花子とアン (第114回・8/9) 感想
NHK総合・連続テレビ小説『花子とアン』(公式)
第19週『春の贈りもの』【第114回】の感想。
2年が経った大正15年。必死で働いたかよ(黒木華)は、小さいながらも自分の店を持った。その開店祝いに、花子(吉高由里子)や蓮子(仲間由紀恵)たちがやってくる。花子の息子・歩(横山歩)はもうすぐ5歳で、花子はそのやんちゃぶりに手を焼いていた。蓮子と龍一(中島歩)の間には二人目の子ども・富士子が生まれ、幸せいっぱいの村岡家と宮本家。にぎやかな祝いの席で、醍醐(高梨臨)からとあることが発表され…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
登場人物の年表の雑な切り貼りが、面白いはずがない!
今日の15分間を観て思ったこと。それは、もはや総集編と間違う程の、ただのあらすじの映像化になってしまった、と言うことだ。単純に花子とその周辺の人物たちの年表のポイントになりそうなエピソードだけの切り貼り。
ウグイスが「ホーホケキョ」と鳴いている映像を見せられて、「これが平安京です。ちょっと韻を踏んでて面白いでしょ?」と言われて、どんなに“想像のツバサ”を働かせて脳内補完をしようとしても、「鳴いているウグイス=平安京」と思えないものものは思えない。
それとほぼ同じようなことを、15分間見せられても、「ふーん、そうなんだ」しか感じないのだが…
原案を書いた村岡恵理さんは、どう観ているのか?
本作の原案『アンのゆりかご―村岡花子の生涯』を書いたのは実在した村岡花子さんの義理の孫にあたる村岡恵理さん。公式サイトのインタビュー記事には、“私の記憶に祖母との思い出はありません”とある。その人が言わば身内のプライバシーを公開して生まれたのが、この『花子とアン』と言う連続テレビ小説だ。
私もこの本は読ませて頂いた。まだ女性が自立して生きていくには厳しい時代に、花子さんは自分が夢や希望を貰った“本”を通して、特に女性や子どもたちに希望を与えたいと考えた。しかし、震災や戦争のために、これまで培ってきた宗教、思想、教育、女性として妻として母としての生活が壊されていった。
そんな中で出会った『赤毛のアン』の主人公アンに自分の青春を重ねて、「新たなアンの世界観」を翻訳本で創出し、それが世の多くの人に受け入れられたことを、恵理さんはより多くの人に伝えたいと出版したと、私は読み取った。
もしもこれが正しい解釈だとしたら、今の放送内容を観て恵理さんはどう思っているのだろうか。ドラマの内容よりもそちらが気になってしまう…
あとがき
ドラマはフィクションですから、史実を完璧に再現する必要はないと思います。しかし、実在した人の半生を描くテレビドラマとして、その人物の人格形成上の最も大切な部分、宗教観や思想や文学性を改変したり描かずに、生きた足跡の表面だけをなぞるのは、ドラマとして面白いかどうか以前のつくり手のモラルの問題のような、そんなところにまで来ているような気がするのですが…
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【これまでの感想】
第1週「花子と呼んでくりょう!」
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第2週「エーゴってなんずら?」
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第3週「初恋パルピテーション!」
13 14 15 16 17 18
第4週「嵐を呼ぶ編入生」
19 20 21 22 23 24
第5週「波乱の大文学会」
25 26 27 28 29 30
第6週「腹心の友」
31 32 33 34 35 36
第7週「さらば修和女学校」
37 38 39 40 41 42
第8週「想像のツバサ?」
43 44 45 46 中間総括 47 48
第9週「はな、お見合いする」
49 50 51 52 53 54
第10週「乙女よ、大志を抱け!」
55 56 57 58 59 60
第11週「グッバイ!はな先生」
61 62 63 64 65 66
第12週「銀座のカフェーで会いましょう」
67 68 69 70 71 72
第13週「その恋、忘れられますか?」
73 74 75 76 77 78
第14週「ゆれる思い」
79 80 81 82 83 84
第15週「最高のクリスマス」
85 86 87 88 89 90
第16週「あなたがいる限り」
91 92 93 94 95 96
第17週「腹心の友ふたたび」
97 98 99 100 101 102
第18週「涙はいつか笑顔になる」
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第19週「春の贈りもの」
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