【書評】映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと シド・フィールドの脚本術(フィルムアート社) シド・フィールド(著)

難もあるが、脚本の基礎の基礎は学べる一冊!
まず、本書はハリウッド映画における若干古い脚本の基本的な書き方を、これから脚本を書こうと言う初心者に向けて書いた書だ。いろいろ難はある(別記する)が、映画やテレビドラマの脚本の基本的な部分を学ぶには意外と悪くない。
理由は、日本における「起承転結」的な構成方法でない、「三部構成」的な考え方がわかりやすく書かれており、これが意外と役に立つからだ。
今のドラマ脚本に疑問を持っているなら…
ドラマの脚本に興味がある人には、いろいろ勉強になる事が書かれている。特に当ブログの読者さまは、頷くような部分が多いと思う。例えば、
●キャラクターの性格などの設定は「行動(アクション)」で示す。
●脚本を書く時は、先に「エンディング」を決める。
●「発端(状況説明)」「中盤(葛藤)」「結末(解決)」に分ける。
●「転換(プロットポイント)」には、登場人物の「ドラマ内での欲求」を与える。
●原作は、単なる出発点であり、新作を書くつもりで書く。
●続き(連続)モノは、初めて観る人の視点で。
●共同執筆の鍵は、コミュニケーションと相手を敬う気持ち。
ドラマは葛藤だ!
私が10代の頃、脚本の先生に徹底的に叩き込まれたのが「ドラマは葛藤だ」「ドラマは人間そのものを描くことだ」の二つ。
本書でも似たような事が書かれている。「すべてドラマは葛藤である。葛藤なしでは、アクションは生まれない。アクションがなければ、キャラクターを作ることができない。キャラクターなしでは、ストーリーが生まれない。ストーリーがなければ、脚本は存在しない」と。
では、「葛藤とは何か?」と言えば、主人公が目的のために達成しなければならない目の前の大きな壁とでも言おうか。
具体例は多いが、作品を観ていないと…
本書には数多くの具体例が挙げてある。例えば『アメリカン・ビューティー』『コラテラル』『チャイナタウン』『テルマ&ルイーズ』『ロード・オブ・ザ・リング』など、いずれも名作と言われるものばかり。観てなくても読み進められるが、理解度が高まらない。是非、観ておこう。
【追記 2014/11/13 15:40】
本記事は旧デザインで書かれており読み難かったので、デザインとレイアウト、商品リンク等を現デザイン用に修正しました。記事は修正しておりません。
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