映画「戦火の馬」 感想と採点 ※ネタバレあります
映画『戦火の馬』(公式)を先週平日のレイトショーで劇場鑑賞。
採点は、★★★☆☆(5点満点で3点)。100点満点なら50点にします。
ざっくりストーリー
第一次世界大戦中の英国。農家の少年アルバート(ジェレミー・アーヴァイン)の愛馬ジョーイは、フランス軍に買い上げられ、軍馬としてフランスの戦地へ送られてしまう。
そして、アルバートはジョーイと会いたいがために、徴兵年齢に満たないのに志願兵となって激戦下のフランスへ。しかし、その頃、ジョーイはドイツ軍に捕らわれてしまい…
大人の階段昇る少年向けお伽噺…
冒頭?50分位までの主人公アルバートと馬ジョーイが出会い戦地へ行くまでの展開は意外とスピーディーだし、演技力抜群のジョーイと感動の押し売り的な物語も、スピルバーグ監督らしい人間ドラマとしてそれなりに楽しめる。
しかし、残りの2時間弱は一転。どうして外国人は動物の擬人化が好きなのか分からないが、これでもかって馬が泣かせの演技しまくりだし、物語も都合が良い出会いと別れの繰り返し。
大人の階段を昇っている清き心の少年少女向けのお伽噺と言ったところ。一頭の奇跡の馬のファンタジー映画なのは確かだが、私のように擦れた大人にはつくりモノっぽさが気になった作品になってしまった。
「意見には個人差があるから」と寛大なお心の方のみ、採点理由も含めて、詳細はネタバレが含まれますので、ご理解の上、“続きを読む”よりお進み下さいませ。
敬愛するスピルバーグ監督作品として…
1970年代から2000年前半の『プライベート・ライアン(1998)』や『A.I.(2001)』頃までの私が考える映画監督としてのスティーブン・スピルバーグの作品と比べると、昨今の監督作品は趣が異なる。
本作は奇跡の馬のファンタジー映画。もちろん主役は数奇な運命を辿る馬ジョーイだ。ジョーイの目を通して「人間とは?」「戦争とは?」「平和とは?」を子供たちに問いかける作品。問題は、それをそのまま撮っちゃってる。美しく動くお伽噺絵本みたいに。私にはそれが残念。
また、もっと大人の観客に思考させる部分を残して欲しかった。1から10まで映像で説明されては大人は情報過多で疲れてしまうのでは。折角の余韻の良さも「やっと終わった」と言う開放感が勝ってしまう。『激突!』や『ジョーズ』に見られる観客への情報の質と量の選択と集中こそスピルバーグ監督の妙だったに…
もっと…
私が捻くれているからだろうが、もっとテーマを掘り下げて欲しかった。ジョーイの数奇な運命に関わった人たち一人一人を掘り下げて欲しかった。
ジョーイの奇跡(偶然とも言う)を描くあまり、戦争と言う背景自体もファンタジー風に見えてしまったように思う。
もっと戦争のリアルさを描いてこそ、叙情的な農村風景に生きる人々、そして馬の生きざまが見えてくると思うのだが…
上映尺が2時間26分。これが100分程度なら★4つにして、多くの皆さんにお勧めしたいです。
世間では意外と高評価ですが、動物嫌いの私が最後まで観られましたから、その意味では誰でも楽しめる作品だと思います。
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