映画「パーフェクト・センス」 感想と採点 ※ネタバレあります
映画『パーフェクト・センス』(公式)を先日、シネマイクスピアリにて劇場鑑賞。
採点は、★★☆☆☆(5点満点で2点)。100点満点なら30点にします。
ざっくりストーリー
科学者のスーザン(エヴァ・グリーン)はシェフのマイケル(ユアン・マクレガー)に声をかけられ恋におちる。日夜愛し合う2人…
しかし、世界では「SOS」と名付けられた五感が次々と失われる原因不明の奇病が蔓延していた。そして2人も病魔に侵されてしまう。人類存亡の危機の中、次第に五感を失いつつも、2人はお互いに何を感じ何を求めるのか…
やりたいことはわかるが、何も心に響かない!
あちこちで賛否両論ある本作だけに、過大な期待はせず、ただ『感染列島』の二の舞だけは勘弁してくれと願ったのだが、結論から言えば、残念ながら何も心に響かなかった…
本作は、世界の崩壊と理性の崩壊、徐々に五感が失われる奇病の緊張感と相手の温もりしか感じられなくなる絶望感、そんな世界規模のパンデミック映画と私的な恋愛エピソードを対比させ、どんな時でも前向きに生きること、愛し愛される意味を問う人間ドラマ、にしたかったんだと思う。
そう言う映画を作りたい製作者の意図には共感できるから2点にしたのだが、それらのほぼ全てが中途半端過。世界中に蔓延している感は無いし、全体的にエピソードが散乱してしまっているから、折角の(予定調和の)結末も感動の押し付けに感じてしまった…
なお、今回は相当辛口な感想なので、出演者や監督はじめスタッフのファンの方や、最初から2点の採点に異論のある方は、読まないで下さい。また、誹謗中傷の類のコメントは掲載及び返事を控えさせて頂く場合があります。
それでも、「意見には個人差があるから」と寛大なお心の方のみ、採点理由も含めて、詳細はネタバレが含まれますので、ご理解の上、“続きを読む”よりお進み下さいませ。
またか。イッツ・ア・スモールワールド!
当ブログの読者さまならご存知の、そう「イッツ・ア・スモールワールド」だ。世界が、人類が、原因も治療方法も不明の感染病で終わろうとしてる設定なのに、まずそれらの描写のちゃちいこと。どこかで観たようなYouTube動画の切り貼りだらけ。
おまけに、良く言えば愛する2人にフォーカスしたとも言えるが、世界には2人とその知り合いしかいないのかって程の小さな世界観。更に、もはや手に負えぬ感染症と諦めたのか、主役の2人(ヒロインは感染症研究者だと言うのにね)はベッドインのシーンばかり。中学生ならともかく(R15+[15歳以上鑑賞可])指定だが)、お色気シーンも3度目からは食傷気味になる。
すべてが中途半端…
やはり、嗅覚に続き味覚、聴覚と次第に五感を失っていく「SOS」と言う不治?の感染症が、「そんな都合のいい病気があるか!」と言いたくなる。如何にも映画のための病気過ぎる。
更にそれに感染した患者たちが、何となく治って次の感覚を失うの繰り返しでつまらない。この手の作品にリアリティは求めないが、嘘くささは程々で無ければ、「自分だったら…」と感情移入しにくい。
パンデミック部分が嘘くさいから、せめて2人の恋愛パートに期待したのだが、ヒロインの感染症研究者の肩書きは空振りのまま。女は子供が産めない身体で心を閉じているとか、男は病気の彼女を見捨てたり、女好きなのに1人じゃないと眠れないとか。むしろ、彼らの設定を活かして、どちらかが難病になって愛を確かめ合うって内容の方が良かったような…
本作を感染パニックの緊迫感や恐怖感と、それでも愛し合う男女のラブストーリーと思える人向けなのですが、それがどう言う層なのか私には良くわかりません。敢えて言うなら映画『感染列島(2008)』が面白かった方なら楽しめると思います。『感染列島』よりは面白いですが、若干グロいと言うか汚い食べ物のシーンなどはありますので、ご注意下さい。
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