ディレクターの目線blog＠FC2

NHK総合・連続テレビ小説『あまちゃん』（公式）
第23週『おら、みんなに会いでぇ！』 [第134回]の感想。

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東日本大震災の混乱が続く中、大吉（杉本哲太）を中心に北鉄を復旧すべく懸命の努力が始まる。TVを通して伝わって来る故郷の様子に心揺れるアキ（能年玲奈）。だが、自らを奮い立たせ、アイドルとしての仕事を必死で続ける。
---上記のあらすじは[Yahoo!テレビ]より引用---

被災者の心の声、いや叫びかもしれない！

冒頭でのアキとユイの電話での会話のユイのこの台詞、

ユイ「もう行けない。怖くて行けない。アキちゃんが来てよ」

これをきっかけにアキが北三陸に行くのだろうが、今日取り上げたのは別の意味で。結局、ユイは（呪われたとも言えそうな）度重なる不幸の運命と、今までに体験したことのない震災の恐怖に、頭も心も中身が空っぽになり、絶望感や無力感に襲われたのだろう。
この一言が、多くの被災者の当時の気持ちを、簡潔に表現していると思う。

北の海女の心意気に涙…

夏ばっぱからアキ宛ての2通のメールも、被災者としての夏ばっぱの気持ちを、簡潔に上手く表現していた。最初は北三陸のみんなの無事を知らせるメール。

タイトル「みんな無事」
本文「御すんぱいねぐ」

次は、アキが夏に「今年の夏は潜らないよね？」との問いに

タイトル「無題」
本文「お構いねぐ」

と、どちらも数えるほどの文字数しか使われていないが、すぐに返信が返ってくることなどから、一人で心細い中で、気丈に振る舞う北の海女らしい気丈な性格や、自分のことより分かれて住む東京の娘たち家族をを心配する北の海女の優しさが伝わってきた。流石、海女クラブ会長、根性が座ってるだけに感動的なメールだった。

朝ドラ内で「ドラマが無くても」と言うこと…

春子(N)「ドラマや映画や歌が無くても人は十分生きていける…」

春子のこのナレーションは事実なのだ。震災当初はテレビもラジオもインターネットも、そのニュースや情報ばかりが流れていた。しかし、どんどん空しさと言うか絶望感だけが肥大した自分がいたのを覚えているし、そこから抜け出したのは、いつも見ていたドラマや歌番組の再開だったと記憶している。
だからこそ、朝ドラで、NHKで、このナレーションを書く意味は大きいと思う。

あとがき

昨日から「ドラマの登場人物たちが東日本大震災を経験する朝ドラ」になりましたね。北三陸鉄道（本当は三陸鉄道北リアス線）が震災から僅か5日目で再開した事実は知っていました。

しかし、大吉や吉田やストーブさんが尽力し、夏ばっぱも駆けつけてと言うのを見ると、実際の苦労の大きさに比べれば、劇中の表現は縮小されていたのでしょうが、それでも感動的でした。

【東日本大震災を千葉県で被災した時の記録記事】
映画館で被災しました　2011/03/12 (Sat)00:30:31
忘れられない映画館になった…　2011/03/14 (Mon)00:07:38

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