MBS開局60周年記念スペシャルドラマ「花嫁の父」 (1/8) 感想
1/8にTBSで放送されたMBS開局60周年記念スペシャルドラマ『花嫁の父』(公式)の感想。なお、井沢満氏の原作小説『ゆきの、おと ~花嫁の父~』は未読。
柳葉さんとTBSなら「テキ屋の信ちゃん」の再来を期待…
1/2放送のTBS向田邦子新春ドラマスペシャル『花嫁』(公式)も、冒頭10分もせずに脱落した私だから、もう「ドラマのTBS」は過去のものだと思っていた。
しかし、柳葉敏郎さんとTBSとくれば、名作ドラマ『テキ屋の信ちゃん』を期待してしまう。ただその一点で予約録画した本作だった…
残したい日本が、情緒的でエスプリに富んで描かれた秀作!
久し振りに“ザ・日本のテレビドラマ”を観た気分だ。
最近は奇を衒ってか、脚本家の才能が無いのか、登場人物たちがいずれもステレオタイプの解り易い性格ばかりだったり、変人だったり、感情の起伏が激しい人物ばかりの、これまた有り得ないお話ばかりで満腹気味だった。
ところが本作は全く違う。私が残したいと思う日本人の心情や日本の原風景みたいなものが、しっとりと情緒的に、ユーモアたっぷりに、随所にニヤッとしてしまうエスプリの利いた台詞も散りばめられて、どこにでも居そうな普通の日本人たちの心温まる日常が描かれた秀作だった。
最後の“美音と里志の距離感”の表現に違和感…
唯一残念だったのは、最後の船頭の丸(向井理)と聴覚障害のある美音(貫地谷しほり)が結婚式の二次会の屋形船の船上と、急いで駆けつけた隅田川の川べりに立つ美音の兄・里志(柳葉敏郎)との手話での会話のシーン。
脚本も3人の演技も見事だったが、どうしても気になったのが、屋形船と川べりの距離感の表現。キャメラワーク、カット割りに違和感を覚えた。簡単に書くと、数カットを除いて、美音と里志の距離が妙に近過ぎて見えなかったろうか。声の届かない距離にいてこそ、父と娘にとっての手話の重要性が描けると思う。
まあ、小さなことなのだが、ここをきちんと描かないと、美音の聴覚障害と言う設定の意味が薄くなってしまう重要な部分のはずだ…
本作って、毎日放送(MBS)開局60周年なんですね。TBSだったら作れなかったと思います。観る人の立場で感情移入する登場人物も違うでしょうから、感じ方もそれぞれだと思いますが、多くの視聴者にとって“後味の良い作品”だったのではないでしょうか。
私は、結婚披露宴の仕事もしているので、妙に新郎新婦としての二人が清々しいかったし、親子や家族の縁って素敵だなと思いました…
ゆきの、おと ~花嫁の父~ [単行本] 井沢満 (著)
ゆきの、おと~花嫁の父 1 [コミック] 井沢 満 (著), 今村 リリィ (著)
花嫁の父 ‐完全版‐ [DVD] 柳葉敏郎 (出演), 貫地谷しほり (出演)
結婚式で本当にあった心温まる物語 [単行本] 山坂 大輔 (著)
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