死神くん (第7話・6/6) 感想
テレビ朝日系『死神くん』(公式)
第7話『芸能界女帝バトル…!?栄光の人気歌手の最期の歌』の感想。
なお、原作(えんどコイチ氏による漫画)は未読。
元売れっ子シンガー・ソングライターのゆかり(清水くるみ)は悪魔(菅田将暉)と契約し、新曲を最大ヒットにしてくれと頼む。ゆかりの新曲は今までで一番売れるが、ゆかりに憧れデビューしたAMIには勝てない。死神(大野智)らの制止も聞かず、ゆかりは再び悪魔を呼び、AMIを陥れるよう依頼。AMIはゆかりの曲の盗作疑惑に巻き込まれる。だが盗作話はうそで、実はゆかりの方こそゴーストライターに曲を作らせていた。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
あの瞬間、座っていられなかった!
ゆかり(清水くるみ)の手が死神(大野智)の手からスルッと抜けた“あの瞬間”、座って観ていた私はつい立ち上がってしまった。こんなことは滅多に無い。なぜ立ったのか解らないが、胸の奥で何かが大きく揺れたような、そんな感じだったと思う。今回はその理由を考えてみようと思う。
死神の出番は少なくなっても、悪魔がいた方が面白い!
やはり、悪魔(菅田将暉)が出ると本作に深みが出るし、幅も奥行きも出て来る。正に「死神VS悪魔」と「生VS死」と言う二つの対立構造が描かれれば描かれる程に、「生き続けるとは何なのか?」「死に急ぐとはどう言うことか?」を改めて考える機会さえ与えてくれる。やはり生と死は表裏一体として描かれた方が、本作に相応しいと思う。
今回の本当の物語の主役は、“死神くん”だ!
自らの手で自らの死へ追い詰め(られ)ていくゆかりの先細りの心を、何とか止めようと悩み苦しみ奮闘するが敗れてしまう死神くんが、今回の本当の主人公だと思う。
実は第6話までは、比較的に話全体の面白さが勝っていた部分もあるにはあるのだが、今回は死神くんの心理描写に絞り込んだ脚本・構成が良かった。もちろんそれに堪え得る大野さんの存在感や演技も見事だった。
映像化しにくい“歌”と言う題材を上手く描いた!
原作は未読だが、映像化したくなるようなプロットだと思う。しかし、俳優が歌手を演じると言うのは正直難しいし、観ている方も恥ずかしくなりそうだしと、映像化にためらいそうな話でもある。
しかし、それら邪念を跳ね除けて映像化した価値はあったと思う。ゆかりの歌がAMI / 中野亜美(唯月ふうか)を導き、ゆかりとAMIの歌が新たな歌手を目指す心を導くくだりは、歌と言うものの底知れぬ力を上手く表現したと思う。
ラストの二人の歌のブツ切れになるシーンはお見事!
映像的に印象的だったのが。二人の歌が流れるエンディング。悪魔の「生きてて良かった人間なんて、ほんの一握りじゃないのかなあ」と言う台詞の直前で、歌がカットされたあのシーンだ。
妙に説得力のある悪魔の台詞を際立たせた上に、その時の死神くんの何と言えない怒りと悲しみと苦悩の入り混じった複雑な表情をきちんと魅(見)せるための編集と言う名の仕掛け。見事である…
あとがき
今朝早くから仕事で疲れて帰宅したところで、急いで録画を観たのですが、本当に歩くのも嫌な位に疲れていたのに“あの瞬間”は立ち上がってしまいました。“あの瞬間”までの演出も演技も良かったから、身体が反応してしまったのだと思います。うーん、ホント本作は毎回素晴らしい仕上がりだと思います。
本作を観終えると、死神くんに会ってみたいなと思ってしまいます。死神に出会うと言うことはそう言うことなので、望んではいけないことなのですが、やはり死神くんに興味を持ってしまう、そんな番組のファンの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
最後になりますが、第6話の記事に160超える拍手を頂き、本当にありがとうございます。仕事の疲れも吹っ飛びます。そして、まだ本作を観ていない人たちに、このドラマの面白さを伝えたいと思います。これからもよろしくお願いします。
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日経エンタテインメント! 2014年05月号[雑誌]
TVライフ Premium (プレミアム) Vol.9 2014年 4/30号
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