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おやじの背中 (第4話・8/3) 感想

TBSテレビ系『おやじの背中』公式
第4話『母の秘密』(脚本:鎌田敏夫氏 / 演出:山室大輔氏)の感想。


慎介(中村勘九郎)は、母親の死後、音信不通だった父親の賢三(渡瀬恒彦)から、埼玉・秩父札所巡りの旅に誘われ、戸惑う。反体制運動の活動家だった賢三は、若い時から家庭を顧みず、慎介は幼いころからそんな父親に反抗してきた。妻の加奈子(ともさかりえ)に背中を押された慎介は、旅に出てみたものの、何を話せばよいのか分からない。昔話を始めた賢三にいら立つ慎介だが、やがて2人は、慎介の母への思いを初めてぶつけ合う。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

最後までお遍路中の父子に置いてけぼりされて終了…

そもそもお遍路がドラマのベースにした必然性が乏しいのだが、脚本家がお遍路を基礎に描きたいと思うのは理解できる。それならば、番組のかなり早い段階でこの父子に視聴者への関心を持たせる必要があったはず。なぜなら、これから1時間、視聴者は父と息子の後ろ姿を見ながらお遍路しなくてはいけないから。

なのに、二人の関係はほぼ描かれず、時間軸を今と過去に行ったり来たりしているだけで、それを理解し次に進んでいくのは父と息子だけ。病気のことやら土手で転がろうがプールで泳ごうが、ドラマに全く訴求力が無い。結局、視聴者は父子に置いてけぼりにされて終わってしまった。

一言で表すなら、久し振りにテレビの中と外が隔離されたドラマだった、と言うことだろうか。ドラマの中の父と息子やその家族たちの葛藤や悩みは、今や昔の時代背景を上手く反映させてそれなりに“いろいろあった”のは解ったが、家族4人の内1人にでも少し感情移入できるように丁寧に描いてくれていたらと思う…

脚本と演出と配役がミスマッチだったかな?

如何にも“昭和チック”な鎌田敏夫氏の脚本が若干今風になったことで、その昔の“鎌田節”が薄まって、若い視聴者にも受け入れやすい作風になったのは良かったと思う。最近のドラマが現実的で外面的なお説教で済ませるようなものが多いが、“鎌田節”は人間や社会の倫理性に基づいて人の心を描く。その面で本作は正に“らしい”わけだが、この企画内の1本としては硬すぎたかもしれない…

また、山室大輔氏の演出だが、上で書いた独特な“鎌田節”を、サラッと表現した作風がどうだったか。正直、旅番組を観ているようで訴求力を感じなかった。

そして配役。基本的に演技力については論じない当blogだが…。まず見た目に渡瀬恒彦さんと中村勘九郎さんの父と息子は無理があったと思う。それと渡瀬さんはいつもの連ドラや二時間ドラマと変わらぬ演技でこれはどうしようもない。

で、勘九郎さんにはいろいろ言いたいところだが、映像向け演技を勉強してって感じ。あとのともさかりえさんと神野三鈴さんも二人の良さが引き出されていなかったような残念な仕上がりだった…

あとがき

勘九郎さんのファン向けドラマだったんですかね。勘九郎さんのファンは楽しめたと思いますが、私はそうでないので記事に書いた通り、最後までドラマの外の人でした。まあ、ギリギリ『おやじの背中』の統一テーマは継承されたと思うので、良かったのはそこでしょうか。先週が面白かっただけにとても残念な仕上がりでした。

次回は、脚本が『野ブタ。をプロデュース』の木皿泉氏、演出が『スウィート・ホーム』の北川雅一氏とちょっと微妙ですね。親子役は堀北真希さんと遠藤憲一さんなので、どんな親子になるのか?その辺が見所でしょうか。

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【これまでの感想】
第1話「圭さんと瞳子さん」 第2話「ウエディング・マッチ」 第3話「なごり雪」
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Author : みっきー

★管理人:みっきー

★職業:宴会/映像ディレクター(フリーランス)

★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

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