花子とアン (第106回・7/31) 感想
NHK総合・連続テレビ小説『花子とアン』(公式)
第18週『涙はいつか笑顔になる』【第106回】の感想。
大正12年9月1日。銀座のカフェーで郁弥(町田啓太)から派手なプロポーズを受け、恥ずかしさのあまり店を飛び出してしまったかよ(黒木華)は、気を落ち着かせ店に戻ろうとしていた。大森の村岡家にいた花子(吉高由里子)は、庭で遊んでいた息子の歩とともに空を見上げ、見たこともないような大きな入道雲に驚いていた。そこへ平祐(中原丈雄)が訪れ、一緒にお昼ご飯にしようとした時、大きな地震が花子たちを襲う…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
こう言う大災害の描き方が一番嫌だなあ!
関東大震災と言えば、多くの人の心や記憶に残る、いや忘れることのできない歴史的事実だ。だから描くなとは思わない。むしろ風化させない意味でも描く意味や価値があるとさえ思う。ただ、本作の今回のような必然性を感じにくい軽率な扱い方は私は一番嫌いだし、つくり手のほくそ笑んでいる顔すら想像してしまう。
関東大震災まで“スーパー時間経過”の道具に使うか!
嫌気がさすほど本作に登場する“スーパー時間経過”。描くべきを描かず語りと字幕スーパーで都合良く時間経過させて、視聴者に脳内補完を要求すると言う、手抜き脚本と演出のことだ。
あっと言う間におでこに煤の汚れで、被災者表現終了!
例えば、地震発生直後にがれきの下で大勢の子どもたちが泣いていたが、これまで花子(吉高由里子)の暮らす街にこんな子どもがいると言う描写があったろうか。と思ったら、あっと言う間に色白で美しい花子のおでこに煤で汚れが。そのまま物語は花子の無事だった家でのプチ避難所でのシーンへ。
“想像のツバサ”が唐突過ぎる!
それ自体が悪いのではなく、、地震発生から童話を語り出すまでの花子の心理の変化が全く表現されていないのがおかしいと思うのだ。劇中では、視聴者の花子が小学校教師をしていて童話の創作が得意と言う既に脳内補完済みの情報を上書きする程度の薄っぺらな語りを入れただけで「なみだ」の童話を語り出した。
なぜ花子の母や妻としての内面を描かないのか?
確かに、他人の不幸をパワーにして創作意欲を沸かせるヒロイン像にブレは無い。しかし、子供らの親が引き取りに来るまでの、母親や妻としての思いは何一つ描かれず、夕方になったと言う時間経過だけでは、単にヒロインだけは不幸中の幸いだったで終わってしまわないだろうか。何の意図があってこんな表現を使うのか?
震災は、白蓮事件に飽きた作者の逃げ道だったのか?
その後も、予算の都合だろうがこれと言った映像も無く、英治(鈴木亮平)が淡々と周辺環境の状況説明して終了。また、“白蓮事件”で幽閉されていた蓮子(仲間由紀恵)のもとへ龍一(中島歩)が駆けつけ蓮子一家もあっさり解決。
むしろ、このために関東大震災を利用したのではないだろうかと言う位に、都合良すぎ。あれだけ無意味に且つ大量にブツ切れに描いて、こんな中途半端な終わり方とは呆れるだけだ…
地震雲のカットの訴求力の無さに幻滅…
こう言う雑なやり口が嫌なのだ。こんなに大きな史実を扱うなら、もっと丁寧に必然性をもって扱って欲しい。ただそれだけ。まあ、地震発生のテロップと語りの直前の入道雲のインサートカットの訴求力の無さを見れば、その後の10分の内容は予想できるわけだが…
あとがき
地震発生時の午前10時頃から、突然に今まで見たことの無いような黒い入道雲が次々と現れ、雲の境の一部が発光したと言われています。当時の人たちは、さぞ恐ろしかったでしょう。しかし、私は今日のあの地震雲のつもりの入道雲に全く恐怖を感じませんでした。雲がどうこうでなく、迫り来る時計のカットに依存した演出だったからです。どうして中途半端に史実を映像化するんでしょう…
『赤毛のアン』がどうこうと言う部分は置いておくとしたら、やり方次第でもっと普通に楽しめる朝ドラになりそうな気がするんです。でも、どんどん私の期待する方向と離れていっているのが残念で仕方ありません。
そして、今日最も気になったのが、一番最後の美輪さんの「ごきげんよう、さようなら」。今日は要らなかったと思う…
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【これまでの感想】
第1週「花子と呼んでくりょう!」
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第2週「エーゴってなんずら?」
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第3週「初恋パルピテーション!」
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第4週「嵐を呼ぶ編入生」
19 20 21 22 23 24
第5週「波乱の大文学会」
25 26 27 28 29 30
第6週「腹心の友」
31 32 33 34 35 36
第7週「さらば修和女学校」
37 38 39 40 41 42
第8週「想像のツバサ?」
43 44 45 46 中間総括 47 48
第9週「はな、お見合いする」
49 50 51 52 53 54
第10週「乙女よ、大志を抱け!」
55 56 57 58 59 60
第11週「グッバイ!はな先生」
61 62 63 64 65 66
第12週「銀座のカフェーで会いましょう」
67 68 69 70 71 72
第13週「その恋、忘れられますか?」
73 74 75 76 77 78
第14週「ゆれる思い」
79 80 81 82 83 84
第15週「最高のクリスマス」
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第16週「あなたがいる限り」
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第17週「腹心の友ふたたび」
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第18週「涙はいつか笑顔になる」
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