映画「第九軍団のワシ」 感想と採点 ※ネタバレあります
映画『第九軍団のワシ』(公式)を先日『ユーロスペース1』にて劇場鑑賞。
採点は、★★★☆☆(5点満点で3点)。100点満点なら55点にします。
ざっくりストーリー
西暦120年、ブリタニア(今のイングランドとウェールズ)に侵攻しつつ、ローマ帝国の支配下だった北部のカレドニア(今のスコットランド)での内乱を抑えるために、5000人ものローマ最強の第九軍団が出撃するが、名誉の象徴“黄金のワシ”と共に消息不明になる。
20年後、第九軍団の指揮官の息子・マーカス(チャニング・テイタム)は、奴隷の兵士・エスカ(ジェイミー・ベル)と出会う。マーカスは父の失われた誇りを懸けて、ブリテン島の北端の神殿にあるらしい“黄金のワシ”をエスカ伴い旅に出る…
ご主人様と奴隷の自由と名誉のための青年二人旅…
突然に男気の映画が観たくなり、見つけたのが本作。何の事前知識も無く期待もせずに鑑賞した。
結果それが良かったのか、意外に面白かった。父の汚名を晴らしたいローマ軍の青年将校と、奴隷の身分に落ちた誇り高きスコットランド人青年が繰り広げる、自由と名誉のための青年たちの二人旅。
女っ気はゼロ、物語も捻り無し。ただただ男、戦士、戦闘のみの硬派一筋。でもなぜかエンディングは急に軟派で?って感じ。でも、こう言う戦記モノが好きなら、何も考えずに楽しめると思う。
「意見には個人差があるから」と寛大なお心の方のみ、採点理由も含めて、詳細はネタバレが含まれますので、ご理解の上、“続きを読む”よりお進み下さいませ。
原作小説が児童書なんで…
あとで知ったが、原作小説『第九軍団のワシ』が岩波少年文庫なのだ。そう児童書だ。そうなると物語に捻りが無いのも、登場人物像に深みが無いのも、何となく頷けてしまう。
少年たちに合戦シーンを見せながら、男の友情や自由や名誉って事を考えて貰おうと言う程度に思えば納得できる。たまにはこう言う映画も悪くない。10代の青年には、たまにはテレビドラマの延長風なおふざけ日本映画でない、こう言う作品をお勧めしたい…
もう少しゴロッとした“何か”が欲しかった…
何と言おうか。おじさんには流動食みたいな映画だった。もう少しゴロッとした歯応えのある部分がストーリーにも演出にも欲しかった。特にエンディングの安っぽい刑事ドラマのバディのお別れシーンみたいなのはちょっと…
せめて、もう少しオリジナリティがあったら良かったかも。特に登場人物や時代背景が、どこかで見たようなルックスだし設定だし。まあ、時代設定からやむを得ないかもしれないが、もう少し魅せ方を工夫すれば、より面白くなったと思う。
映像の美しさ…
実は映像が美しい。これが一番の見所だと思う。撮影監督は『スラムドッグ$ミリオネア』でアカデミー賞撮影賞を受賞したアンソニー・ドッド・マントル。ケルト地方の山岳風景はもとより、戦闘シーンも迫力の中にどこか情緒的で美しさがある。もちろんロケーションの素晴らしさも見所だ。
全国公開と言っても、劇場は限れれているので、観る機会は少ないと思いますが、ローマ時代の戦記モノが好きならお勧めします。逆にそう言う類は苦手な人でも、自由と名誉回復のための青年たちの二人三脚の冒険旅行モノとして楽しめます。意外と幅広い層で楽しめると思います。
第九軍団のワシ (岩波少年文庫 579) [単行本]
スラムドッグ$ミリオネア [DVD]
300<スリーハンドレッド>特別版(2枚組) [DVD]
ROME [ローマ] 〈前編〉 [DVD]
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