[読書]著作権法がソーシャルメディアを殺す (城所岩生 /著・PHP研究所) 感想

ガラパゴス化する日本の著作権法を考え直そうと言う本だ!
日本の著作権法があまりに権利者保(擁)護に偏っているがために、インターネットのビジネスやテレビ配信などが、諸外国に後れを取っていると言うところが導入。そこから、世界は利用目的が構成であれば許諾は不要と言う“フェアユース”がトレンドだと話は進んでいく…
日本の著作権法の問題点を考えるには最適な一冊だ!
タイトルはやや刺激的すぎるように思う。内容の多くは、加速的にガラパゴス化する日本の著作権法の愚かな部分や問題点を著者の視点で浮き彫りにし、世界標準との比較から、著作権法改革の提案へ着地する。やや論文的な硬い文体で少し読み難さも感じるが、読めば得るものはあると思う。
実用的にネットでの○と×を知りたいなら他の本を!
ツイッターで歌詞をつぶやくと有料、違法ダウンロードで2年以下の懲役か200万円の罰金、パロディ作品は認めない、と言ったいわゆる私たちが日常的に使うソーシャルメディア、要はネットででやって良いことと悪いことも書いてある。が、それらを知りたいなら他の本を選ぼう。
あとがき
確かに著者の意見に納得する部分は多いです。では、日本の著作権がずっと前から世界と同じだったら、日本からGoogleの検索精度やYahoo!の使い勝手の良さを上回るものが出来たかどうかと言う論には、疑問を持ちます。
なぜなら、ゼロからものをつくる時に自由度が高ければ高いほど優れたものが出来るとは限らないと思うからです。がんじがらめの中から這い上がるようなエネルギーで創り上げることも多いと思います。それに国民性によって得手不得手なジャンルもあるでしょうし。
ただ、日本人の著作権に対する考え方は、ルール整備が中途半端なので曖昧のまま来ているのは良くないと思います。私も物をつくる人間の端くれなので、下記に過去に読んだ“実用的でわかりやすい著作権の本”を挙げてみましたので、参考になさって下されば幸いです。
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★ケータイの方は下記リンクからご購入できます。
ネットでやって良いこと悪いこと
60分でわかる! 図説 著作権 (ディスカヴァー携書)
デジタル時代の著作権 (ちくま新書)
著作権で迷った時に開く本 Q&A イラストレーターのための法律相談
★本家の記事のURL → http://director.blog.shinobi.jp/Entry/5677/
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