死神くん (第3話・5/2) 感想
テレビ朝日系『死神くん』(公式)
第3話『あの海へ…余命2日の令嬢と愛の逃避行~死神vs悪魔』の感想。
なお、原作(えんどコイチ氏による漫画)は未読。
死神(大野智)が死神手帳を捜すうち、悪魔(菅田将暉)が人間界に侵入。主任(松重豊)は死神に悪魔を退治するよう命じる。そのころ人間界では、悪魔が桐嶋(柄本時生)に、魂と引き換えに願いを三つかなえると持ち掛けていた。一方、死神は会社社長の娘・瞳(杉咲花)に2日後の死を告げる。病弱でほとんど外出したことがない瞳は、死神に自由に出歩きたいから協力してほしいと頼む。家を抜け出した瞳は、街で桐嶋に出会う。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---
まさか、“純愛物語”で泣かされるとは!
父親との関係が歪んだ死が迫る少女と、何もかもうまく行かず自暴自棄の男が、それぞれ死神と悪魔に憑りつかれ…と言った話だった。前回のメリハリが効いたテンポある話に比べると、若い視聴者は物足りなさを感じたかもしれない。
それに流れに於いては首を傾げる部分が無かった訳では無い。少々都合良く話が展開する傾向も強まってるし、しかし、それらに目をつぶっても、久し振りにまともな“泣ける純愛物語”を魅せてもらったような…
金曜の夜に何とも奥深い話を上手く描いたものだ!
すべてを諦めて生きてきた少女が、悪魔に言い渡された“残りの時間”を懸命に生きようと動き出す。一方で、悪魔に“残りの時間”を売ってまで楽しい思いをしたかった男が、最後には命とは何かを悟り、生き続ける道を選ぶ。うーん、なかなか奥深い話だ。原作があるとは言え、良く仕上がっていたと思う。特に以下の部分は…
少女の“一瞬”を描いた物語らしい、秀逸な脚本と演出!
そして脚本・演出的に良かったのが、少女と家族(特に父親)を絡めなかったこと。普通なら父親が強引に連れ戻そうとするシーンなど入れたくなるはずだ。しかし、今回は人生の最後に“恋”を知るために“残りの時間”を使い切ることを決意した少女の“一瞬”を捉えた物語。だから、少女は家族なんか顧みることなど無いのだ。
大野さんの“死神”が創る世界観がいい!
今回の物語の主役は、瞳を演じた杉咲花さんと桐嶋を演じた柄本時生さんだ。2人の演技は見事だった。
しかし、本作の主人公である死神を演じた大野智さんの演技は、2人が創り出す世界観を邪魔しないのが良い。また、死の恐怖を感じさせずに信じ込ませたりお節介を焼いたりする軽妙な語り口、あのちょっと変わった喋り方も人間らしさを薄めているし、出来の良くないサラリーマンの雰囲気も兼ね備えて、大野さんにしか創れない死神になっていると思う。
もちろん、松重豊さんと菅田将暉さんが醸し出す死後の世界の不気味さも良かったし、桐谷美玲さん演じる監死官のウザさも今回は程良く馴染んでいた。第3話でここまで完成度が高ければ、あとはゲスト次第でどんどん面白くなるに違いない。
あとがき
第2話の感想記事に100以上のWeb拍手を頂きありがとうございます。きっと大野さんのファンの方の拍手が多かったと思います。で、記事にも書きましたが、今回の物語は若い人には少々物足りなかったかもしれませんね。主役の大野さんの出番も少ないですし。でも、そこがまた良いのです。効果的にピンポイントで登場するから、あの特徴的な演技と存在感が活きてくると思います。
さて、今度は一般の視聴者向けに一言(ってどう言うこと?)。金曜の夜にかなり“深いい話”だったと思います。とりあえず健康に中年まで生きてきた私には、少女が最後の命の炎を燃やす一瞬の輝きとせつなさの物語に感動しました。いやあ、今回もブレることは無かった「深くて切なくて考えさせられる、正にブラックファンタジー」だと思います。次回も期待します。
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死神くん 1 (集英社文庫―コミック版)
日経エンタテインメント! 2014年05月号[雑誌]
TVライフ Premium (プレミアム) Vol.9 2014年 4/30号
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第1話 第2話
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