映画「アイアン・スカイ」 感想と採点 ※ネタバレあります
映画『アイアン・スカイ』(公式)を先日、劇場鑑賞。
採点は、★★★★☆(5点満点で4点)。100点満点なら70点にします。
ざっくりストーリー
第二次世界大戦で完全に敗北したはずのナチス「第三帝国」の一部のエリートたちは、密かに月の裏側へ逃亡し、秘密基地を作り軍備を強化し、70年間連合軍への復讐の機会を伺っていた。そして2018年、ついに宇宙船団を率いて地球を侵略にやってくる!
異色のSF風刺アクション!発想も風刺も程良い感じ…
もし企画会議で、「第二次大戦で負けたナチスが月から攻めてきたらどうだろ?」なんて提案されたら、私はすぐに「金さえあれば作りたい」と発言するだろう。で、本作では世界中から約1億円ものカンパが集まって作っちゃった。
初期設定だけでなく、細かなエピソードの発想も全編に散りばめられるアメリカ大統領や国連への皮肉、お話の中心であるドイツも賞賛しつつもしっかり風刺の対象で、それらのバランスも程良い。
派手さはないが、社会風刺と言う映画の本来のあり方を見つめ直すにも価値のある作品だ。
「意見には個人差があるから」と寛大なお心の方のみ、採点理由も含めて、詳細はネタバレが含まれますので、ご理解の上、“続きを読む”よりお進み下さいませ。
お決まりのB級SFコメディ映画だが…
ブラックジョークと言うお行儀の良いものより、毒舌と言った方が正しいようなアメリカや国連への風刺。PG-12指定らしいエロとグロもちょっぴりあるし、正におバカなB級SFコメディ映画だ。
でも、それらのバランスがとても良くて心地良いのだ。濃過ぎず薄過ぎず、適度に満腹感も味わえた上に後味も悪くない。こう言う作品は久し振りの掘り出し物、そんな感じだ。
あばたもえくぼ…
物語としては、前半のスペース・ナチスの説明と地球に攻めてくるまでが少々だるい。突っ込み所も無い訳ではない。
しかし、中盤以降のスペース・ナチスvs地球防衛軍の戦いは、B級と片付けるには勿体無い程のスケール感とチープさ、金髪ヒロイン(レナーテ・リヒター)のコスプレ祭りも相まって、退屈することはない。
更に、サウンドトラックがきちんと作られているから音楽も楽しめる。
私は、どんな映画にも社会風刺と言う作家性があるべきと考えます。その点で、本作は低予算ながら作者の言いたいことを少しの下ネタとユーモアの中にきちんと収めた良作だと思います。
「B級映画だから」と言う理由だけで観ないのは勿体無い、そんな映画の原点に触れられるような一本です。是非、映画館で。
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