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映画「少年は残酷な弓を射る」 感想と採点 ※ネタバレあります

少年は残酷な弓を射る

映画『少年は残酷な弓を射る』公式)を6/30の初日にTOHOシネマズ シャンテにて劇場鑑賞。

採点は、★★★☆☆(5点満点で3点)。100点満点なら50点にします。なお、原作本『We Need To Talk About Kevin』は未読。

ざっくりストーリー

エヴァ(ティルダ・スウィントン)は、イギリス郊外の古い一軒家に住んでいた。家や車には一目で嫌がらせとわかる赤いペンキがぶちまけられ、町を歩けば突然女性から罵声を浴び頬を殴られる。その理由は息子ケヴィン(エズラ・ミラー)が起こした“ある事件”だった。
旅行代理店の下働きで生計を立て、少年刑務所にいる息子に面会に行く、これがエヴァの今の生活だ。酒と睡眠薬に溺れる生活の中で、徐々に事実を直視し、過去と向き合っていく…

予告編とは違って意外と優等生的で、何かもの足りない…

予告編の「恐ろしいミステリー映画」と言う印象とは違い、人間の内面的な恐ろしさを映画が好きな人が真面目に描いた文学的、且つちょっとカッコつけたアートな作品。邦題のセンスも如何なものかと思う…
息子が起こした事件当日を基点とし、それまでの過去と事件後(現在)をカットバック(交互に描く)して、観客をぐいぐいとテーマに引き寄せる手法は目新しくは無いが、時間軸の可逆性の無い出産や育児で使うと面白いと思うが、何か物足りない…


「意見には個人差があるから」と寛大なお心の方のみ、採点理由も含めて、詳細はネタバレが含まれますので、ご理解の上、“続きを読む”よりお進み下さいませ。

ここからネタバレあります!














すべてが母親・エヴァの視点で描かれる…

本作で注目したいのが、先に挙げた「時間軸を交互に描く」とは別に、「すべてがエヴァの視点で描かれる」点だ。過去も現在も妄想も、すべてエヴァを通してエヴァの主観・価値観で描かれるのだ。もちろん息子ケヴィンの存在も。
これがどうして“もの足りなさ”に繋がるのか?もしケヴィンの視点からも過去や現在が描かれれば、母と息子の意識や感覚や認識の隔たりや微妙な違いを表現できたと思うし、そこに私が期待したからだ。
それに、エヴァ自身が我が子を愛せない母親である以上、彼女の視点そのものも真偽は疑わしいのに、ケヴィン視点が無いから、その真偽は最後までわからぬままだ。では、なぜ本作はそうしなかったのか。本作のテーマが母と息子の“ズレ”の追求ではないからだと思う…

私たちは、息子・ケヴィンについて話さなければならない…

ここで原題『We Need To Talk About Kevin(私たちは、ケヴィンについて話さなければならない)』を振り返る必要がある。なぜなら、本作は明確なテーマや解答を示さないまま終わるからだ。だから、私たちは、本編で描かれなかった「ケヴィンについて」話さなければならないのだ。
そして、ケヴィンが彼の中に貯めた計り知れないエネルギーが、どうしてあのような方向でしか処理できなかったのか、きっと誰も答えが出ないのだろう。それこそが子育てであり、教育であり、永遠に答えの出ないもやもやしたものだと言われれば、それが本作の“もの足りなさ”につながるし、それこそが本作の意図するところかもしれない。
劇中でエヴァが「あんなことをした理由は?」との問いに、ケヴィンが「よくわからない」と答えるが、それこそ消化不良で、もの足りないまま終わってしまうのが私には残念だった。
そこで、私なりにケヴィンについて話してみる。本音と建前を使い分ける母親を見抜き煙たく思い、母をぶち壊すために自らも見せかけの自分を創り出す。そして、その互いの“ズレ”があの事件に発展していく。本作は極端な例だが、小さな“ズレ”はどの家庭にもあるだろうし、それが巨大化・肥大化しないと誰が約束できるのか。そんな恐ろしさを描いた作品と言うことだろうか…


あの予告編でなかったら観なかったでしょうし、予告編を観なかったら評価も違ったと思います。所謂“ミニシアター系”のちょっと癖のある作品です。母子役のティルダ・スウィントンとエズラ・ミラーの演技はなかなか良いですが、アメリカの新生イケメン俳優目当てで行くと、どっと疲れるかも?慎重派なら原作を読んでからでも遅くないです。

     

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