芸能人格付けチェック2014 お正月SP 「演出」問題を考える
2014年1月1日に放送されたテレビ朝日『芸能人格付けチェック!これぞ真の一流品だ!2014お正月スペシャル』(公式)内の [演出]の問題 の感想。
今回も偉そうに書いておりますので、それを承知でお読み頂ければうれしいです。それと清水崇監督のファンは読まない方が無難だと思います。
どっちが観客を楽しませる工夫をしているか?
今回の「演出問題」の脚本も手掛けたプロ監督は清水崇氏。清水氏のテレビドラマや映画はそれなりに観ているが、好き嫌いで言うと正直あまり好みで無い。と言うことで、今年も判断基準は、“どちらがプロらしい手法や技法を使って、観客を楽しませる(飽きさせない)工夫をしているか”に絞り込んだ。
今年も、「A」の冒頭20秒で答えは想像できる!
私が作品を評価する時にまず気にするのは、いわゆる“ツカミ”と言う部分だ。本問題の映像尺は毎年約3分間と決まっている。となると、ある脚本と演出のセオリーを当てはめると、冒頭1/10まで(この問題では18秒間と言うことになる)に観客の心を“ツカミ”取らなければいけない。
その目線で「A」を観れば、「B」を観るまでもなく答えは出る。もちろんプロ監督がプロとしての仕事をきっちりしていると言う前提だが。なぜなら「A」の監督は30秒近くになっても、観客に「暗がりと犬の鳴き声と女のうめき声」の情報しか与えていない。従って、「これから何が起こるのか?」と言う興味関心を抱かせる次元に達していないのだ。
そして、「B」を観る。夜にテレビを点けっぱなしにして寝てしまった女がヌクッと起きて、二日酔いなのか頭痛の様子で手紙らしきものを手にするまでが、約20秒。この時点で「こらから何か起きそう」な予感をさせるに十分な情報提供がある。
更に手紙を持ってるカットから、カットを変えず1カットのまま回想シーンまでピッタリ30秒。当然この先が観たくなるのは「B」だ。因みに「A」で置手紙のアップが出るのは30秒以上経ってから。
大切なのは全体のメリハリ感と、脚本の理解力かも?
あとは、2作品を観終えてみれば、「A」で勢いがあるのは乾杯のグラスの重なる音くらいなのに対して、「B」はその如何にもドラマ的な乾杯の派手さに合わせて、最後のケチャップのオチも派手目になっており、全体にメリハリがある。
要は、「B」の方が脚本の面白さを忠実に、且つメリハリをつける形で映像化しているが、残念ながら「A」はアップショットや音に拘っているものの、脚本の芯の部分へのアプローチは消極的で終わってしまったと言うこと。でも、
あとがき
今回は西川きよし監督がフリだったように思います。コメディや恋愛モノならもっと違った結果になったかもしれません。でも、今年も面白い問題でした。
今年も「30億円二重奏」と「演出」の2問は正解できて良かったです。それと「1億円盆栽」も正解できました。これで宴会の音楽と生花装飾と映像関係の仕事に少しは自信が持てます。間違えたら二度とお客さまに大きなことは言えないですから。
★ケータイの方は下記リンクからご購入できます。
映像演出の教科書 (玄光社MOOK)
映像の原則 改訂版 (キネマ旬報ムック)
キネ旬総研エンタメ叢書 「おもしろい」映画と「つまらない」映画の見分け方
怪談新耳袋 殴り込み [DVD]
★本家の記事のURL → http://director.blog.shinobi.jp/Entry/5115/
★FC2ブログへトラックバックが送信できない方へ → コメント欄に、ブログ名、記事のタイトル、URLをご記入下れば、確認次第公開させて頂きます。お手数をお掛けします。
【当ブログ(本家)内の関連記事】
芸能人格付けチェック2013 お正月SP 「演出」問題を考える
芸能人格付けチェック2012 お正月SP 「演出」問題を考える
芸能人格付けチェック2011 お正月SP “演出”問題を考える
芸能人格付けチェック2010 お正月SP:"演出"の問題に違和感
テレ朝「芸能人格付けチェック2009」の「音感・演出・華」は外せない!
- 関連記事
-
- SWITCHインタビュー 達人達(たち)「美輪明宏×中園ミホ」(2014/9/15) 感想 (2014/09/15)
- 刑事ドラマのココが間違っている!「ジョブチューン警察スペシャル」 (6/28)感想 (2014/06/30)
- 芸能人格付けチェック2014 お正月SP 「演出」問題を考える (2014/01/02)
- あまちゃん 関連番組情報(9/20~9/23)※追記あり (2013/09/19)
- 名もなき毒 (第6話・8/12) 感想 (2013/08/13)