映画「SAFE／セイフ」 感想と採点 ※ネタバレあります
映画『SAFE／セイフ』（公式）を先日、劇場鑑賞。
採点は、★★☆☆☆（5点満点で2点）。100点満点なら40点にします。
ざっくりストーリー
ニューヨーク市警の特命刑事ルーク・ライト(ジェイソン・ステイサム)はある事件で仕事を辞め、マイナーな総合格闘技のファイターにまで落ちぶれていた。ある日、八百長試合で勝ってしまった彼は、試合を牛耳るロシアン・マフィアに妻を惨殺されてしまう。
すべてを失い、地下鉄で飛び込み自殺を図ろうとした彼は、一人の中国人少女メイ(キャサリン・チェン)を、妻を殺したロシア人の一団が追っているのを目撃する。彼は少女を救うが、今度は汚職警官グループやチャイニーズ・マフィアまでもが追ってくる。
メイは、一度覚えた数字を絶対に忘れない天才。激しい抗争と逃亡の中でルークはメイが追いかけられる秘密を知ることになる…
最中の中の餡は美味しくても、皮のお味が今一つ…
私が和菓子の最中（モナカ）に例えたのだが、“最中の中の餡子”とは、特に中盤で魅せるジェイソン・ステイサム主演作品ならではの彼の格好良さ。でもって、“皮”とはそれを上手に包み込む脚本や演出で簡単言えばお話全体。
確かに脚本も演出もかなり凝ってるのは解る。しかし、主役と少女が本格的に絡みだすまの人物設定紹介が約30分、ようやく見せ場が来たと思ったら、残りの辻褄合わせみたいな最終章にこれまた30分。
ストーリーも凝っちゃいるけど面白いと言う程でも無い。アクションも派手だけどノリも勢いも今一歩。でも、ジェイソン・ステイサムが好きなら許せる、そんな作品…
「意見には個人差があるから」と寛大なお心の方のみ、採点理由も含めて、詳細はネタバレが含まれますので、ご理解の上、“続きを読む”よりお進み下さいませ。
雑感…
冒頭に書くべきは書いたので、これ以上追記は無いのだが。やはり冒頭と言うのか94分尺で30分が状況説明ってのは頂けない。もちろん、複雑な人物関係なり組織対立があるのは解るが、そんなのはとっととやってもらって、もっと主人公が少女と二人三脚で逃げ惑うアクションを観たかった。
そして、肝心のアクションも暗がりや室内ばかりて、それも既視感ありありのガン＆カー・アクションの連続。何度も書くが、ジェイソン・ステイサムのファンが、この程度じゃ心が高揚しないのは作り手も解りそうなものだが…
記憶力抜群の中国人少女がマフィアに利用されて、ある暗証番号を覚えさせられ、それをあちこちのワルたちが狙うのジェイソン・ステイサムがなぜか助けるって単純なプロット。なのに、やたらと組織内や組織間の関係を複雑に作り込むから、それを追うのが面倒になって、最後には「これ誰だっけ？」状態になってしまった。主人公がなぜ少女に思い入れるのかも理解できなかったし。もっとすっきりできなかったろうか…
ジェイソン・ステイサムのファンなら楽しめると思います。ただ、ファンで無いなら、いつものジェイソン作品のカッコ良さやスッキリ感を求めると痛い目に合います。それは基本的な人物と状況設定の無理が原因だと思います。「なぜ？」「あれ！」と思いながらの一時間半です。ジェイソン・ステイサムが格好良いのは確かです。
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