[読書]伝え方が9割 (佐々木 圭一 /著・ダイヤモンド社) 感想

“伝え方が9割”とは、“ものは言いよう”ってこと!
同じことを相手に言うなら、こう言う言い方に変えれば、より相手の印象に残るよと言う方法が解り易く読み易く書いてある本である。タイトルの『伝え方が9割』とは、正に諺の“ものは言いよう(=同じことでも、言い方によって良くも悪くも受け取られる。 )”の良いほうだけに特化したノウハウと言うことだ。
すぐに使える「強い言葉」が作れるようにはなる!
こんな例が載っている。自宅の前が放置自転車でいっぱいになった時の看板のメッセージだ。
[×] 自転車を置かないで欲しいこの類のメッセージは、男性トイレによく書いてある「あと一歩前へ」とか、節電啓発の貼り紙で「一緒に電気を消しましょう」的な表現で、要は自分の気持ちを直接表現せず、相手の心に踏み込んで逆説的に訴える手法。
[○] ここは自転車の捨て場です!
このような例は意外と使えるから、本書にある3つの思考プロセスを読めば、誰でも簡単に書けるようになると思う。そして、自分の意図することがより強く伝わる「強い言葉」が作れるようになると思う。
“相手を制御した者勝ち”的な部分に違和感が…
ただ、私が気になるのは以下のような例文だ。
[×] 残業出来る?確かに、正解例でお願いされたら断りにくい。そう、この表現は私にとっては伝わっているのではなく、断り辛く部下をコントロール(制御)しているように思えてしまい、正解とは思いたくないのだ。上手い言い回しなのは認めえるが。
[○] きみの企画書が刺さるんだよ。お願いできない?
本書には、このような「人を思い通りにコントロールした方が勝ち組だ」的な雰囲気が時々顔を覗かせる。確かに騙している訳では無いが、デートの誘い方のくだりはそれが顕著だったのが残念。
[×] デートして下さい!私がロマンチストなのか非現実主義者なのかわからないが、やはり恋愛は「相手を落とす」的なアプローチでなく、純粋な想いから「一緒に美味しいパスタの店に行かない?」で良いと思うのだが…
[○] 驚くほど旨いパスタの店があるんだけど、行かない?
あとがき
本書は、“効率的に”自分の気持ちを伝え、“上手に”相手を動かす言葉を作るテクニックが書いてあります。それ自体が悪いと思いませんが、あくまで言葉遊びやコピーライティングのような表面的で一時的な効果を目的としたものだと感じました。ですから、もしあなたが言葉によるコミュニケーションにお悩みなら本書には解決策は無いと思います。
例えば、読み忘れないで欲しいメモ書きや埋もらせたくないメールのタイトルなどに利用するのが最適だと思います。正に、伝える力の強い言葉が書けるようになる本なのですから。この使い方限定で★4つにしました。
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