[読書]なにを食べたらいいの? (安部司/著・新潮文庫) 感想

2008年に安部氏の講演を聞いた!
私は2008年に著者・安部司氏の講演を聞いたことがある。その時のことは『食品添加物博士・安部司氏が語った日本人のダメ食文化』に詳しく書いた。それ以降安部氏の著書は全4冊拝読しているが、今回は初版2009年の本書が新潮文庫として安価になったので、改めて紹介しようと思う。
著者が食品会社を辞め、食品ジャーナリストになった理由
本書は、著者の長女が3歳の誕生日に、自らが開発した“肉団子”が食卓に並び、それを家族が美味しそうに食べているのを見て、翌日会社に辞表を出したと言う著者が、「うちの子どもにこれを食べさせたら大丈夫」と安心して食事を作ってもらいたいと願って書かれた本だ。
因みにその“肉団子”は、食品添加物と言う“魔法”がとけたら、本来ならペットフードにしかならない低級のくず肉と言う代物だったそうだ。
第三章の「アベ食品の戦略」がゾッとするほど面白い!
本書で最も興味深く面白いのが、第三章「見えなくなっている添加物」の「アベ食品の戦略」だ。著者がお惣菜会社の社長と言う設定の架空の話で、売り上げを上げたいスーパーやパン屋に言葉巧みに自社製品を売り込むくだりや、違法にならない範囲で研究員と新商品を作り出す過程は、読んでいるだけでゾッとする。
普通なら、この章を読んだ日から、スーパーのお惣菜やコンビニのおにぎりやパン屋のサンドイッチを見る目がガラッと変わると思う。因みに私は2008年の聴講以降、コンビニの弁当やおにぎりやサラダの類はほぼ口にしていない。
おかしいと思うものは止めておけ!
では、何を食卓に並べれば良いのか?の答えは、第五章にある。詳細は是非本を読んで欲しいのだが、簡単に書くと「おかしいと思うものは止めておけ」だ。見た目、裏ラベル、宣伝文句など何でもいい。自分の感覚やイメージを信じて、おかしいと思ったら手を出さないことが一番大事だと。
「本わさび入り練りわさび」と「練わさび」があれば、「練りわさび」が本物でないことは解る。また、秋に店頭に並ぶおにぎりに「新米入り」のシールが貼ってあったら、そのシールが貼ってないおにぎりは古米だと解る。本書には他にも例が挙げられており、確かに「おかしい」と感じることから始めるのが早そうだ。
あとがき
「伝統的な日本の田舎料理を食べるように心がけよう」と著者は書いています。できれば有機野菜を選び、古くからある定番の調味料で自宅で作れば、かなりの食品添加物を抑えられると言います。でも食生活からすべての食品添加物を排除するのは難しいですし、忙しい時などはスーパーのお惣菜に頼ることもあると思います。
ただ、その商品を手に取る時、本書を読んでいたら、2つ買うのを1つにして、あとは家で何か一品作ろうと思うかもしれません。そんな小さなことから「なにを食べたらいいの?」かを考えて行けば良いと思います。
それと、最後に書いておきますが、安倍氏やその著書について批判的な意見や考え方もたくさんいますあります。ここでは具体的な例を挙げませんが、ネットでくぐればすぐに見つかるはずです。ですから、あとはご自身の判断で読んでみて下さい。ついでになりますが、私は自分の身は自分で守ろうと思うので参考になりました。
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