ディレクターの目線blog@FC2

本家「ディレクターの目線blog」の緊急時&トラックバック用ブログです。コメントは本家のブログへ!

●このブログは、本家ディレクターの目線blog』の緊急時&トラックバック用ブログです。

●記事の閲覧やコメントの投稿は、本家ディレクターの目線blog』をご利用下さい。


0

おやじの背中 (第1話・7/13) 感想

TBSテレビ系『おやじの背中』公式
第1話『圭さんと瞳子さん』(脚本:岡田惠和氏 / 演出:山室大輔氏)の感想。


圭太郎(田村正和)と娘・瞳子(松たか子)は、互いを‘圭さん’‘瞳子さん’と呼び交わし、仲良く2人で暮らしていた。ある日、瞳子は同僚の奥住(バカリズム)からプロポーズされる。しかし、誰とも結婚をする気がない瞳子はその場で断る。その夜、圭太郎が食中毒で病院に運ばれ、そのまま入院することに。病院から一人、家に帰ってきた瞳子は、激しい不安に襲われる。一方、夜中に病院で目覚めた圭太郎は家に駆け付ける。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

オムニバス形式の第1話らしいストーリーだった!

10人の脚本家と10人の演出家が創り出す10篇のオリジナルドラマ『おやじの背中』の第1話。どんな親子の話が登場するのかと思いきや、「親子の数だけそれぞれの親子関係がある。だからこんな親子もいるかもしれない…」と言う不思議な親子が登場。正に10組の親子を描くオムニバス形式の第1話らしい内容だった。

「Over the Rainbow」を歌うせつない瞳子が印象的!

冒頭から、まるで新婚夫婦のように互いを“さん付け”で呼び合い、仕事帰りに待ち合わせをしたりと、終始べったりの父・圭太郎(田村正和)と娘・瞳子(松たか子)。

そんな圭太郎が急に一晩入院することになり、一人家で過ごすことになった瞳子(松たか子)は「Over the Rainbow」を歌って気を紛らわそうとするが発作を起こしてしまう。

きっと、似た者親子ならではの虫の知らせなのだろう。圭太郎は夜中に病院を抜け出し瞳子のもとへ。せつない表情の瞳子が印象的だった。

なかなか不思議な親子関係の謎が明かされないのが良い!

その後、二人はお互いにやきもちを焼いたり、過剰にお互いの将来を案じたりと、普通とはだいぶ違った不思議な父と娘の関係が淡々と描かれる。「こんな親子いるはずない!」と思わせつつ、「どうしてこの親子はこうなったのか?」と先が気になる構成も巧みだ。

そして、いよいよ物語の核心に触れるかと思われた40分過ぎ。瞳子が伊豆の恋人の実家に一泊旅行すると言う。ついにずっと寄り添って生きてきた二人が互いの新たな未来のために大きな決断をする。

互いを傷つけまい心配させまいと思いながら、無言で二人が茶を飲むシーンも、その直後に挿入される真っ青な青空のカットも見事。ここで説明台詞や音楽を入れるのは野暮ってものだ。

ラスト10分。見応えあり!

「卒業しようとしてるんだよな、瞳子さんは」と亡き妻の遺影に話しかける圭太郎。鳴らない携帯電話と時を刻む柱時計を見て、どんどん娘が親離れしていく寂しさと喜びが複雑に交差していくのがわかる。きっと多くの視聴者が「このまま朝まで鳴らないで」と思ったに違いない。そんな45分頃、全ての謎が解き明かされる。

交通事故で母を失った孤独感からパニック障害になった娘、その娘とずっとそばにいると誓った父が、互いをさん付けで呼び合うことで、まるで似た者夫婦のような関係になり、妻(母)を喪った悲しみを癒し、共に支え合って生きてきたのだった。

悲しい境遇を一緒に生きてきた親子の二人三脚が大きな一歩を踏み出す!

ついに夜が明けるまで携帯電話が鳴ることは無かった。そして、いつものように圭太郎が川でコーヒー用の水を汲んでいると、瞳子が伊豆から帰ってくる。子どもたちが「こんにちは」と挨拶しているから朝で無い。そう、瞳子は夜が明けたら一時も早く父のもとへ帰って来たのではないのだ。朝でも夕方でも無いのがこの親子らしいし清々しくもある。

そして瞳子は結婚したいと告げる。「おめでとう。大人になったんだな」と微笑む圭太郎の手を瞳子がそっと握るカットは、林道を手をつないで歩く親子の後ろ姿。だんだんと小さくなっていく二人の背中の大きさは、もう見た目にあまり変わりはない。

しかし、きっとこの一晩で、“おやじの背中”はほんの少しだけ小さくなり、“むすめの背中”はちょっとだけ大きくなったと思う。そんなことを感じさせるラストの“おやじの背中”の魅せ方も自然体で良かったと思う。

あとがき

“当て書き”でななかったのか?と思ってしまう程に、5人の俳優さんが見事に演じきったと言う感じです。

もちろん、視聴者に興味を持たせつつ焦らしつつで最後にストンと落とす脚本も良かったし、BGMを極力使わず、松さんの生歌やCDの音や川のせせらぎなどで、ドラマらしい楽しさと作り物臭さの排除が上手くいった演出も良かったです。

もしかしたら35~40分くらいの時間枠だったら、もっと少し物語に締りが出てくるので、更に余韻が残ったかもしれませんが、今回は日曜の夜に家族みんなで観て楽しめるドラマと言うことで、わかりやすい丁寧な表現になったのだと思います。次回も楽しみです

ブログランキング・にほんブログ村へ 人気ブログランキングへ くる天-人気ブログランキング


     

★ケータイの方は下記リンクからご購入できます。
ドラマな人々 岡田惠和とドラマチックな面々
最後から二番目の恋 完全ノベライズ
スターマン・この星の恋 完全ノベライズ
ビーチボーイズ DVD BOX


★本家の記事のURL →  http://director.blog.shinobi.jp/Entry/5799/
★FC2ブログへトラックバックが送信できない方へ → コメント欄に、ブログ名、記事のタイトル、URLをご記入下れば、確認次第公開させて頂きます。お手数をお掛けします。
なお、【Seesaaブログ】http://dmesen.seesaa.net/article/401699095.html でも、TB受付けております。

関連記事
スポンサーサイト



コメント

非公開コメント

トラックバック

「おやじの背中」10人の父親1娘の病気を理解してくれる人が現れ父親は快く娘を送り出した

7月13日スタートのドラマ「おやじの背中」を視聴した。 このドラマは10回に分けて違う脚本家と出演者で それぞれのおやじの背中を脚本していく1話完結ストーリーである ...

おやじの背中「圭さんと瞳子さん」

10人の脚本家と10組の俳優でおくる連続した単発ドラマ。脚本家の池端俊策、井上由美子、岡田惠和、鎌田敏夫、木皿泉、倉本聰、坂元裕二、橋部敦子、三谷幸喜、山田太一が、父と子供をテーマにした対立や邂逅などを1話完結のストーリーで描し、父と子供をテーマにした対立や邂逅などを1話完結のストーリーで描く、のだそう。キャスティングも、大泉洋、田村正和、西田敏行、役所広司、満島ひかり、渡瀬恒彦、中村勘九郎...

おやじの背中 第一話

『圭さんと瞳子さん』 内容 朝から、弁当と朝食を作る樋口瞳子(松たか子)。 それを手伝う父・圭太郎(田村正和) そして。。。。「いただきます」 テレビを観ながら、2人は、いつものように、何気ない会話をする。 「行ってきます」 「いってらっしゃい」 小さな出...

おやじの背中

第1話 「圭さんと瞳子さん」

日曜劇場【 おやじの背中 】第1話 『圭さんと瞳子さん』 感想 岡田惠和×田村正和×松たか子 の回

自然の法則でいえば、私の方が先に死ぬわけじゃないですか。 そうなったら瞳子はどうなるのか。 あの家で独り年老いてゆく。その姿を想像するとね。 何かね… たまんない気持ちになってくるんですよね。 おやじの背中 第1話 『圭さんと瞳子さん』      ラインナップ記事にも書いたけれども、今期のTBS日曜劇場枠は連ドラを捨てて脚本家と 役者が毎回違う1話完結...

おやじの背中 第1話

東京の郊外の雰囲気の良い場所に建つ一軒家で、圭太郎(田村正和)と瞳子(松たか子)が暮らしています。 毎朝、朝ごはんとお弁当をきちんと作る瞳子。 圭太郎は、家の前のきれいな水でコーヒーを入れるのが日課のようです。 圭太郎と瞳子は夫婦のように仲良しですが、実は親子なんですね。 互いを「圭さん」「瞳子さん」と呼んで35年になるようです。 圭さんは、未だに結婚のことを口...

おやじの背中 #01

『圭さんと瞳子さん』

おやじの背中 第1話「田村正和×松たか子」★娘の背中

おやじの背中 第1話「田村正和×松たか子」 〜圭さんと瞳子さん〜 母を亡くした交通事故が原因の「パニック障害」を持つ瞳子 (松たか子) と、父・圭太郎 (田村正和) の静かな物語。 −◆− ちょっとしたきっかけで彼氏が出来た瞳子 (松たか子) 。 デートに出かける瞳子の背中を見送る圭太郎・・・。 父親の切なさ。 お泊まりデートから帰って来て「私 重松さんと結婚したいです...

おやじの背中 第1話:圭さんと瞳子さん/岡田惠和

ええ話だった・・・(┯_┯)うるる 瞳子さん、ステキな人に出会えてほんと良かったね・・・ 父と娘でありながら、圭さん、瞳子さんと呼び合う親子。 そのちょっと他人行儀な呼び方から、もしかしたら血の繋がらない親子なのかなと 思ったりしたけど、家族の情にあふれた素晴...

『おやじの背中』第一話

田村正和が大好きっていう贔屓目を抜きにしても良いドラマだったと思う。 オムニバスだからもう田村正和は出てこないけどね。 田村正和は年取ったけど、声は復調した気がする。 ...

おやじの背中第1話(7.13)

毎回脚本家が違うオムニバス形式のホームドラマ 脚本家さんによって、ストーリーの質に差が出そうですな。 初回は岡田惠和脚本 パニック障害の娘瞳子@松たか子を持つ父圭太郎@田村正和が 老いへの不安から娘の親離れを願いつつ、寂しく感じるさまを描いた話 イイスタートだったね。ほんのり優しい空間のストーリーでした。 小津安二郎監督作品『晩春』を思い出した。 『晩春』は・・・仲良く二人で暮らしてきた父娘...
My profile

Author : みっきー

★管理人:みっきー

★職業:宴会/映像ディレクター(フリーランス)

★略歴:東京下町生まれ千葉県在住。ホテル音響照明映像オペレータ会社を経て、2001年独立。ホテルでイベント、パーティー、映像コンテンツ等の演出を手掛ける。活動拠点は都内と舞浜の有名ホテル等。

★ブログについて:フリーの宴席/映像ディレクターが、テレビ,映画,CM,ディズニー,音楽,仕事等を綴ります。記事により毒を吐きますのでご勘弁を。

PR


TB送信について

一部のブログサービス(特に、FC2ブログ)宛に、FC2からトラックバックが届かないケースが発生中です。

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村  PVアクセスランキング にほんブログ村

楽天市場PR

カテゴリー+月別アーカイブ

 

検索フォーム

PR

FC2カウンター

FC2オンラインカウンター

現在の閲覧者数: