 56 57 58 59 60
第11週「グッバイ!はな先生」
61 62 63 64 65 66
第12週「銀座のカフェーで会いましょう」
67 68 69 70 71 72
第13週「その恋、忘れられますか?」
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第14週「ゆれる思い」
79 80 81 82 83 84
第15週「最高のクリスマス」
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第16週「あなたがいる限り」
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第17週「腹心の友ふたたび」
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第18週「涙はいつか笑顔になる」
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第19週「春の贈りもの」
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第20週「海にかかる虹」
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