泣くな、はらちゃん (第10話 最終回・3/23) 感想
日本テレビ系ドラマ『泣くな、はらちゃん』(公式)の最終回『私の世界』の感想。
良い意味で、軽妙なラブファンタジーでは無かった!
最終回の数回前から、主人公の二人がやたらと説教くさかったり、全体的にテーマを前面に押し出して表現したりと、軽妙なラブファンタジーだと想像した人には好き嫌いは分かれるかもしれない。ただ私は心のどこかで脚本の岡田恵和氏に、『ビーチボーイズ(1997)』みたいな港町を活かした人の出会いと別れを描いた、観終わってホッコリするドラマを期待していたのだ…
コメディの皮を被った真面目…
最終回を迎えてみれば、ラブファンタジーの皮を被ったヒューマンドラマになっていたと思う。その点で、最近のドラマの流行でもある雰囲気重視や謎解きもどきとは違う、「人とは?愛とは?世界とは?宗教とは?平和とは?」を真正面からベタに描き、視聴者に直接訴えかけた本作を私は好きだ。
鶏が先か、卵が先か…
越前さん(麻生久美子)が自身のために創造した漫画の世界の登場人物、特にはらちゃん(長瀬智也)が自ら意思を持ち行動しているのか、ぐるっと回って越前さんに操られているのか。その辺のパラドックスと言うか、因果性のジレンマも本作の面白さだった。そう、「鶏が先か、卵が先か」のような不可思議な世界観も私には楽しかった。
度々岡田氏の『ビーチボーイズ』を引用してきました。その作品のテーマが「各自の“オレの海”を探すこと」でした。その意味でも最終回のサブタイトル『私の世界』に通じます。いや、本作の方が広義になっているのが、東日本大震災のあとの日本のドラマとしても、上手く作ったなと思います。
ただ、全話を通して見ると、軽妙なラブファンタジーの部分とヒューマンドラマの部分にもう少しメリハリがあったら、より現実と漫画の二つの世界の違いも描けたはずですから、もっと面白くなったと思います。
でも、十分に笑えたし泣かせてもらった、そんな作品でした。キャストとスタッフの皆さん、お疲れさまでした。
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