死神くん (第4話・5/9) 感想
テレビ朝日系『死神くん』(公式)
第4話『神の選択!!密室火災…取り残された5人の運命は!?』の感想。
なお、原作(えんどコイチ氏による漫画)は未読。
人名の記述がない死亡予定が入り、死亡時間はわずか4時間後。死神(大野智)は対象者がいるホテルの部屋に向かう。部屋には看護師の真奈美(臼田あさ美)と医師の雄司(平岳大)がいた。そこへ宿泊客で呼吸器疾患の子ども・亘(押場大和)を連れた洋子(佐藤仁美)が現れ、さらに人を殺したという五郎(安田顕)までやって来る。死ぬのは1人だけの予定で、死神は困惑する。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
よくぞ深夜の1時間ドラマに濃厚な人生を詰め込んだ!
物語は、人名の記載の無い死亡予定を“誰か”に告げるため死神(大野智)がやって来たそのホテルの一室には、偶然居合わせた5人がいたが、既に火災で中から容易に出られなくなっていた。誰も助からないように思える環境だが、5人の内で死ぬのは1人だけと言う…
恋人同士の強い絆、母の子を思う深い愛、仕事への使命感、そして、死が迫る極限での見難いエゴのぶつかり合い、生きることへの執着など、僅か1時間の深夜ドラマに、見事に、人間の様々な立場の違いによる“残りの人生”を詰め込んできたかと感心してしまった。
お茶目で魅惑的な“死神くん”が言うからこそ!
残りの人生の時間が刻々と短くなる中で、5人はどんどん極限状態に陥り、やがて正常な判断もつかず、半ば自暴自棄になり、悪魔(菅田将暉)に魂を売ろうする人間まで出て来る。そんな時の死神の台詞がこれ。
死神「死は運命で決まってます。一般的な“死神”と本作中の“死神くん”の最大の違いは、想定外の死者を出すことを阻止しながら、死を迎える人々をじっと見守ること。むやみに命を軽視する人間に対して戒めさえ叫ぶのだ。この台詞で、フランスの作家アンドレ・マルローの言葉「死を考えるのは死ぬためじゃない、生きるためなのだ」を思い出した。
しかし“生”は、どんな状況で生き残るかは、
何も決まってないです。(中略)
どんな風に残りの人生を生きるか、
自分たちで切り開かないとダメなんです」
“死神くん”の言葉もマルローの言葉に負けず劣らず強くて厳しいのだが、“俳優・大野智”が演じるあのお茶目で魅惑的な“死神くん”が言うと妙にすんなり受け入れられるのも、ゲストを含めた演者たちの演技の賜物だと思う。
数少ない台詞だからこそ“死神くん”の思いが伝わる!
中盤にヒーローは登場したものの、結末はなかなかシュールで感慨深いものとなった今回。結局亡くなったのは“名もなき命”と言うことだろうか。何とも切なくてやるせない人選となってしまったのだが、ここでまた“死神くん”の台詞に救われる。
死神「お子さんの魂は、この難しい結末を、上手い具合に“ブラックファンタジー”として締めくくったと思う。台詞自体の出来も良いのだが、それを喋る大野さんが、出過ぎず必要最小限の出番で見事に“死神くん”を魅力的な存在に仕上げてきていると思う。
私が責任をもって天界へ送り届けます」
あとがき
まず、第3話の記事に170を超えるWeb拍手を頂きありがとうございます。今回も大野さんのファンの方が多く拍手を下さったのだと推測します。今回は更に大野さんの出番が少なかったのは残念でしょうね。でも、今の大野さんだからこそ演じられる“死神くん”ですから、しっかり観て楽しみましょう。(って私が言うことではないですね・謝)
さて、今回は“悪魔”が効果的に物語に活用されていたのと、中堅サラリーマン的な悲哀を含めた現代社会風な死神の世界の両方が上手く描かれていて、本作らしさが溢れた回だったと思います。
「死神VS悪魔」でもうちょっとドロドロしても面白かったかもしれませんが、“死神くん”のラストの台詞「いや、勝ったのは人間だ。俺は勝ってない…」の効果を考えると、中盤もあれくらいのさっぱりさで良かったと思います。ブラックでシュールだけどどこか美談ってのが本作らしいので。
次週に期待…と思ったら休みだそうです。再来週に期待します。
★ケータイの方は下記リンクからご購入できます。
死神くん 1 (集英社文庫―コミック版)
日経エンタテインメント! 2014年05月号[雑誌]
TVライフ Premium (プレミアム) Vol.9 2014年 4/30号
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