東野圭吾ミステリーズ (第2話・7/12) 感想
フジ系ドラマ『東野圭吾ミステリーズ』(公式)の第2話『犯人のいない殺人の夜~欺』「犯人のいない殺人の夜~完全犯罪殺人!予測不能の衝撃ラスト」の感想。なお、原作の東野圭吾氏の小説は未読。
ミステリードラマとしての面白さを追求して欲しい…
今週も『ミステリーズ』なのにミステリーと言うより二時間サスペンス風で終了してしまった。先週は単純なプロットを引き延ばした感じだったが、今週は少々事情が違った…
原作は未読だが、多分、「叙述トリック」の類の原作なのだろう。上手く論理的にミスリードを組み立てて読者を騙す。要は語り手自身が読者に嘘をつき、読者の固定概念や先入観を利用し欺いて、「実は○○でした」と衝撃を与える手法。
タイトルに『欺』とあるから間違いないだろう。原題にないこの一文字は脚本家と演出家の視聴者への気遣いなのか、お詫びなのかわからないが、小説とは違うドラマらしい魅せ方(メリハリや現実味など)を工夫した脚本や演出に期待したい…
俳優以上に、脚本と演出にはがんばって欲しい…
今回は俳優陣の存在感で乗り切った、そんな1時間だった。脚本も演出もかみ合っていない印象。ひかわ氏はこの小説こそ楽しい「叙述トリック」を映像化するのに、さぞ苦労した事だろう。きっとミスリードを作るために、相当数の柱(シーン)を立て、複雑に組み立てたに違いない。
しかし、そんなことをやっていたら1話完結だと撮影が追い付かないから、現場でシーンは削られたり統合されたりしたのだろう。お蔭で、誰が最初に死体に触れるかわからないのに死んだふりする強引さや、「美味しそうなガム」を飲み込む女の違和感など、肝心な部分がほぼスルーされてしまった。テンポが良いの悪くないが、必要な部分はちゃんと描写して欲しい…
例の写真だが、赤い派手な服装と下手(左)に樹木、画面上半分がドン曇りの背景、違いはサイズと表情くらいで、誘導尋問するのもどうかと思う。岸田家の子供部屋の本棚が漫画だけだし。“死んだふり”や“ガム”も文章で読むのと違って、サラッと映像化されるとどうしても陳腐なトリックに見えてしまう。小道具にも凝って欲しい…
次週から、毎週違う俳優の皆さんを楽しむドラマと位置付けようと思います。それに、文章量が違う個々の短編を押し並べて一時間一話完結と言う企画が難しいのかもしれません。
【これまでの感想】
第1話
犯人のいない殺人の夜 (光文社文庫) [文庫] 東野 圭吾 (著)
あの頃の誰か (光文社文庫 ひ 6-12) [文庫] 東野 圭吾 (著)
怪しい人びと (光文社文庫) [文庫] 東野 圭吾 (著)
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