花子とアン (第95回・7/18) 感想
NHK総合・連続テレビ小説『花子とアン』(公式)
第16週『あなたがいる限り』【第95回】の感想。
吉平(伊原剛志)やふじ(室井滋)が甲府へと帰り、静かになった家の中で花子(吉高由里子)は、蓮子(仲間由紀恵)がいつ赤ん坊に会いに来てくれるだろうか、と待ちつづけていた。一方、赤ん坊に会いに行くのを口実にして、龍一(中島歩)との駆け落ちをいよいよ実行しようとする蓮子が、伝助(吉田鋼太郎)とともに東京入り。蓮子は伝助とともに食事をとりながら、伝助が出かけるタイミングを見計らっていた…
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
ついに我慢できず、語りでネタバレさせるとは!?
当blogでは今日から史実上の「白蓮事件」をアレンジした「蓮子劇場」になるのは予想済みだし、当blogでは“白蓮事件風”と表記をしてきたが、その内容については敢えて触れて来なかった。なのに、今日の早々開始1分半でこの語りが入った。
語り「ついに愛する人と駆け落ちをするのです」やっぱりやるのか。蓮子(仲間由紀恵)が一人盛り上がって先に進むのは勝手だが、作者が自らの胸の高ぶりを抑えられずに「駆け落ちをする」とまず結論を提示すると言うのは時期少々と言うのでなく、明らかにドラマを自らの手でつまらなくしているだけ。
私は中園ミホ氏の今作中の“蓮子への異常な愛情”は常軌を逸していると思っているが、劇中で「白蓮事件」を取り扱うかどうかを匂わせつつ視聴者には肩透かしを食らわせ、ヒロインの話に舵を切ると言うプロの脚本家としての冷静さに僅かな期待をしていたのだ。
だって、事件自体を知らない視聴者だっているだろうし、あちこちの事前情報で何となく知っていても結果や詳細は知らない視聴者も多いと思う。もちろん私同様に期待を裏切って欲しいと思った人もいるだろう。
しかし、こんなに唐突に明確に語りで「駆け落ち」と言っては、“これから始まる物語”の面白さも無くなってしまうと言うことに、作者は気づかない程に蓮子への愛は盲目なのか?
親子水入らず?吉平とふじと新夫婦も親子じゃないの?
冒頭から今朝は美輪さんの語りにぶっ飛んだ訳だが、メインタイル後にも気になる語りが入った。
語り「吉平とふじは甲府へ帰って行き、私の個人的な感覚としては、実の両親がいても“親子水入らず”だと思うのだがどうだろう。ここはさらりと「吉平とふじも甲府へ帰って行き、花子たちは再び静かな生活に戻りました」で良いのでは?
花子たちは親子水入らずの静かな生活に戻りました」
だって、来客中だって花子は家事も接客もせず翻訳の仕事をし、他人だろうと親だろうと自己中心的な生活を続けていたところしか描かれていないのだから。
それをわざわざ“親子水入らず”と加えることで、花子の腹心の友への親しみと会えない淋しさと“これから始まる裏切り?”を、強引に作者の秘技“脳内補完強制術”でおんぶに抱っこってことだ。どこまで視聴者任せなのか?
ついに動く紙芝居に美輪さんも全面協力しちゃった!?
『アナと雪の女王』の大ヒットにあやかりたいのか、ラストの3分半は美輪さんのオーケストラアレンジ付きの「愛の讃歌」をバックに、完全にミュージカル仕立ての動く紙芝居状態。
確かに、「ヨイトマケの唄(2012)」と「「ふるさとの空の下で(2013」」の紅白歌合戦での美輪さんのパフォーマンスは感涙級の素晴らしいものだったが、歌唱力云々以前にここで歌を使う、それも(おそらく)かなり若い頃の音源を使う必然性があるかどうか、今一度考慮して欲しかった。
もちろん美輪さんと言うより、作者と演出家に対しての問いである。まだ本作のヒロインがシャンソン歌手志望なら解らない訳でもない。しかし、そうでないのにこのような脚本と演出にするのは明らかに紅白での『あまちゃん』の柳の下狙いにしか思えない。
いくらなんでもあの背景映像を見せられて、朝ドラの視聴者としては「美輪さまの歌はいつ聴いても素晴らしい」と言う訳にはいかない…
あとがき
今日は、美輪さんだけで記事が書けました。もはや語り(語り役の歌も含む)が15分間の話題を独占してしまうドラマって、完全にヒロイン不在。以前にコメントで頂戴しましたが、絢香さんによる主題歌『にじいろ』の歌詞「これから始まるあなたの物語」の“あなた”って誰なんでしょう?
ネタ切れなのか迷走しているのか、それとも計算通りなのか、もはや主役不在状態ではその判断も難しい状態になって来てませんか。いずれにせよ「白蓮事件」を描くのは決定ですから、来週一週間は「蓮子劇場」でしょうね。ふーっ
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【これまでの感想】
第1週「花子と呼んでくりょう!」
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第2週「エーゴってなんずら?」
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第3週「初恋パルピテーション!」
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第4週「嵐を呼ぶ編入生」
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第5週「波乱の大文学会」
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第6週「腹心の友」
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第7週「さらば修和女学校」
37 38 39 40 41 42
第8週「想像のツバサ?」
43 44 45 46 中間総括 47 48
第9週「はな、お見合いする」
49 50 51 52 53 54
第10週「乙女よ、大志を抱け!」
55 56 57 58 59 60
第11週「グッバイ!はな先生」
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第12週「銀座のカフェーで会いましょう」
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第13週「その恋、忘れられますか?」
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第14週「ゆれる思い」
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第15週「最高のクリスマス」
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第16週「あなたがいる限り」
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